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さあ、新しい「本の売り方」の話をしよう

9/28の土曜日、知り合いの出版関係者Mさんに誘われて、とある「出版」イベントに行ってきました。

その名も「ビズケット」。

「ビジネス書マーケット」の略だそうです。コミックマーケット、つまり同人誌即売会に倣ったものなんですよね。

なんでも、「自作」の「ビジネス書」をその場で売り買いできるイベントなんだとか。

Mさんは泥沼の離婚経験を本として売りたいということで、一緒に誘ってもらったのでした。うーん、素晴らしい行動力。

話はそれますが、ビズケットの発想の元になったコミケ、実は数日で億単位の売り上げがあるそう。ネット情報だと、1975年に第一回が始まったと書いてある。僕が生まれる前からだ……。そして現在では50万人を突破するようになり、幕張メッセでの年二回開催で100億円規模の売上になるらしいです。
テロの標的まで懸念されているとか……。
そんな経済効果があるイベントだったことを、恥ずかしながらこのイベント後に知った次第です。

コミック、つまりマンガでその市場があるならば、マンガ以外のジャンルでもその
需要はあるのでは?と考えたのが、ビズケット発起人の坂本海さんという方。クラウドファンディングで資金を集めて今回の開催費用を調達されたそうです。

僕の「行動力と信用力を兼ね備えている人」の定義は、やりたいことを実現するためにクラウドファンディングを使ったことがあるかどうか。

立ち上げるだけでイベントへの大義や個人の信用がなければ成功しないものだからです。僕の目標でもあります。

僕も、Mさんの隣のブースでためしに知り合いの出版「新宿あらびき団」として出版企画書を、書き方指南つきで、一枚500円で販売してみたところ……。
なんと、これが4枚「も」売れたのです!
企画書に値段をつけるなんて初めてのことだったし、目にとめてもらえるかどうかもわからなかったので、とても嬉しい気分になりました。

Mさんの本をみると、『裁判4回、調停3回のシングルマザーが明かす 離婚を考えたとき知っておきたいこと』! さすが出版業界の人がつけるタイトルは違うなー、と感心していたら、10冊ほど売れたみたい。しかも男性に。さすがです。

午前中はひともまばらでしたが、午後はけっこうな盛況に。

15時過ぎに片付けしたあとは後半戦。第二部は現役編集者による座談会。
ディスカヴァー21の干場由美子さんと『FUCTFULNESS』を手がけた東洋経済経済新報社で超敏腕編集者・中川ヒロミさん、「デイリーポータルZ」編集長の林有司さん。司会は小学館の現役編集者で今回のイベントのサポーターでもある水野隆さんが務めていらっしゃいました。

特に干場さんがおっしゃっていた、

「企画においてまず決めるべきことは『誰が』『誰に』『何を』『どのように』伝える本にするかを決める、ということです」

というくだりが僕が販売した企画書の頭に入れた内容と根本が同じだったので、「やっぱり!」という思いを強くした次第。

最後に、箇条書きで今回の感想をまとめます。
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⭐️いいね!と思った点

・リアル書店、アマゾンに続く3つめの書籍マーケットが生まれる予感。BtoCだけだったマーケットにCtoCが参入する?

(1990年代末に2万3000店だったリアル書店は、昨年に約1万店にまで減少。1日に1店舗以上潰れている計算。リアル書店を補完する役割がとても大きい)

・出版社と未来の著者とのマッチングの場になる予感(そういった意味で、第二部にあった編集者のアドバイスが聞ける仕組みは非常にいいと思った)

⭐️もっとわかりやすく、面白くできるかも!と思った点

・タイトルをもっと伝わりやすくできるのでは

(読み手にどんなメッセージとメリットがあるのか)

・プロフィールをパネルなどで作ると絶対面白い

(当然ながら著者がだれかがわかりづらいので)

・値段と内容が釣り合った本が少ない

(初回だし、プロの目から見てなので当然なのだけど、書店で売っている本を平均1400円として、今回の平均500-1000円は高いと感じた。投げ銭形式も面白いかも)

・第一部の講演会が、売り場からだと聞き取りづらかった

(前で見るには留守番役を誰かにお願いしないといけないので、一人で来た人はちょっときつかったかも。参加者限定で後から動画で見れるようにするといいと思った)

・有料でもいいので、安価で壇上スピーチをできたら

これからの出版は著者も露出していかないといけないので、スピーチスキルがとても大切になってくるため)——————

結局あっという間に六時間がたっていました。
つぎは自分の「本」を要しして臨みたいと思います。

総じて、リアル書店が激減しているいま、アマゾンに頼らない新しいマーケットの可能性を感じさせてくれるイベントでした。

第二回も開催されるみたいなので、今から楽しみ!


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