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日本が”生きづらい”理由【国際女性デー】

「結婚しろと周りがうるさい」

「産休・育休を取ると、出世できなくなる」

「夫が家事をやってくれない」

日本は”女性が生きづらい国”だとよく言われる。
その通りだと思う。

僕が住んでいたオランダでは、男女平等が根づいていた。

  • 共働きが当たり前(専業主夫もいる)

  • 家事・育児は夫婦で分担

  • 育休から復帰後もキャリアの機会は減らない

日本でしか暮らしたことのなかった僕には、衝撃的だった。
そして、誰もが幸せそうに生きているように見えた。

”なぜ日本では男女平等が進まないのか”、その理由について考察していく。


男性は生きやすいのか?


男女不平等という言葉は、”男性が優遇されている”という意味を含む。

  • 女性より出世機会が多い

  • 結婚圧力は女性よりは緩い

  • 家事や育児を強制されることは少ない

一面的にはそうかもしれない。

でも、これらは裏返すと

  • 男性に対する出世圧力が強い

  • 男性に対する結婚圧力もある

  • 男性は仕事を強制される

ということになる。
果たして、男性にとって生きやすいのだろうか?

出世意欲がない男性は生きづらいだろう。
望まないことを強制されることほど、苦しいことは無い。


多様性への抵抗


性別に関係なく、日本では生きづらさを感じる人がいる。

そう考えると、これは男女間の話ではなくなる。
もっと根深い何かがあるのではないか。

その何かとは、”多様性に対する考え方”だと考える。

オランダは、多様性に寛容だった。

  • 移民国家で人種差別が少ない(アジア系・インド系も多い)

  • 建築物にアート要素を取り入れる決まりがある。

  • ゲイパレードの実施、同性婚が可能などLGBTQへの理解

隣国と地続きで交流が多かったなど、歴史的な背景があるのだろう。



一方の日本は、閉鎖的な環境で発展した。

四方を海で囲まれ、国土の7割は山岳地帯だ。
海外とはもちろん、国内での交流も欧州と比べると盛んではない。

その結果、村・街・都市といった特定のコミュニティが力を持ち、
その枠組のなかで生きることを求められた。

近代になって外との交流が増えても、風習は根っことして残り続けた。

その結果が、今も社会に蔓延る”同調圧力”ではないだろうか。

伝統・慣習など、特定の考え方や枠組を大切にするあまり、
従う者は肯定するが、はみ出す者は容赦なく攻撃する。

攻撃は徹底的に行われ、対象を再起不能に追い込むこともある。


脳死と依存


では、なぜ”同調風習”は今も残るのか?

ネットが普及するまでは、外の情報が入りづらかった。
でも今なら、いつでも色んな国の情報を知ることができる。

伝統や慣習を守ることを、なぜそれほど大事にするのか。
違う考えを持つ者を、なぜ苛烈に攻めるのか。

その答えは”脳死と依存”にある。

高度経済成長期にバブル経済。

日本は戦後、目覚ましい回復を遂げた。
それを支えたのは自動車など、製造業の躍進。
生産性の効率を第一に、徹底的に無駄が排除された。

疑問を持たず、提示された目的に愚直に取り組む。
それが安定した生活に繋がった。

いつしか、”大企業に入り定年まで勤めること”が美徳になった。
影響力は大きく、この価値観にしがみつく者が増えていった。

自分で考えることを放棄して。


これは一例に過ぎないが、ひとつの糸口ではないだろうか?

周囲の価値観を考えず(=脳死)に信じ込む(=依存)
その考え方に反する者を、”自分を否定する者”として見なして攻撃する。

自己防衛的な反応だからこそ、激しく責め立てるのだろう。

自分に自信が持てず、外からの刺激に過剰反応している。
自信があれば、他人が害のない行動を取ろうと、気にしないはずだ。


そんな自分自身に目を向ける機会が増えれば、
”誰もが生きやすい社会への扉”が開けるではないだろうか。



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