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ぜんぶ、カレーのせいだ。

本気のダイエット/食生活、
覚悟を決めたことはありますか。

これは、カレー好きによるカレー好きのためのnoteではありません。

カレーのことは好きだけど、まさかカレーによって人生の「食生活観」が変えられるとは思いもしなかった、というお話です。

ちなみに、僕がどれほどカレーを好きかというと、日本にいる時でも気分がいいと右手でカレーを平らげてしまうほどです。

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カレーを愛し、カレーに愛され、
カレーによって意識を変革される

22歳の僕に、毎日カレーを食べる生活が想像できただろうか、と問う。

きっと「そんなこと分かっていた」と返ってくると思う。

そんな22歳に「その生活の覚悟ができていたか」と問えば、

何も返事はないだろうと思う。

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僕とカレーの物語は、大学院に入学してから始まりました。

ちょっといいことを書いてある"気がする"インド生活のまとめnoteはこちらです。

入学前に3カ月ほどインドに滞在していたので、食生活については苦労しない自信があったんですよ。

ですが、想像を超えたカレーな日々がそこにはありました。

人生は「あれ、思ってたのと違う…」の連続ですね。

修行です、修行。


学生生活、それは、カレーしかない2年間の生活でした。

▪全寮制(出入りする門が一つしかない敷地内に全ての施設が集結)
▪週に一日しか外出できない(門限18時)
▪ベジタリアン生活の為、敷地内での厳格な食物制限
etc...

学生食堂では朝・昼・晩と、3食ともカレー食べ放題です。

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地べたに敷かれたござの上に座り、プレートを目の前に置く。
そうすると給仕スタッフの学生が配膳してくれるシステムです。

学生の人数が多いので、給仕スタッフは腰を痛めがちです。
スタッフの腰よりも伝統的スタイルを崩さぬ強気なインド人が僕は好きです。

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まぁ、ご想像通りだと思うのですが…

カレーを移動しながらで配膳するスタイルに加えて、
みんな手で食べるので、床はカレーまみれになりがちです…

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最初は「足の裏まで美味しいね!」って、
今でもあんまり面白くない冗談をかっ飛ばしてました。

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学生食堂の内容はだいたいこんな感じ。
カレーが2~3種類、炭水化物にチャパティとお米。

外国人用食堂だとフルーツが付いてきておりました。
(みんなスパイスでお腹やられがちな為)

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「チャパティ」ってなんやねん、と思われた方。

インドでは小麦粉でつくられた「ナン」は外食向けで、
普段は全粒粉でつくられたチャパティ(もしくはロティ)を食します。

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薄っぺらい全粒粉パンみたいなものですね。
僕も好物です。


出身校の食堂のカレー、めっちゃくちゃ美味しいんですよ。

入学前の3ヶ月間のインド滞在でカレーをかなり食べていたんですけど、
もうダントツで美味しかったです。

そう、最初の2週間までは、、、、、

完全ベジタリアン3食カレーなので、
カレーのレパートリーがだいたい4~5日で一周するんですよね

そして極めつけが
週に一日しかない憩いの休日に
クラスメイトの友達と一緒に外出をすると
出先でも食べる物はカレー一択です。

イベントごとでも食べ物はカレー一択です。


「ちょっと町の食堂に食いに行こうぜ」のカレー

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「中心街のちょっぴりいいレストランに行こうぜ」のカレー

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「友達の兄貴の結婚式の前夜祭なんだ」のカレー

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「旅をしよう、有名な寺ではきっといい発見があるんだ」のカレー

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「大学のカンファレンスなので今日は豪華です!」のカレー
と、精いっぱいの笑み

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ローカルバスに5時間揺られて向かった先の日本人の先輩に
「いやぁ、カレーを食べ疲れて…」で、ご馳走になったカレー

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冬休みに久しぶりに会ったデリーの友達に「家族と一緒にご飯食べよう!」と言われてお邪魔したら、正面におじいちゃん見ながら食べたカレー

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じいちゃんも、くつろぎすぎじゃない?


もう匂いを嗅いだだけで何カレーかを当てられるようになった僕は、
「昼ごはんにカレーを食べるよりも、昼寝をしよう」と思うようになります。

当時のクラススケジュールがタイトすぎて

▪朝5時から1限~
▪夕方5時までほとんど休憩なしに講義
▪12時~13時の間だけ、昼食用にまともな休憩時間

「カレー」より「睡眠」を選択した方がQOLが上がると考えました。

そして始まった朝夕の2食生活。




よし、フルーツを食べよう

もう、僕の中で「食事」といえばの選択肢として「フルーツ」が主力候補に挙がってきます。

「安くて栄養高くて美味しいから」というのはもちろん、
「カレー以外に食べる物が限られている環境」という理由の持つパワーは絶大でした。

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南インド、フルーツが安くて新鮮でめっちゃくちゃ美味しいんですよ。

南国は天国か…!って100回くらい思いました。
そして、いややはりここはインドだったか…!って300回くらい思いました。

週に一度の限られた外出で、一週間分の果物を買うのが習慣に。

ここで身に付いたのが、「熟すタイミングがズレるように」「腐らせず、ちゃんと食べきれるように」買う能力。

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江國香織さんのエッセイで「熟すタイミングを上手に見極めて果物を買うのが得意」という一文を昔読んだなぁ、と思い出し、気分は江國香織さんでした。インドの江國香織と呼ばれていても良かったことでしょう。

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パパイヤとか、日本でこうやって食べたことありますか?

最高なんですよ。丸っと一個でも、100円しないくらいのお値段。

おねだん以上、なのか、日本のおねだんが異常なのかは分かりません。

ココナッツだって大好きになりました。

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東南アジア旅などされたことがある方はご存知、ココナッツです。

2~3回飲むまで「うぇっ…」みたいな味に感じられるのですが、
慣れれば美味しいですし、栄養満点(らしい)です。

そういえば日本でもココナッツウォーターとかオイルとか流行ってましたね。

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飲んだ後は、実を食べられるんですよ。

これまた最初は「うぇっ…」って味なのですが、慣れれば美味しいんです。


こんな感じで、気が付けば半フルータリアンみたいな道を進んでおりました。

当時、バンガロール - 日本間でタイ航空を使っていたのですが、
調べるとスペシャルミールスの中に「フルーツプレート」が。

離陸後、機内食が出る前に「飲み物」と「おつまみ」が配られるじゃないですか。

まぁ、お酒頼む方も多いし、普通はスナック菓子が配られると思うんですよ。

「フルーツプレート」を選択した僕の席に運ばれたのは、

なんと、バナナ

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それもご丁寧に座席番号まで付いております。

周りのお客さんも「バ、バナナ…!?」ってなります。

メインのフルーツプレートはこちら。

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タイ航空ご利用の際は、おすすめです。

特に深夜便とか、さっぱりしたもの食べたいじゃないですか。




フルーツのその先へ

インド生活中に爆速で発達するインドのアプリサービス事情。

アプリでオーガニック野菜を配達してくれるという
ナイスすぎるサービスがローンチされました(2016年始めかな?)。

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食堂で提供される食べ物を、どうやってインドテイストから遠ざけるか試行錯誤の日々が始まったのです。

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チャパティにカット野菜乗せてオリーブオイルとか、高い塩とか、
色々やってみたんですよ。

キッチンがないという制限の中で、
「カレーにチーズとオリーブオイルを入れる」というのが自分史上最もヨーロピアンでした。

まぁ、2日後くらいに「結局カレーかよ!」ってなるんですけどね…

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ピーマンを生で食べだした時には、

「あぁ、自分は追い込まれているな…」と我ながら思いました。

ベジタリアンでも、ローフードラヴァーでもないんですよ。

この時の僕は、食べ物に対して生半可な気持ちでは向き合ってなかったんですよ。

ガチだったんです、ガチ。

それもちょっと間違えた方向でガチだったんです。




シンプル イズ ベスト

「いやぁ、こんな感じで野菜とフルーツの生活してたんですよねぇ」

と話すと、かなりの確率で聞かれるのが

「休みの日にはお肉食べたくなるでしょう?」

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それが、肉!食いてぇ!!ってならなかったんですよ、一度も。

びっくりするくらい卵食べてました。

それもシンプルなオムレツ。

野菜果物の次に心も体も欲するのって、卵なんでしょうね、きっと。

自分の人生で「人類の退化」と「人類の進化」を短期間で経験できるとは思ってもいなかったです。

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えっ、オムレツってこんなに人を幸せにするんだ…ってけっこーな回数思いました。

例えばこのnoteを見てくださってるあなたの彼女や奥さん、お母さん、もしくは旦那さんが作ってくれる卵焼きとか目玉焼きとかオムレツとか、めっちゃ幸せな食べ物なんですよ。

幸せを、しっかり噛み締めましょう。

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よくある普通の町の食堂で出てくる

なんてことないチーズオムレツ

それもチーズの乗せ方が下手にも関わらず

オシャレな感じで写真に収めようとしていた程に、
オムレツへの愛が深まっておりました。




今でも大好きなインド料理

今では1日1~2食をお腹が空いたタイミングで食べる、
そんな生活をしております。

「ダイエットのため」とか「ヨガ/仕事のため」とかではなくて、
もうそれが僕の中で自然になっちゃったんですよね。

昔はそれなりに食生活に気を使っていた時期もありました。

ですが、やはり「我慢」も「計算」も生活を豊かにしてくれるものとは限りませんね。

「意識を変える」それに尽きるのですが、
僕の場合はたまたまそういう環境にいたおかげで…です。


今でも、よくインド料理屋さんにカレーを食べに行きます。

僕の大好きな南インド料理の中でも、特におすすめなのが「ドーサ」。

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カレーが好きな人、インドが好きな人、いつかどこかでカレー談義しましょう。

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