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スイッチが入ったんだよね。『菊地成孔の粋な夜電波 シーズン9-12 安定期と母の死そして女子力篇』刊行イベント!!!雑感

こんばんは!コダカです!
今日は『粋な夜電波』の番組本のイベントに行ってきたので前回に引き続きレポートします!

※今回も発言等抜けや正確性に欠ける部分があるかもしれません。雰囲気をお伝えする個人的な感想となります。ご了承ください。

ラジオ番組「菊地成孔の粋な夜電波」とは?『菊地成孔の粋な夜電波』放送日時土曜日 28:00 - 29:00「夜もホストと客の痴話げんかを横目に、野良犬とおにぎりを分け合って散歩を楽しむ。そんな菊地成孔(音楽家/文筆家)が、ゆるゆるなトークとAMではめったにかからないビューティフルな音楽で、この国に粋な夜電波をピピッとお届けします。話すテーマは、音楽、映画、ファッション、都市論、格闘技、料理、時事ネタ、などなど・・・近頃、甘口のラジオが多いとお嘆きの貴兄に捧げる60分。」(出典・TBSラジオ菊地成孔の粋な夜電波公式サイトより)今回も番組の口上やトークを厳選収録している書籍の刊行記念イベントです。あの小説家筒井康隆先生も放送は聞いたことはないけど、本が面白くて思わず口上を書いてしまったという番組本の3冊目となります。

前回昨年12月のイベントリポートはこちらから。
https://note.mu/shuji_tokyo/n/n0d8c601b092e

今回も渋谷のBOOK LAB TOKYOさんでの開催でした。
突然の打ち切りが決定して客席がやや落ち込み気味だった前回と比べて、だいぶ状況が落ち着き緩やかな空気が流れていました。前回の反省を活かすべく話に集中するためハートランドの瓶を持て余さないようにグビグビと飲み干し準備万端!

ほどなく菊地さん登場で2時間しか寝ていないから寝たらごめんなさいから始まったこのイベント。
まずこの番組と本の関係者(わたなべさん、となみさん、やじまさん)のご紹介です。
中でも『粋な夜電波』が終了したため担当している講談師神田松之丞さんの番組の毒をデトックスできず最近顔つきが変わったトナミDの紹介では爆笑の中ヤンヤの拍手が起こりました。

時代の変化はスマフォが鍵

掴みというか最後質問コーナーで大量の投稿が予想されるため?昨日(2019年4月1日)発表された新年号「令和」について冒頭から菊地さんが触れていきました。

新元号自体よりも、また「和」でいいの?ひとつ置いて韻を踏んでいいの?とちょっと困惑気味の菊地さん。そこから話の流れで時代ってここからスパッと変わるものじゃなくて、いつの間にか変わっているものだと思うんです。と続きます。

菊地さん曰く「昭和」の時も1993年までは80年代の空気はあったんです。それが「ウゴウゴルーガ(フジテレビの子供向け番組)」の放送を見たその時「平成」を実感したとか。

今の時代、ブックカフェってあるじゃないですか?でも誰も本も読まずにスマフォを弄っている。みんな店を出て電車に乗って家に帰ってトイレに行っても弄っている。永遠にブックカフェならぬスマフォカフェが続いていく。近頃の若い者は!って一言物申すほうがおかしいとされる世の中ですよね。
「平成」はすべての場所がスマフォカフェになった時代かなと菊地さん。

つまり、「平成」の結果(結論)がスマフォでした。

菊地さん「僕はガラケーです。スマフォは足がつくので持てません笑」
会場「(爆笑)」
菊地さん「僕がスマフォを持ったら『令和』かな。でも、(多機能すぎて)何をしでかすかわからないので怖くてもてない笑」

もう若い人はなっているかもしれませんが、さらにエスカレートして性行為の際中まで「ながらスマフォ」をするとか、スマフォってありましたよねーというぐらいウエラブル的なものに代替して無くなってしまうのか、どちらになるのかわかりませんが、スマフォと国民の関係性が変わった時が「令和」を実感できるのかな?と菊地さんは語っていました。

のっけから全開の菊地さんのトーク。夜電波のフリートークを聞いているような感じで写真を撮るのも忘れて聴き入ってしまいました。
※菊地さんヒルズライフでも語っています。↓

ヒルズライフ HILLS LIFE|平成は終わらない—
連載:菊地成孔「次の東京オリンピックが来てしまう前に」24
https://hillslife.jp/culture/2019/04/01/city-of-amorphous-24/

町全体が夜電波ロス

諸々が落ち着いたところで、番組がなくなってからの菊地さんの近況について語り始めました。
町を歩くと通りすがりの人や馴染みのコンビニの店員さんにも、「またラジオやらないんですか?」と話しかけられるとのこと(菊地さん「早く言ってよ!笑」)。聴力が発達しているタクシーの運転手さんに関しては行き先を告げた数少ないワードでラジオ復帰の話になるのでいささかタクシー恐怖症になりつつあるそうです。

「俺はプロレス好きの人間であって、プロレスラーじゃない」

止むことのない「またやらないんですか?」という大衆の声に対して、菊地さんの意志はぶれず「ラジオパーソナリティは引退しましたから」とキッパリ。
「俺はプロレス好きの人間であって、プロレスラーじゃない」と引退撤回の代名詞であるプロレスラーを例にだして、「BUMPして『令和』のグラン浜田として復帰しますか!」とややオールドなギャグでおどける一幕もありつつも、柔らかな顔ですっと前を見た菊地さんが一言。

「(音楽、音楽活動の)スイッチが入ったんだよね。」

おそらくラジオでも実生活でも、本当のことを言う時、菊地さんはこういう目をするのかな?と思うほど真っ直ぐな目でした。
この目をみたら、「ラジオまたやって!」とは軽々しく本人を前にして、いまは言えないですね。

生まれて初めての引退

生まれて初めて引退を経験したという菊地さん。
どうなってしまうのだろうと心配していたが本当に暇になり、番組に費やしていた時間は膨大だったと実感したそうです。
その時間は作曲や1日4時間のサックスの練習にあて、他の新しい仕事も入ってきて常に忙しい状態とか。
それでも、辞めて数ヶ月は飲み屋やファミレスの隣の席で面白い話を聞きつけると、番組スポンサーだったニシダノブコさんの大きな鞄に忍ばせてあるネタ帳を開いてメモしていたとのこと。(今はやっていないが、まだネタ帳は保管してあるそうです。将来高値で売れればと目論んで。)「WBO(悪くてバカで面白い話)と天才音楽家に会う才能が自分にはある」と菊地さん自画自賛(笑)。また、中村さんとの選曲会議は月イチでやっているとのこと。別に番組再開のためじゃなく、これいいじゃん?これよくない?と持ち合う場としてだそうです。

全体通して何度か登場した「音楽は辞められない。一種の病気で逃げられない。」との言葉も印象的でした。


テキストリーディングLIVE

シーズン7 テキストリーディング「タイミング」
シーズン7 テキストリーディング「最高の離婚」
シーズン11 テキストリーディング「春の自転車」←今回の出版本収録

前回も大好評だったリーディングの実演。
タイトルは覚えていなくても、しっかり内容は覚えていました。『最高の離婚』は情景が浮かぶぐらいよくできていて、とても好きだったのでなおさらでした。

今回も途中で音楽がなくなってすぐにリピートするのではなく、文章と照らし合わせて、ここぞ!という場面で再生ボタンを押したり、朗読が終わったらすぐ音楽を止めるのではなく、揺れながら余韻を残して絶妙な頃合いで着地させるのはさすがミュージシャンだなと感動しました。

「サックス上手くなってません?」「気のせいですね(苦笑)」

残りの時間は質問コーナー。
事前に準備された紙に質問を書いて開演前に集める感じで、菊地さんは「(紙の束を持って)なんかラジオみたいだね」と、この発言に会場も和みました。
以下、書ける範囲書ける言葉を抜粋しました。
Q.ハマっているものは?
A.菊地さん「スムージー作り!とくに氷がね!氷がやばいんです!」
会場「(笑)」
菊地さん「何でも滑らかに済ませたい。近所のファミレスのドリンクバーの適量把握、あと駅の券売機のコンピューターに勝つことです!こう!左手だけでパパッと(実演)」
会場「????(笑)」
Q.最近ライブに行ったのですが菊地さんサックスうまくなってませんか?
A.菊地さん「気のせいですね(苦笑)」
Q.番組で一番のコント・ラジオドラマは?
A.菊地「阿南京子さん(元TBS交通情報キャスター・フリーアナウンサー)のドラマ。辻村くん(オーニソロジー)と吉田沙良ちゃん(ものんくる)の甲子園もの、あとは吉田沙良ちゃんと古谷さん(TBSテレビアナウンサー)の…(中略)面白かったなぁ、こんなこと普通できないでしょう?」
Q.番組で一番の企画は?
A.菊地さん「ノンストップビートルズの回。ビートルズの歌詞は心身にいいですよ。」

「何が言いたいかというとライブに来てくれ!」

前回と比べると情緒的にもならず、菊地さんのトークが冴えに冴えた楽しい時間でした。もしかしたら、音楽家としてのスイッチが入ってしまった菊地さんにはこのイベントは必要ないのかもしれないけれど、大容量の本と極上のイベントでラジオとラジオリスナーへの愛に応える真っ直ぐな裏切らない優しさは全く変わりません。本当に感謝しかないです。(ロスを感じるリスナーのメンタルへの作業、これは打ち切った某放送局の役目だろ、なんで俺がやるんだ?と憤慨していましたが笑)
前回も書きましたが、それでもボクは菊地さんが再び時代に呼ばれると思っています。
しかし、今はライブに行く!だなぁ。プロデュースも含めキレっキレっですから。菊地さんも「何が言いたいかというとライブに来てくれ!」とおっしゃっていました。

そして新刊が6月〜7月ごろ出版されるとのことなので要チェックです!
またイベントに行きたい!いまから楽しみです。

最後までおつきあいありがとうございました。

(出典:キノブックスさんTwitterアカウントより)

関連リンク
「菊地成孔の粋な夜電波」
番組公式サイト(イベント告知ページ)
https://www.tbsradio.jp/351252

オーニソロジー公式サイト

ノブコニシダ公式サイト


つたない文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。 もっと上手に書けるよう精進します。