見出し画像

インドの店員は「今はお釣りがないから帰ってくれないか」と言う

この記事を読んでほしい方
・ちょっとお疲れのサービス業の方
・レストランでウェイターにイラッとしちゃいがちな人
・分かっちゃいるけど他人に期待しちゃう人
等々

現在インドに住まわれている方や、過去に暮らしたことがある方はタイトルだけで「うんうん」って頷かれているかもしれないですね。

タイトルで僕の大好きなインド人のゆる~~い感覚が伝われば幸いですが、皆がみんなテキトーにゆる~~い訳ではないので、あしからずです。


え、それ(商品)いるの?

日本だと少額商品の買い物をする際でも1万円札を出せば、きっちり小銭が返ってきます。なぜなら、店員さんがいつもお釣り用の紙幣・硬貨を考えてレジ内にストックしてくれているから。

この感覚が当たり前の日本で育った僕は、インドに行って初めての買い物で大きな金額の紙幣(当時は₹1,000)を出すと以下の経験があります。

僕: 
支払額よりかなり大きい金額の紙幣を差しだす

店員:(すごい怪訝な顔)
「細かいの持ってないのか?」

僕: 
「すみません、両替したばっかりで大きいお札しかなくて…」

店員:(すごい嫌そうな顔)
──お釣りを渡してくれる

なんと、この話はローカルマーケットでのことではなく、ちょっと高級な大きくて綺麗なスーパーマーケット(大きなモール)での話です。

ローカルマーケットや、庶民の交通手段(オートリキシャ)で細かい金額を持っていないといけないのは仕方ないんです。ですが、大きなモール(開店直後ですら)お会計をしようとしても上記のやり取りが各レジで繰り広げられます。

挙句の果てには「すまん、釣銭が無くてお釣り返せないし、それ今買わなくてよくない?」って。

最初の頃は「どういうこっちゃねん」と思っておりましたが、少し経ってからハッと気が付かされたのです。

無意識にこっちはお客様だぞと思っていた自分がいたことに……


お金を払う方が偉いというわけではない

通貨が流通し、資本主義としてこの世の中が成り立っているので麻痺している感覚があったなぁ、と気が付かされるインドの日々でした。

物を買う時、サービスを受ける時にはこちら側の感謝の表れとして「お金」を渡すのであって、ただの物質交換ではないんだよなぁ、そうだよなぁ、と。

スーパーやモールで「すまん、お釣り無いから今は買わないでくれ」と言われるのはまだ優しくて。

路線バス(インドのバスは乗車後に車掌が乗車賃を回収しに来ます)に乗っていて「大きい額の紙幣しか持っていないんだったら、さっさと降りやがれ!」って道路のど真ん中にバスを停車させられて降車口を開けられた時は焦りました…。

そしてもちろん後続車両が渋滞……

日本での生活でも、たま~に見かけちゃいませんか、レストランで店員さんに高圧的な人、電車が遅延したからって駅員さんに怒鳴ってる人、etc...

お金を払っているからって何にも偉くないですし、むしろ物やサービスを提供して下さる方々のおかげさまで経済も成り立っているのが半分。

お店側の方も、「お金を落とさない客にペコペコする必要がない研修」と称してインド旅行研修とかするといいかもですね。

サービスを受ける側の「エゴ」が無くなって、サービスを提供する側の「媚び」が減ることがあれば、この日本からけっこーなストレスがなくなると思いませんか。

―――――――

平岡充乃介のこと
ヨガのこと
他のコラムとかエッセイとか
Instagramを見てみる



この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?