釣りをしていて考えたこと2

相変わらず釣りを続けております。

釣りを始めて5ヶ月目、念願のシーバスが釣れました。
それも1匹じゃなく7匹?8匹?9匹?10匹?
釣るのに夢中でよく覚えておりません…。
最初に釣れたのが45センチくらいで、後は50〜60センチ台。
最大は73センチ。

漫画家は漫画を描くだけではなく、漫画を読むことが大好きな人が多いです。
映画や小説を楽しむことが大好きな人も多いです。
実は僕にはその感覚がよく分かりませんでした。
毎日、漫画を描き続けていて、仕事が終わった後にまた漫画や映画の画面を観たいとは思えず、商業漫画はほぼ読まず、映画は年2〜3本観ればいいほうです。
僕にとって漫画は仕事であって、趣味にはなり得ません。
趣味が欲しいと思って釣りを始め、なんとか趣味と呼べるくらいには好きになってきました。
睡眠時間を切り詰めて堤防に通っております。
漫画を描きながら漫画を読む人の気持ちがちょっとわかった気がします。

さて、先日釣りのことをnoteに投稿した所、釣りのプロの方から一緒に釣りに行こうとお誘いをいただきました。

誘ってくださったUさんは10年来の知り合いで、世界記録をいくつか保持しているらしく、その道のスゴイ人。
釣り具メーカーと契約し、釣り番組にも時々出演しています。
シーバスにも詳しく、釣りを始めた時に、「レクチャーを受けられないかな?」と真っ先に頭に浮かんだ方ですが、昔からの知り合いなのに自分が興味を持ったときにだけ頼るのもダサいと思い、特に連絡はしていませんでした。
が、僕の書いた釣りに関する文章が釣り関係者の間でそこそこ話題になったらしく、Uさんの目にも留まりお声がけをいただいた次第です。
僕は恵まれています。


朝5時に待ち合わせ場所に集合し、チャーターした船に乗ってポイントを順に廻ります。
最初のポイントでまずは1匹釣れました。


45センチ。
おお…コレが本物のシーバスか…。
あまりに釣れなさすぎてもはや都市伝説ではないかと思っていたシーバスですが、あっけなく釣れました。
リールを巻く腕にずっしりとした重量感が伝わり、込み上げるような感動が…。
が、それよりも早く次を釣りたい。

ポイントを移動して2匹目。


今度は50センチ越え。

そして3匹目。
60センチ越え。
4匹目、5匹目。写真を撮るのが面倒になり、ひたすら釣り続けます。

この場所にこのルアーを投げて何秒沈めてこの速度でリールを巻く、言われた通りに動作を再現できれば魚が釣れる。
再現できなければ釣れない。
ポイントを移動しながらその繰り返しです。
Uさんは僕にレクチャーしつつも、10匹くらい釣っています。
最大は80センチ。
やっぱりスゴイな…。

6匹目か7匹目ではついにリールを巻く腕が痛くなってきました。
シーバス…重いです。
初めて乗るボートに足元が力んでしまい、気がつくとフラフラ。
そう言えば、上京して初めて満員電車に乗った時も足がフラフラになったな…。

最後に「穴打ち」といって、堤防と海面の隙間にルアーを打ち込む釣りも体験させていただき、
午前10時前に陸に戻ってきました。
Uさんが信頼を置く船長は素人目にも凄まじい技術を持っており、最後まで安心して釣らせていただくことができました。
お世話になったUさん、船長さん、魚たちに感謝です。

釣ったシーバスは基本的にリリース。
「ありがとうございました」とお礼を言って海に返します。
食べる分以上の魚を釣ることには罪悪感もあるのですが、釣りを始める前よりは命について考えるようになった気もします。
この辺りはまだ答えが出ません。


3匹程活き締めにして持ち帰らせていただき、Uさんの知り合いの飲食店で捌いてもらいました。

カルパッチョ。
臭みは全くなく問題なく美味しいです。
すごく美味しいけど、うーん…、もっと美味しいスズキを食べたことがあるかも…。
冬になると脂が乗ってもっと美味しいらしいです。

洗い。
氷で締めてあるので冷たくて食感が際立っていて最高。
マジ美味い。

フライ。
ナニコレ!?最高すぎる。美味すぎ!

最高の1日でした。
その日、僕は「釣らせてもらった」のだと思います。
釣れる時間に釣れる場所に連れて行ってもらい、適切なルアーを用意してもらって、着水後のカウント時間や巻く速度まですべて指示してもらってその通りにしただけです。
憧れのシーバスをたくさん釣った後の余韻に浸りつつ、「やっぱり、自分で釣ることができるようになりたいな」と、思いを新たにしました。

その後もいつもの河口に通っていますが、まったくもって釣れません。

漫画を描いていていつも感じる悔しさがあるんですけど…。
思い通りに絵が描けない。
もっと面白くできるはずなのに何か違う。
その悔しさで僕はまた描くのかもしれないな、と。

悔しいからまた釣りに出かけてしまう。(もちろん楽しいのですけど)
今はそんな感じです。

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