釣りをしていて考えたこと5

相変わらず釣りを続けています。

相変わらず週3~4回。主に早朝深夜。

ところで先日「漫画の技術本を描きませんか?」という依頼がありました。
「漫画の描き方」的な。うーん…。技術本って世の中にいらない物の一つだと思います。漫画を見よう見マネで描き始めた人に、まだ技術は不要です。
ただ漫画を描くことの楽しさと自分の描けなさを感じれば良いと思います。そして、漫画が少し描けるようになってきた頃に必要になるのは、やはり技術ではありません。必要なのは「漫画を描く理由」です。

できないことができるようになっていく過程は苦しくて楽しいものです。が、できるようになってくると続ける理由が必要になってきます。他人に見せて評価を受けたり、それに反発しながら自己を形成したり。漫画を描いてどうなりたいのか?何のために漫画を描きたいのか?描く理由が無い人に漫画は描けない。技術を習得すれば漫画家になれると信じている人は、実は最も漫画家から遠い存在なのではないでしょうか。声をかけてくれた編集さんには「技術本はムダであるということを書いた技術本だったら書けそうかな?」という話をしました。

このテーマで文章を書き始めた頃、こんなことを書きました。

「なぜ世界は初心者に優しくないのでしょうか?
もしもこれから「漫画を描いてみよう」と思っている人がいた時、僕たちは初心者に優しい世界を作れているでしょうか?もしも、その入り口が後少しだけ広かったら入って来れたかもしれない才能を、僕たちは潰していないでしょうか?」

今書いたことは、これとは反対のことを言っているような気がしますね…。でも矛盾していない気もしています。一体、僕は誰から何を教わりたいんだろう…?趣味だしなぁ…。最近はいっそ釣りをやめようかと思う時もあったりで、できるだけテーマを持って釣りに出かけるように心がけています。

先日はエイを釣りに行ってきました。エイはこれまで何度かルアーにかかったことがあります。その度にラインを切られたり、竿を折られたり、良い思い出がありません。デカイしヒキが強烈すぎて、僕の使っているタックル(釣り具セット)では太刀打ちできないのです。求めていないのに時々ルアーにかかってしまう。そして、それは今後も多分続く。「ならば一度ちゃんと釣っておこう」と思い、あえて、普段のタックルでエイを狙いに行ってきました。エイに勝てる自分になりたい。
「自分で作ったエイヒレを食べる!」がテーマ。


で、釣りました。アカエイ。計っていませんが、多分、全長1m以上。ルアーに食いついてから10分以上格闘して、何とか引っ張り上げました。腕パンパン、ほぼ筋トレです。無茶苦茶重いし、ラインを切られないように気を使いつつ、堤防右側から左側の砂浜に誘導し…、一体何の修行だろう…?

エイという生き物は体内に尿素を持っているそうです。仕組みは良くわからないけど、尿素で体液の浸透圧を海水に近づけているんですって。なので、釣ってそのまま陸で放置しておくとアンモニア臭がするらしく、釣ったらすみやかに下処理をしなければいけません。アカエイは尻尾に毒針を持っています。刺されたら最悪死にます。まず砂浜で尻尾を押さえつけて、刺されないよう気をつけながらナイフで体から切り落としました。活き締めにしてからヒレ部分を切り離し、海水に浸けて10分くらい血抜き。誰もいない真っ暗な砂浜で黙々とエイを解体する姿はなかなかシュールかも。クーラーボックスに海水と氷を入れキンキンに冷やし、持ち帰ってタワシでヌメリを取り、皮を剥いで身の厚い部分は2枚に卸し、適当な大きさにぶつ切りに。
塩水につけてから、醤油、みりん、酒、砂糖に一晩漬け込み、翌日から屋外(雨の日は冷蔵庫)に干しました。
1週間くらい干したらできあがるそうです。


以上、ネットで下調べして実践しました。これも技術か…。やっぱり技術書は必要なのかなぁ…?

その3日後、今度はシーバスボートに乗りました。すっかり月一のイベントと化しています。今回は知人と2人。テーマは「ルアーで魚が釣れたことがないという知人にシーバスを釣ってもらう」こと。以前も2人で乗ったのですが、その時、知人は釣れなかったのでリベンジ。熟練の船長にガイドしてもらいながらの釣りです。今回こそ釣れるはず。陸っぱりと比べて魚影の濃さも段違いですし。ということで羽田沖へ。



イナダが回遊している時期らしく、シーバスに混ざってイナダも釣れます。
イナダはシーバス以上にヒキが強く、エイほどでは無いにしても筋トレ系。
人間が知恵を絞って釣るというよりは、いれば勝手にルアーにガンガン食いついてきます。


僕はシーバス4匹、イナダ2匹。知人はシーバス、イナダ各1匹を釣りました。ミッション達成、満足、満足。

船長はとても親切な方で教え方もマイルド。「釣れるルアー」と「売れるルアー」は別なんですって。ボートでは、一般に竿は短くて取り回しが良いものがベストとされていますが、それだと人とルアーの距離が近くなるので、逆に船上では危険なことも多いのだとか。本に書かれていることと現場の感覚は乖離しているようです。

そう言えば、ネットを見ると漫画制作に関する情報が溢れていますが、間違った情報もよく見かけます。「デジタルを使えば作画時間を短縮できる」なんて大体ウソ。アナログではできなかったこともできるので、逆に時間はかかります。「手抜きのためにデジタルを使う」と割り切れば時間短縮になる場合もありますけどね…。ルアーの話も「面白い漫画」と「売れる漫画」は違うことに似ていますね。

海から羽田空港を眺めながら、「昔はここも全部海だったんだ」と想像すると不思議な気持ちになりました。空港ができた時、行政は漁師に多額のお金を支払い、漁業権を放棄させたそうです。漁師たちはそのお金で町工場を始めますが、全員が上手くいく訳もなく、再び漁協を作って漁業権を主張したり、補償金を要求したり、ということが今も続いているそうです。地方の漁協では若手の組合員が入ると大歓迎されますが、都会では「補助金の分配が減るから」と嫌がる人もいるんですって。

僕はイナダを2匹持ち帰り、1匹は別の知人にあげ、もう1匹は竜田揚げにしました。


めっちゃ美味しい。

その後も家の近所でキスを釣ったり、メバルも一度釣りに行ったかな?近所では相変わらずシーバスは釣れません。先日は十五夜でした。夕方、橋の上から河口を見下ろしたら無数の小魚が入っていて鱗で水中がキラキラと光っていました。夜になっても月で空が明るくて、地面からは自分の影がいつまでも消えません。夜光虫も光っています。夜釣りの後は車の中で缶ビールを1本飲んでから車中泊するのがクセになってしまいました。

ところでエイヒレができましたよ。



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佐藤秀峰

釣り

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