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メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲と吉田秀和さん

こんにちは!
シュンスケです。

先日、車のタイヤを履き替えにダイハツのお店に行ってきました。
ダイハツのお店には車検やら6ヶ月点検やらでよく行くのですが、作業中、お客さんを飽きさせないためにか、抜かりなくお菓子と飲み物が出てきます。

わたしはそのつかの間のリラックスタイムが好きで、お知らせがきても「また点検か、面倒だな」とは思わず「お!そろそろ点検だな!」と、ちょっとしたワクワク感をもって迎えられています。

というわけで、今回もダイハツのお店のソファに座って、アイスコーヒーを飲みながら、ロータスをポリポリやって優雅な気分に浸っていたのですが、そこに聴き覚えのある音楽が流れてきました。
クラシックの室内楽です。
しかし、曲名が思い出せない。
しばらくがんばったのですが、結局だめでGoogleに聞いてみることにしました。
Googleアプリを立ち上げて「曲の情報を調べる」という機能を使います。
すると、ずばりこの曲はメンデルスゾーンの『ピアノ三重奏曲 第一番』だよ、と教えてくれました。
便利な世の中になったものだなあ、と感心しつつ、また、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲を思い出せなかった自分の耳に失望しつつ、アイスコーヒーを飲みながら、わたしは吉田秀和さんのことを考えていました。

メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は音楽評論家である吉田さんの本で知って、一時期、かなり集中的に聴いた曲だったのです。
本のなかでは、戦時中に聴いていた曲としてとりあげられていました。
音楽を聴くこと自体が不謹慎な時代、吉田さんは手回し蓄音機に布団を被せ、そのなかに頭をつっこんで、周りに悟られないように、こっそりと聴いたのだとか。
わたしはダイハツのお店のソファの上で、吉田さんと布団のなかで小さく響くメンデルスゾーンについて、しばらく考えていました。

目を上げると、空は青々と晴れていて、早くも夏の様相を呈しています。

しばらくして、つなぎを着た若い整備員の男性が近づいてきて「作業が終わりました。あとはボディを洗車しておしまいです。」と溌溂と教えてくれました。

とても気持ちのいい日曜日の朝でした。

ちなみに「吉田秀和さんの本」というのは『私の好きな曲』というタイトルの本で、とても素敵な本です。
メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は、そのフォーレのエッセイのなかにでてきます。

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