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外資系のススメ〜日系企業と何が違うん?

はじめに

私は40ゲイ、現在外資系に勤めていますが、新卒で入社した会社はそれは100年続くような伝統を重んじる企業で。朝は社歌が流れ、その後にはラジオ体操をさせられる。良い意味で家族的、悪く言えばネチネチした会社でした。幾年か経ち、どこかの米系ITの女人事部長に気に入られ、そこから外資キャリアがスタート。外資、日系(ここではJTC;Japanese Traditional Companyと呼びましょう)とは違う点がたくさんあり、当たり前ですが性格によって、フィット感が変わってきます。両者考え方が少し違いますのでその違いについて、私の経験を交えてご紹介していけたらと思います。では、参りましょうか。

キャリアの考え方の違い

JTCは終身雇用のシステムにより、65歳までその会社で働き続ける事が前提となっており、将来設計し易い。就「職」ではなく、就「社」である場合が多く、いろんな職に従事しながら生涯をその会社に捧げる。新卒時配属希望は一応は聞くが、配属ガチャにより、ハズレを引く場合もあり、営業希望で財務に配属になった同僚が3ヶ月後辞めていきました。会社の敷いたレールにしっかりと乗っていかねばなりません。3年後は全く違う仕事をしている可能性もありますので、ゆっくり1つのキャリアを育むには難しい環境であると思います。ただ、複数の仕事が試せるという意味では良いでしょう。また、思っていた仕事と違っていたという場合も社内で異動ができます。全体研修への力の入れようも素晴らしく、コストと時間をかけて育ててくれます。みんなで一緒に学んでいき、気がつけばいろんな資格を持っている、そんな感じでしょうか。

一方で外資系は、利益を出す社員には集中投資するイメージ。自分のキャリアは自分で築くが原則です。キャリアアップのために会社でお金を出してくれることもあるかもしれませんが、基本的に外部のトレーニング等自分で申し込んで受け、土日や寝る時間を潰して勉強することになります。会社に用意されずとも能動的に学び続けるマインドセットが要求されます。希望の仕事につければジョブ型雇用により、基本的には職を変える異動は自分が希望しない限り起こりにくくなっており、また何かあれば気軽に転職ができますので、やりたい仕事を続ける事ができるでしょう。ただし、繰り返しになりますが。会社のサポートは潤沢ではなく、時にほったらかし。自分で能動的に行動でき、上にアピールできる人でないと苦しくなるのではと思います。私はこの辺り非常に苦手。

報酬と福利厚生について

外資は高い給料が貰えるというのが通説。これは概ね間違いではないと思いますが、1点白黒つけにくいところがあります。退職金の充実度は意外とJTCの方が良かったりするのです。オファー面談時に要確認です。毎月もらえている給与の他に、DC(確定拠出年金)制度等があるとすると、その積み上げ額を見て下さい。稀ですが退職金制度がない外資系もありますので注意が必要です。それを差し引いてもJTCと同じような仕事をする場合年収で100万程度高くなる傾向があると思います。ポジションが上になればなるほどその開きが大きくなるイメージ。また、JTCは手当の充実度が半端なく良いです。ただし、家族手当や扶養手当といった、仕事とは直接関係ない要素に給与がプラスされることに不甲斐なさを感じます。公平に支払いがあるのは外資系。外資転向したい人はJTCで得ている年収に100万円程度上乗せした額を希望額として設定しておけば良いでしょう。ポジションが高くなれば200万程度でしょうかね。これが現実ラインだと思います。職種によっても大きく異なりますが、スタッフ700-1000万、マネージャー900-1400万、シニアマネージャー1300-1600万というのが大きな目安です。なぜ高めの金額設定が可能なのかというところですが、一人一人の利益率が高いこと、仕事要件にフィットする人材が希少、高い雇用リスクへの対価あたりかなと個人的には考えます。

企業文化/風土について

外資系は業界にもよりますが、ドライでなことが多いです。飲み会は少ないですね。チームで半年に1回とかです。仕事が終われば家族や自分の時間を大切にします。また酩酊することは良しとはされません。お酒はほどほどです。米系であるか、欧州系であるかによっても会社の雰囲気は異なると思います。米系はとにかくスピード感があり、強い成果主義。解雇についてもドラスティックに行なわれます。一方、欧州系は社内政治が蔓延り、JTCに近いところがあります。比較的全てにおいて穏やかといったところ。私は現在欧州系に在籍していますが、分かり易いので米系の方が好きかもしれません。ワークライフバランスの良さに注目される事がありますが、完全成果主義ですのでやる事が終わっていない限りは休む事ができません。長期休暇に関しては組合が強い大手のJTCの方が取り易いかもしれません。外資系はお盆休みが設定されていないことが多いです。LGBTQ+的なことDE&Iについてはグローバル企業ほど注力していますね。Coming out day(10月)、Pride month(6月)といったイベントも躊躇されずに行なわれますので、私は少し小っ恥ずかしくなります。ほっといて欲しい時もあります。

語学力

私が外資系に転向した時のTOEICスコアは800位でした。英検準1級を大学時代に取得したきり。それ以上点数は上がらず、諦めていました。1社目はAPACリージョンのオフィスがシドニーにあり、部長が英語ミーティングを取り仕切っていたため、私はというもの、日本語が話せない社員のケア以外は英語は使いませんでした。使用頻度1%程度。現在は仕事で直接マレーシアやシンガポール、イギリス、ハンガリーの同僚と話すことが増えており、急激に使用頻度が上がってヒィヒィ言っています。英語使用率は10%程度でしょうか。英語メールを入れて25%位ですね。1日1回は30分の英語でのミーティングがある感じです。聞いているだけで良い場合もあれば、日本の法律について説明したりしなくてはならない時もあります。TOEICは受けていませんが900点台前半くらいだと思います。今でもわからないことは多く、本当に苦労してます。

外資と単に言えどもグローバル化は組織構造によっても違ってきます。GAFAMレベルになりますと、小さなプロジェクトを他国のスタッフとシェアしてネイティブレベル行うのが普通ですので、社員は帰国子女や留学経験者が多くを占めるようになります。外資とは言えどもジョブとマネジメントレベルによっては語学力は活かせないかもしれません。それよりはJTCに入社し、海外子会社に赴任するなどの方が実は語学力で言えば活かせますし、グッと伸びるのではないかと思っています。この点、若い時によく考えて会社選べば良かったなぁと後悔してます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?感じる違いはこれ以上にありますが、今回はキャリア、報酬、文化、語学力にフォーカスしてお話ししてみました。これから外資系に飛び込もうとしている人の参考になれば幸甚です。どちらも一長一短。JTCに勤めてれば良かったなぁと思うこともたくさんありますよ。また機会がありましたら、続編でもお伝えできればなと思います。では、またお会いしませふ。かしこ



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