昨年より弊店でお取り扱いの、
長崎県雲仙市小浜町のB級グルメ「小浜ちゃんぽん」。

赤い袋が目印の半生麺はリピートも多い人気商品！なのですが、
実はこちらは地元企業と街の人たちが共同で開発した商品。

そんなまちおこし商品の開発秘話をお伺いしたく、
今回は「狩野食品」三代目の狩野源一さんと、
「ちゃんぽん番長」としてPR活動をされている雲仙観光局の林田真明さんに
お話を伺いました！

狩野といえば、もやし屋。

本日はお時間をありがとうございます。まずお二人についてお伺いさせてください。源一さんは狩野食品の三代目なんですよね。

（狩）はい。うちはちゃんぽん麺の製麺メーカーなのですが、営業、企画、製造含め業務全般の責任者をしております。

林田さんは公務員として雲仙市に勤めながら「ちゃんぽん番長」として活動もされていて。

（林）はい。地元の小浜ちゃんぽんを広めるべく街のちゃんぽんマップを作ったりテレビでPRしたりしています。

狩野食品は創業以来麺の開発生産を？

（狩）私の祖父が創業したのですが、元々は「もやし屋」だったんです。もやし製造は貧しくても比較的簡単に始めやすいビジネスだったため始めたそうなのですが、そのもやしの評判が良くて。雲仙の湧水を使って栽培すると良いもやしができたそうです。今も地元では「狩野と言えばもやし屋」とも言われます。その後、麺の需要もあるとのことで製麺も始めました。本格的に製麺所として事業を拡大したのは二代目の時です。

商品化のきっかけ

お二人の出会いはどのように？

（林）地元で小浜ちゃんぽんの活動中、突然訪ねてきてくださったんです。ご当地ちゃんぽんとして商品化したいと声を掛けてくださった。

（狩）地元のメディアでちゃんぽん番長を拝見し、ひとりの地方公務員がタレント活動をされている姿に感動して。同時に当時麺を卸していた小浜の食堂さんの店主から自店のちゃんぽんをパッケージ化し持ち帰られるようにしたいと相談があったんです。そこで林田さんも巻き込み商品化できたらおもしろいのではと思いお声がけしました。

妥協せずに追求した味

開発のお話を伺う前に最初に「小浜ちゃんぽんの定義」を教えてください！

（林）自由に楽しめるのがちゃんぽんの魅力だと思っているのですが、私は（1）あっさりめスープ（2）殻付き海老（3）生卵の三点を小浜ちゃんぽんの要素と考えています。狩野さんが開発したのはあっさりめなのに深みのあるとても美味しいスープ。また麺は通常より太めで長めです。長さは他商品と比較し約二倍ですね。

開発で難しかった点はありますか？

（林）味の追求でしょうか。何度も試作をしました。食堂経営者など四、五名のコアメンバーからなる「小浜ちゃんぽん愛好会」として狩野食品さんと開発したのですが、各々のこだわりがあったのでひとつの味に落とし込むための議論が大きな壁でした。けれどもそれを経たからには美味しくない訳がない、と考えています。

スープを吸い込む、麺の秘訣

私もいただいたのですが、麺がスープとよく絡む印象があり。表面に凹凸加工等ありますか。

（狩）麺は丸いです。スープを弾かずに吸い込みもちもちするのが弊社のちゃんぽん麺の特徴で。ちゃんぽんはラーメンと同じく中華麺の枠組みでかんすいを使用します。主原料は炭酸ナトリウムと炭酸カリウムなのですが、実は二つの配合割合で全く味が違ってくるんです。弊社ではオリジナルのかんすいを、具材とスープのバランスがよくなるよう開発しています。小麦本来の風味・甘みが引き出されるようにも開発しています。

雲仙岳の恵み、地下水。

原料のこだわりはありますか？

（狩）小麦は北米産のものをちゃんぽん専用粉として製粉しています。外国産のものは香ばしさと甘みがよく感じられます。塩は長崎県産で五島沖のものを。風味が立って食感にも弾力が出るんです。そして一番は水ですね。
水はどのようなものでしょうか？

（狩）島原半島の雲仙の麓に私たちの会社がありその地下を掘って採取しています。雲仙の地下水は、もやし栽培もでしたが、すごく旨みを引き出してくれるんです。（編注：名古屋大学御岳山火山研究施設によると「噴火による噴出物はスポンジのように小さな穴がたくさん空いていていると共に」「固結せず水分を蓄えやすい地質なので
その山麓は地下水に恵まれ」る。）

土地の海・山の恵みを活かしまちの文化を愛される狩野食品さん。これからもちゃんぽん文化を長崎の外に進めていき「麺類で人類を幸せにする」の企業理念を実現していきたいと話してくださりました。味にも原料にもこだわりが詰まった小浜ちゃんぽん、ぜひお楽しみください！

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