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#193 虚心坦懐(柏木智貴/新3年・副務)

はじめまして。今回部員ブログを担当することになりました、筑波大学蹴球部新3年の柏木智貴です。数々の偉大すぎる先輩方がそれぞれの思いのままに深すぎる言葉を綴ってきたこの部員ブログを書かせていただけることをとても光栄に思います。

始めに、簡単に自己紹介をさせていただきます。鹿児島県出身で、父の転勤の影響で色々な場所でたくさんの素晴らしい人々に囲まれながら育ちました。幼稚園からサッカーを始め、島にいる子ども全員集めても8人制サッカーさえできないような小学生時代も経験しつつ、FC JUVENTUDE、鹿児島中央高校を経て、1年間の浪人の末、筑波大学に入学すると同時に蹴球部に入部しました。

そして、今シーズンは副務という役職をいただきました。大学生活も蹴球部生活も折り返しとなるこのタイミングに、副務としての決意も込めて、今の思いを文章に残しておきたいと思います。
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「虚心坦懐」

これは私が尊敬する、ある元プロサッカー選手が大事にしている言葉である。私は中学生の頃、彼の著書を読んだ時にこの言葉を知った。

「何のわだかまりもない素直な心で物事にのぞむこと。」

という意味がある。
当時、立志式の直前でちょうど座右の銘を決めるようなタイミングだったこともあり、私はこの言葉を色紙と自分の心に深く刻んで大切にしていこうと決めた。

その日から、世界が少し違って見えた。
それまでは同調していた、友だちの「あの子は〜だ」「あの先生は〜だから好きじゃない」みたいな話に頷けない自分がいた。今まで自分の心に嘘をついていたことに気付かされたのである。しかし、今思えば当時はそんな思いに片っ端から蓋をしていたのだと感じる。周りとズレているのが怖くて、思うことはあってもあまり自分の考えを主張してこなかったし、行動にも移してこなかった。


蹴球部に入って2年目となった昨年、何かと大きめの仕事を「任される」ことがあった。関東大学サッカーリーグのホームゲームの企画リーダーを始め、学年においても学年ミーティングの計画・進行をするなど所謂「引っぱる」立場にいた。どれも初めから自分で望んでいた訳ではなかった。そんなこともあり、「なぜ自分が?」と思うことも多かった。しかし一方で、任されるには理由があるとも思っていた。なぜ任されるのか?自分にしかないものは何なのか?自問自答し続けた1年間だった。

そこでたどり着いたのが、あの言葉だった。

振り返ると、昨年は自分の心が少しでも動いたら行動を起こしていた。自分の気持ちに正直になり、行動力が化け物のような先輩方を真似るように日々を過ごしていた。ホームゲームの企画、運営については全ての試合で何かしら関わったし、コロナ前まで行われていた学園祭での蹴球部ブースの出店も復活させた。

学園祭と同時に行われていた、関東大学サッカーリーグ優勝を決めたホーム東京国際大学戦の裏で必死に1人でブースから「試合観に来てください!早く1グラに行かないと優勝が決まっちゃいますよ!」と叫び続けたのを思い出すと、自分でも笑ってしまう。隣でブースを出していた団体さんには不愉快な思いをさせてしまったかもしれない。すみませんでした。

筑波大学蹴球部には自分のやりたいと思ったことに全力を注げる環境がある。そして、それを応援してくれる仲間がいる。中学生のときから心にしていた蓋はこの筑波大学蹴球部に来て、やっと開けることができた。

「よく分かんないけど柏木っていつも何かやってるよね」と部員の多くには思われていたんだろうなと自分では思っている。その結果、「柏木ならやってくれるだろう」と大きな仕事も任せてもらったのだろうと。

「虚心坦懐」

私の「自分らしさ」はこの言葉の中にあった。そしてそれを気付かせてくれたのは紛れもなく、この筑波大学蹴球部の環境であり、仲間であった。

昨年10月、学年の中から副務を決めることになった。これまでに書いてきたような背景もあり、同期にはいつからか「副務は柏木だ」と言ってくる人もいたし、「主務」と呼んでくる人もいた。同期のことだから、ふざけてるのか真面目に言ってるのかよく分からなかったけど、そんなことは関係ない。何と言われようと私が迷うことはもうなかった。

これからも、自分らしく、素直な心で。

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

これからも筑波大学蹴球部へのご声援をよろしくお願いします。


筑波大学蹴球部

体育専門学群 新3年

2024シーズン副務 柏木智貴

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