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#97 弱い自分 (知久航介/4年)

こんばんは。
今シーズン主将を務めさせていただきました、4年の知久航介です。

ここ最近は同期の部員ブログが毎日のように投稿され、みんなの心のこもったアツい文章を読むことが本当に楽しみな日々となっていましたが、とうとう自分の番が回ってきました。

心を込めて書きますが、2020年を終えて未だに自分の感情を全く整理できていないので、ぐちゃぐちゃな文章になると思います。


読んでいただける方々、ご了承ください。


2020シーズン

心を動かされる瞬間が多くありました。


結果は散々だったし、何ひとつ思い通りにならなかったけれど、この年は決して忘れられないものになりました。


いろいろなことを考え、悩み、話し合って。

何が正解かなんて分からないし、実際に上手くいったことなんてなかったけれど、この1年間もがき続けたことは間違いなくこれからの自分に活かされると思います。


昨年の部員ブログに一体感が足りなかったと書きました。

2019シーズン主務、神田さんの言葉をお借りしたものです。


今シーズンはどうだったか。

天皇杯では、劇的な試合を何回か経験しました。

後半アディショナルタイムに同点ゴールや逆転ゴールが仲間によって叩き込まれる。

その瞬間、選手スタッフ関係なくピッチに飛び出してくる。

90分間もしくは120分間走り続けて疲れ果てているピッチ上の選手も、その輪にどうしても入りたくて、みんなと抱き合いたくて、喜びを全身で表現したくて、わざわざその試合一番のスプリントで、奇声を発しながら輪に飛び込んでくる。


ゴールを決めたやつは、みんなの重さに潰されかけたり、無茶なゴールパフォーマンスをして足をつったり。


本当に素晴らしい瞬間です。

うまく言葉にできないけれど、サッカーやってて良かったなって思うし、このチーム最高だなって思うし、普段あまり喜ばない小井土さんがガッツポーズしてたりするし、スタンドを見れば大声を出したいけど出すことが出来ない部員達が全力で喜びを表現しています。


そこには一体感みたいなものが溢れかえっています。

一体感みたいなものと書いたのは、今年のチームは一体感があったと胸を張って言うことはできないからです。


一体感がある、ないというのはそれぞれどんな状態なのかを言葉で説明するのは難しいです。

多分正解はないし、色々な形があるんだと思います。


でも言ってしまえば、試合に勝ったとき、調子がいいとき、チームの雰囲気が良いときに仲間を助けたり、声を出したり、自分を犠牲にしたりするのはとても簡単なことです。

じゃあチームが本当に苦しいとき、全く勝てないとき、自分が苦しいとき、自分が試合に出れないときに、チームのために自分の全てを投げ出し、何かできることはないかと考え続け、仲間のために走り、声を出し、厳しく要求し、高め合うことができたのか。



「苦しいときにこそ人間の本性が出る」

約22年間生きてきて、何回も聞いた言葉です。

今年1年間、本当に苦しかった。


何もかもが初めてで。
全てが予想外の方向に転んで。
意味の分からない現象が起きて。

何をしていいか分からず、投げ出しそうになったこともありました。


それは僕だけじゃなく、同期のみんなも同じだと思います。

そういった本当に苦しいときに出会ったのは、ただひたすらに弱い自分でした。
今まで気付くことのできなかった、出会ったことのなかった自分でした。


苦しかった日々のおかげで、気付けました。

「自分まだまだ脆いな」

これに気付けたことが1番の収穫です。


1人の人間として、サッカー選手として。

自分だけではなにも分からなかったし、気づけなかったけれど、どんな時も一緒に過ごした、全ての瞬間を共にしてきた同期のおかげで気付くことができました。

嫌というほどその現実を叩きつけられ、自信をなくしたし、本当に自分が主将である意味があるのかと悩んだときもありました。

それでも一年間やり通せたのは、同期を裏切れないという気持ちが強かったから。

キャプテンになった日、みんなの前で誓った言葉を嘘にすることだけはできないと思ったから。



「ピッチの上でリーダーシップを発揮する人間がいない。」
「苦しいときに流れを変えることができる選手がいない」

何回もチームで言われてきました。


全部自分の仕事だから、そうなっていることが悔しかったし、情けなかった。
先輩方のような主将にはなれなかったと思います。

それでも同期の力を多く借りながら、できることはやってきた。
その毎日は間違ってなかったと思います。


弱い自分の周りには、強く、ぶれず、前を見続ける同期たちが常にいました。人として、サッカー選手として尊敬できる同期たちです。


本当にありがとう。


topチーム以外の同期とは、一緒にご飯に行くことも許されなかった。それだけが心残りです。


同期たちへ。

本当にありがとう。
最高の仲間に出会えて僕は幸せです。

今シーズン、みんなが公式戦を戦うことのないまま卒部するかもしれない状況の中でも、色々な活動でtopの公式戦を優先してくれて、本気で応援してくれて、一緒に戦ってくれた姿は、本当に心にくるものがありました。

みんなの為に勝とうって思わせてくれました。

ありがとう。



そんなことを考えながら、明日もまたいつもの様に1グラへと向かいます。

まだ何かできることはある。まだ何も終わっちゃいない。
いつもみたいに、アディショナルタイムできっと何か起こる。


topチームの4年生、本当の最後。

後悔残さないで、やり切ろう。


最後まで読んでいただきありがとうございました。




筑波大学蹴球部
体育専門学群4年
知久航介

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