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【人見知り物語】ダムの決壊事件

僕は小さい頃から人見知りでした。

とにかく目立つのが嫌で、小学校の時も教室の隅っこで一人黙々と絵を描いているような少年でした。

そんな僕の人見知りを物語るようなエピソードの一つをご紹介します。

手は挙げない

人見知りだった僕は、とにかく恥ずかしがり屋で、先生に何か言うのも嫌だし、みんなの前で発表するなんて怖くて怖くて仕方ありませんでした。

先生が「これわかる人ー?」とみんなに聞く時も、手を挙げるなんてもってのほかです。

とにかく目立つのが嫌で、誰にも気づかれず、何事もなく今日も平和に1日が終わってほしい。
そんなことばかり考えていました。

ある時、今日も一言も話すまい、目立つまいと心に決めていた僕に、大きな試練が訪れたのです。

試練が来た

それは小学校の授業中。

まだ低学年の頃だったと思います。

静かに授業を受けていた僕は、そのうちおしっこに行きたくなりました。

でも、人見知りだった僕は、先生に向かって「先生!トイレに行かせてください」と言うこともできませんでした。

それすらも、恥ずかしくて恥ずかしくて、それをするくらいだったら我慢した方がマシと思っていました。

でも、その尿意はどんどん増していきました。
まだ授業は半分以上も終わっていませんでした。

そして、運命の時

我慢に我慢を重ね、だらだらと脂汗が垂れてきました。

まだだ、、
もうちょっとだ、、
頑張れ、自分、、!

謎の執念が、僕の膀胱の限界に挑戦しづけていました。

やっと授業の半分の時間が過ぎました。

折り返し地点だ、、!
いけるぞ、、!

それは永遠のように感じられました。
自分だけ時が止まっているのだろうか。

限界を越え続け、体も震え出し、頭もなんだかクラクラしてきました。

1秒ってこんなに長かったのでしょうか。

意識が朦朧として、もうわけがわからなくなって、一瞬の気が緩んだその時でした。

、、、

、、あ、、、

、、、

漏らしてしまいました。

パンパンに張り詰めていた糸も切れ、一気に溢れ出しました。

なんと気持ちの良いことか。

ただ、バレたらまずい!

教室の椅子に座りながら、バレないように必死におしっこが流れ出ないように、お尻の下でとどまらせていました。

意外と椅子からは流れ出ませんでした。

いける、、!
バレないかもしれない、、!

その一点だけに集中して、残りの時間を過ごしました。

キーンコーンカーンコーン

ついに、終わりのチャイムが鳴りました。

やっと、、、終わった、、、

今まで体験したことのない、やりきった気持ちに包まれて、僕はおもむろに立ち上がりました。

バッシャ〜!!

ん???

それまで僕のお尻の下でためにためていた温かい泉が、怒涛の如く流れ出したのです。

その時の勢いといったら、まるでダムが決壊した時のようです。

この件を僕は「ダムの決壊事件」と呼んでいます。

以上、僕の人見知り物語でした。

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