3歳11カ月

最近、娘の会話のレベルが一段あがったような気がする。例えば、仕事から帰ってきた俺に、娘がこう声をかけてくるのだ。

「とうちゃん、またビールかってきたのぉー」

こうくるのだ。すごい。以前はこんなことなかった。以前はこうだった。

「とうちゃん、なにかってきたのぉー」

「ビールだよ」

一見すると両者にあまり違いはないようにみえる。しかし、明らかに違うのだ。後者の会話はただ単に自身の疑問を俺に聞いてるだけだ。幼児なのだから当然だともいえる。

しかし前者の会話は違う。俺が毎日仕事終わってから晩酌をするのを楽しみにしている、というのを前提にして娘は俺に話をしている。つまり娘は文脈の上で会話をしている。そして「またなの~?笑」みたいなニュアンスがある。つまり、俺の行動に対するツッコミだ。

この会話はすごい。以前よりもレベルがあがっている。こんなささいなことでも、俺は娘の成長を感じ取って一人で感動してしまうのだ…


知力も上がっていると思う。簡単なダジャレが理解できるようになった。例えば「さよおなら」というギャグ…つまり、「さようなら」と「おなら」がかかっている、もう本当にしょうもないギャグだけど、さようならの中に不意におならが登場するというおかしみを理解してる娘はこんなのでころころ笑う。無限に笑いがとれる。まるで俺が爆笑王になったのではないかと錯覚するぐらい娘は笑ってくれる。


俺「しもしも~!しもしも~!」

娘「あはははははは」


しもしも、というのはもちろん「もしもし」の逆さ言葉である。本来もしもしというべきところをしもしもという…このおかしみを感じ取っている娘は心の底から笑ってくれる。


俺「しもしも~!しもしも??」

娘「あははははははは」

俺「しもしも!?!?しもしも~!」

娘「あははははははは」

俺「しもしも~しもしも~!」

娘「しもしも、もうええわ……」

俺「」


もうええわ。衝撃である。娘が俺にツッコミをいれた。

以前の会話は山なりのキャッチボールだった。娘は山なりのボールを投げるだろうな、と思ったら、実際に山なりのボールを投げてくる。ボールをキャッチして、こちらも山なりのボールを返す。まあ小さい子どもとの会話なんてそんなものだろうな、と思っていた。

ところが、だ。最近の娘は、たまに変化球を織り交ぜてくるようになったではないか。大人の俺が捕球できないほどの手元で鋭く曲がる変化球である。

もうええわ。まさに正論である。いくらなんでも「しもしも」8回はやりすぎ…もう十分笑いはとっただろ…もういい…休め…。こう娘はいっているのだ。返す言葉がない。しかし俺は嬉しい。大げさかもしれないが、俺はもうええわの一言で思い出してしまうのだ。4年前のあの日、隅田川沿いの病院の一室で娘が生まれた日のことを。そして、あの日から、よくぞここまで成長した、と一人感動してしまうのだ…


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東京の下町在住。 趣味は写真。酒は人生。最近は娘の成長をブログに綴ってます。 今までの寄稿記事→ http://www.mizuhebi.com/work ブログ→ http://www.mizuhebi.com/

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