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アートフェア東京……もといアートフェアはなんのために在るのか

先日アートフェア東京が開催されました。今年の自分は最終日にサラッと覗いてきましたというところ。

さて、このアートフェア東京。
今年も4万人とか来場しているみたいなのですが……
一般入場チケット4,000円を出して行く意味はあるのか?、と単純に見る専門の人に聞かれたら、たぶん「ない」と答えます。最近はそんなふうに感じています。そのお金で美術館行ったりした方が良いのでは?とも思います。

不思議な話、例えばコロナ前になんどか行っていたパリフォトはだいたい平日チケットで30ユーロとかだったので。それを考えると似たようなものではあるのですが……これは東京に住んでいて東京で開催される(そして出展者も主に国内)イベントに行くのと、海外のイベントでは話が違いますよね、っていう部分も大きいと思うのですが。

とりあえず近くの友人知人に行くべきかと聞かれたら、うーん。って感じですね。

逆に、購入する意志があるなら「あり」とは思う。

そもそもアートフェアはそういう場所だと思うので、単に見に行くにしても挨拶しにいく先があるとか、応援したい作家や作品・リアルに見てこその作品とか(四代目田辺竹雲斎作品などそういう感じですよね。あれは)なにかプラスアルファ理由がないと、ただ漫然と見に行ってもいまいち何もつかめないまま終わるのではないかなと。

強いて言えば、出展ギャラリーが売り出そうとしてる(あるいは売れている)傾向や時勢みたいなのは俯瞰して観測できるかもしれません。
それだったら、エリア外の渡り廊下とかから眺めた方がむしろ捉えられやすいかもしれませんが。

特にアートフェア東京は年々そういう感じであんまりフェアとして新規コレクターを育成しようと思ってない印象もあるのがまたイマイチ推せないポイントな気もします。美術手帖のレポートを見ても、VIPプレビューなどで早々に完売や予約など「ほぼ始まると同時に試合が決まっている」様子も見て取れるので、主催者も出展者も「売れているんだからいいじゃない」的な。
それは極端なイメージかもしれませんが。

しかし、先程挙げたパリフォトや海外で主要なアートフェア、バーゼルとかだいたい会期中にギャラリーディレクターとかアーティストとか評論家とかでオフィシャルな企画としてトークイベントとか開催していますよね。
YouTubeにもアート・バーゼルのチャンネルとかよく見ています。

ああいうのが今のアートフェア東京にはないのがなんとなくもったいない感じを受けています。というか昔はいろいろあったのに。やらなくなったのはコロナの前あたりから、なので、もっと違う理由と考え方がある気がしますが。

そのへんは人種的で文化的な違いもけっきょくはあるのかもしれません。

欧米人はとにかく意見を交わしたい。

NFTとか新しいことがあったらなおさら「これ、アナタはどう捉える?」ってみんな言いたい聞きたいという感じが伝わってくるというか。

アートフェア東京もNFTを絡めた企画も出していましたが、そもそもの部分でもっとリードしないとなにがしたいのか、なにが革新的でなにがけっきょく(もしかしたらアートには)そぐわないとか、消化しきれないのではないかと。とりあえず最近話題だから取り入れてみました感しかない。

ある種の啓蒙活動的な役割は大きな(むしろ日本の代表格の)フェアだからこそその役割もあるのではないかなと思うのですよね。

せっかく4万人とか来場者があるのだから、今現在のシーンだけでなく未来の予感もさせて欲しいなと思うのです。

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