釣りをしていて考えたこと11

相変わらず釣りを続けています。

冬は煮付けが最高です。
寒くなってサビキでイワシやサバが釣れなくなってきたので、メバルやカサゴなどの根魚を釣ることが増えました。
季節によって釣れる魚が違うのが面白いです。

釣りを始めて3年目に突入しました。
僕が1人でできる釣りはルアーでメバルとシーバス(スズキ)を釣ること、サビキでイワシやサバを釣ることです。
他はまったくわかりません。


昨年末に小型船舶免許を取得しました。
釣りの幅を広げたいと言うか、「沖に出たら釣れる魚の幅も広がるのかな?」と思いまして。
1級を取得したので、20トン未満、24メートル未満の船であれば世界中を無制限に操縦できます。
免許は誰でも割と簡単に取得できます。
2級であれば2日間、1級であれば4日間講習を受けるだけ。(講習は1日8~10時間ありますが…)
船の構造や海図の見方、天気図の読み解き方などを学び、実際にエンジン付きボートを運転します。
座学、実技とも試験がありますが、合格ラインはそれほど厳しくないので、普通に授業を聞いていれば、誰でも合格できるのではないでしょうか。

灯台を見たことはありますか?

海の近くに建っていて、ピカピカと点滅したり、白や赤の光を出しているアレです。
あの点滅の仕方には実は意味があるんです。
それぞれの灯台で光り方が異なっていて、その光り方を記号化できるようになっています。
ずっと光ってる灯台は「F」=「Fixed」。
ピカッと光るやつは「Fl」=「Flash」。
他にもいくつか記号があり、その記号は海図に記載されています。
例えば、「Fl10s」と書かれていれば10秒間隔でフラッシュしています。
つまり、灯台の光り方を観察して海図と照らし合わせれば、それがどの灯台か特定することができるのです。
海上から灯台を2つ見つけてそれぞれの方位をコンパスで測定し、各方位に従って海図の上に線を引きまます。
その線の交わった点が、今、自分の居る場所です。
嵐で漂流しても、灯台を2つ見つければ現在地がわかるという仕組みです。

「自分は何者なのか?」
「自分の居場所はどこなのか?」
アイデンティティに悩んでいる人はぜひ小型船舶免許を取ってください。
自分の居場所がわかります。
ボートは気軽にレンタルできますよ。
レンタカーと同じくらいの値段で借りることができるんです。

ということで、せっかく免許を取ったのでボートを借りて乗ってみることにしました。
とりあえず、ルアーを持って海に出てみます。
目の前に広がる大海原と無限の可能性にワクワクします。


釣果ゼロ。
夕日が綺麗です
右も左もわからず魚探=魚群探知機(レンタルボートに標準装備)で反応のある場所で適当にルアーを投げてみただけでしたが、「沖に出れば何か釣れるのではないか?」という期待は一瞬で打ち砕かれました。
と言うか、何をすればいいのかまったく分かりません。
船がひっくり返ったらどうしよう?
座礁したらどうしよう?
ひたすら不安なだけでした。
海は広いな、大きいな…。
その大きさに悩みも大きくなっただけでした。


で、いつもの堤防へ根魚釣りへ。
確実に釣れるほうが楽しいです。
普段は資源保護を考えて「25センチ以下の根魚は持ち帰らない」というマイルールを課しているのですが、勢い余ってそれ以下の魚をたくさん持ち帰ってしまいました。
でも、どうなんでしょう…?
小さい魚は体力もないだろうし、「リリースしても実はその後、死んでしまう」という話を聞いたことがあります。
白状すると、小さい魚は食べることろが少なく、持ち帰っても捌く手間ばかりかかるので、リリースしているような気もします。
大きくても小さくても釣れたら必ず持ち帰るようにし、食べる分だけ釣ったら、釣りをやめるのが正解のような気もします。

と、ボートフィッシングに絶望しつつ、釣りという趣味の残酷さについて自問自答していたら、免許教習時の担当教官からお誘いをいただきました。
「せっかく免許を取ったのだから一緒に釣りをしませんか?」と。
親切すぎます。

当日は小雨が降る中、出航。
エソ、イベラなどがそこそこ釣れました。
なるほど、この辺ではその仕掛けでそうやって釣るんだ…。
免許取得祝いということで、教官からカワハギをいただきました。


前日に釣ったカサゴやメバルと一緒に唐揚げに。
少し油がベタついてしまいました。
もう少し高温で揚げれば良かった気がします。
が、美味いです。


カワハギは肝を乗せてお刺身で。
20センチ程のカワハギでしたが、この4切れで1匹分です。
釣るまでの手間を考えれば、そりゃ高級魚にもなりますね。
味はかなり&かなり美味しいです。
次は自分でカワハギを釣りたいです。

しかし、せっかく沖に出るのだからもう少し大きな魚も釣ってみたいです。
何もわからずにやみくもにボートで沖に出ても釣果は上がりません。
かと行って、周りの人の親切に期待しているだけでは、世界は広がりません。

近所の釣り船屋さんを調べて1名で予約してみました。

予約したのは、アジやイナダ(ブリの小さいヤツ)をコマセ(エサ)で釣る船。
釣り船に乗るのはほぼ初めてです。
シーバスのルアー船は20回くらい乗っていますが、エサ釣りの船はほぼ初めて。
1人で予約するのは少々勇気がいりました。

だけど、アジもイナダもルアーでなら釣ったことがありますし、馴染みがあります。
道具はレンタルできるそうです。
お手軽、お手軽…。
自分に言い聞かせます。

「とりあえず仕掛けと釣り場のポイントを覚えて、その後、1人でボートで行こうかな」と。

初体験のイベント、アトラクションに1人で参加した経験は何度かあります。
まずイベントが始まる前に係員から概要と注意事項の説明があり、その後、現地で都度アドバイスを受けながらイベントが進行していきます。
釣り船もそんなもんだろうと思っていたのが間違いでした。

朝6時半に港に着くと、すでに受付らしき場所の前に人が群がっています。
そこでおばちゃんに料金を支払い、仕掛けを購入すると、船に乗るよう促されます。
乗客は20名程、ほぼおっさん。
1.5メートル間隔で船べりに並びます。
誰からも何も話しかけられません。
とりあえず、隣の席の人に「初心者で迷惑をかけることがあるかもしれませんがよろしくお願いします」と挨拶しました。
冬なので無茶苦茶寒い…。

「いつ説明があるのだろう?」と待機していると、なんと船が岸壁から離れ始めているではありませんか。
あれ?
船はそのまま30分走り続けました。
その間、波しぶきを浴びるだけで説明はなし。
目の前にレンタルの釣り具や餌は置いてあるのですが、使い方はまったくわかりません。
ポイントに到着したらしく、船のスピーカーから放送が流れます。

「70メートル。まず底まで落としてから3メートル巻いてコマセを振ってください。その後、また3メートル巻いてコマセ。さらに2メートル巻いてください」

多分、そんなようなことを言っていたような気がしますが、風もあるしエンジン音が大きいのであまり聞き取れません。
リールは電動リール。
操作方法は知りません。
仕掛けは撒き餌を詰めるカゴが2種類あり、その下に結ぶハリも2種類あります。

ヤベェ…何していいか全然分からん…。

お客さんは一斉に糸を垂らし始めます。
このままじゃマズイ…。
隣に座っていた人に、釣り方を訊いてみました。
教わった通りに仕掛けを結び、見よう見まねで仕掛けを海に垂らします。
親切な方で良かった。

…が、釣れません。

釣れないどころか、1.5メートル間隔で人が並んで70メートルの深さに仕掛けを落とすので、隣の人と頻繁に糸が絡まります。
すると、どこからか船員が走ってきて、絡まった糸をほぐしながら、「リールを巻いて糸を張って!」「竿上げて!」「だから巻けって言ってるじゃん!」などと怒鳴られます。

何だろう?このアウェイな感じ。

しかし、ここで負けてはマイボートフィッシングは遠のきます。
怒鳴られながらも釣りを続けていると、少しずつアタリが出始めました。


ということで、50センチほどのイナダ2匹、40センチ前後の大アジ2匹、20センチ以下の小さいアジが十数匹。

初めてにしては満足できました。
隣の人に「何度も糸を絡ませてしまって本当にすいませんでした」と謝ると、「いや、この釣りはお祭り(隣同士で糸と糸が絡むこと)するのが基本だから気にしないでいいですよ。それより、初めてにしては頑張ったじゃないですか」とお気遣いをいただきました。
船員には何度か怒鳴られましたが、最後には「本当はもっと釣らせてやりたかったんだけどな、今日は客が多くてあんまり教えてやれなくてごめんな」と声をかけられました。
言葉遣いが少々荒っぽいのは、海の上という「一歩間違えれば本当に危険な状況」と、その人がそういう言葉遣いの人というだけ。
実は結構良い人でした。

しかし、「とりあえず仕掛けと釣り場のポイントだけ覚えて、1人でボートで行こう」と考えていたはずなのに、まったく1人で行ける気がしません。

改めて釣りは初心者には入り込みにくい世界だと感じます。
僕がこれまでルアーをメインでやってきたのは、それしか知らないからです。
すで知っていることを繰り返すことは、知らないことをゼロから始めることよりも気が楽です。
楽なほうに流れてばかりいるから、幅が広がらないのかもしれません。
(繰り返しの中でレベルアップを目指すのも大変ですが)
だけど、自分から馴染もうと努力すれば、意外と入口は広く開いているのかもしれません。


ということで、イナダはまずは塩焼きに。
Youtubeで血抜きの仕方を学習し、実践してみました。
臭みなし。
完璧に美味しいです。


お刺身も。
盛りつけ方が変ですが、うん、美味しい。


小さいアジは干物に。
朝ごはんに良い感じ。


イナダ漬け丼。
ものすごい旨味。
イナダは冷蔵庫で熟成させて5日目まで毎日ちょっとずつお刺し身で食べてみましたが、2日~3日目が一番美味しかったです。


その後2度程、カワハギを釣りに沖にボートで出ました。(写真の爪が汚くてすいません)

カワハギは最大でも30センチ程の魚で手軽に釣ることができる一方、上手い人と下手な人の釣果に差が出やすい釣りだそうです。
今年は操船技術向上を目標に、ボートでカワハギを釣りながら、時々、初体験の釣り船に乗って経験を広げたいです。
今の時期だとアマダイの船にも乗ってみたいですし、2月になったらメバル船にもチャレンジしたいです。
大アジ、イナダは水深が少し深い場所だったので、正直、今の僕の操船技術では少々不安を感じます。
タイラバ(マダイルアー)もやってみたいですね。
シーバスも中途半端なのでもっとちゃんとやりたいです。
夜釣りがしたくなったらワームでロックフィッシュ。

最近はそんな感じです。



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