フジテレビと和解

佐藤秀峰と株式会社フジテレビジョンは、下記2件について平成27年5月27日に和解をいたしました。

・平成24年8月24日にフジテレビ報道スタッフが有限会社 佐藤漫画製作所(代表 佐藤秀峰)を突撃取材した件

・「海猿」関連本について、原作者の佐藤秀峰の許諾を得ることなく無断で出版を許諾し、著作権を侵害した件


フジテレビからのこの件に関するみなさまへのご報告は下記をご確認ください。

http://www.fujitv.co.jp/movie/index.html

http://www.fujitv.co.jp/movie/doc/150528.pdf


フジテレビからは上記のご報告とは別に、私(佐藤秀峰)宛に謝罪文をいただいておりますので、そちらを下記に公開いたします。


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2012年8月の、佐藤様への取材につきまして、改めてお詫び申し上げます。

 当時スーパーニュースでは、佐藤様の作品の一部がネット上で無料で公開されるとの新聞報道を見て、ネットと著作者の権利などの問題も含めニュースバリューが高いと判断し、まずは当事者である佐藤様のご見解を伺おうと取材させていただくことを決めました。担当ディレクターを決め16時50分からの番組放送に向けて取材を始めましたが、

 佐藤様との電話・メールなどのアポイントが取れないまま、直接事務所のドアフォンを鳴らして取材を申し込むことになったことについて、まずはお詫びいたします。

また、ドアフォン越しの取材要請や事務所前でお返事をいただくために取材スタッフが待機したことについて、佐藤様はじめ関係の皆さまがご不快な思いをされたことにつきましても重ねてお詫び申し上げます。今回のケースは、事前の許諾なくカメラやマイクを向けるいわゆる「突撃取材」を行うべきものではなく、佐藤様のご意向を尊重すべきでした。

その際に貴事務所から弊社映画プロデューサーにメールをいただき、弊社映画プロデューサーは、編成部を経由して報道局に撤収の要請をし、報道局では佐藤様との関係を考慮し、担当ディレクターに対し、撤収を指示しました。

佐藤様からのご指摘に対して私共が十分に謝意をお伝えすることができず、長い間ご迷惑をおかけしていますことを重ねてこの場でお詫びさせていただきます。誠に申し訳ございませんでした。

 取材をさせていただく対象者の方に対して、礼儀をもって接し、取材の意図をきちんとご説明するように努めることを改めて肝に銘じまして、今後の取材報道に活かしてまいります。

 2015年5月27日

株式会社フジテレビジョン

執行役員報道局長 西渕 憲司

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また、代理人の小倉秀夫弁護士よりこの件を総括するコメントをいただきましたので、そちらも公開いたします。


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フジテレビとの交渉の結果、このような形で円満な解決に至ったことは喜ばしいことです。

 フジテレビが原作者である佐藤先生に無断で映画「海猿」の関連本の出版を許諾してしまった点に関しては、問題発覚後、フジテレビ側がしかるべき責任を取ることを自主的に提案してくださったこと、さらに二度とこのようなことが起こらないように適切な権利処理に向けての社内体制を構築してくださるとお約束して頂き、納得のいく解決となりました。

 また、フジテレビの従業員が事前のアポイントなしに取材に訪れた点につきましては、取材活動の自由との兼ね合いという難しい問題はありますが、このときは、アポイントなしの取材を受忍しなければならない理由が佐藤先生の側に存在しないことから、フジテレビの側に非があることを認めて頂き、納得のいく解決となりました。

 いずれの問題も、テレビ局が犯しがちな過ちではありますが、それが過ちであることを自主的にお認め頂けたことは、充分に意義があることなのではないかと思います。

佐  藤   秀  峰

上記代理人     

弁護士 小 倉 秀 夫


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最後に私(佐藤秀峰)からこの件に関する意見を述べさせていただきます。突撃取材があったのは2012年の8月ですから、今からおよそ3年前の出来事になります。その間、フジテレビには「アポイントメントなしの訪問がいわゆる『突撃取材』であったこと」と、「映画プロデューサーの要請によって、報道スタッフが撤収した事実」をなかなか認めていただけませんでした。

彼らからは「あくまで取材依頼のための訪問であり、突撃取材ではなかった」との主張と、「映画プロデューサーから要請がある前に報道スタッフは自主的に撤収していた」との主張が繰り返され、事実を認めていただくまで3年という月日を要してしまったことが残念です。しかしながら、最終的には過ちを認め、謝罪をいただけたことに心から感謝しております。

事実を整理しますと、フジテレビ報道局は「佐藤秀峰の事務所を突撃取材すべきである」と判断したにもかかわらず、映画プロデューサーの要請によって取材を取りやめました。彼らが報道の使命よりも組織の利益を優先することが明らかになったことは、その姿勢を評価する上で大きな指針となると考えております。

今後、このような出来事が繰り返されないことを切に願います。

また、和解が成立したということで、例えば今後、フジテレビから「海猿」の続編製作の希望などをいただいた場合には、交渉を拒否することはございません。

佐藤秀峰

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