先日、Twitterのタイムラインで「フリーランス40歳の壁」について話題になっていました。20代30代と順調に進み続けてきた人も、40歳ごろを境に様々な理由や事情から、それまでと同じようにはいかなくなるよね、という話。

実際に自分のまわり（イラストレーター界隈）でもそうした話はよく耳にします。今もバリバリ活躍されている、キャリアの長い先輩方がこんな事をおっしゃっていました。

・ベテランに見られることで小さな仕事が急に減る
・担当者の方が若くなり、声がかかりづらくなる
・決まった人間関係の中だけで動くようになってしまう
・環境的、体力的にも以前のように無理が効かなくなる

などなど人それぞれですが、これは何もフリーランスに限ったことではないですよね。長く働き続けていれば誰もが通る道なのかもしれません。

最近感じた自分の限界値

ぼくは今37歳、40歳が近づく中でやはり少しそう思うことがあります。20代だった頃からこれまではありがたいことに上り坂で来ることができましたが、最近、売上や請け負える仕事量などにおいてある程度限界値（自分が上る山の頂上）が見えてくるようになりました。

ちなみにこの限界値というのは、「自分ひとりで」「今と同じジャンルの仕事を」「同じ単価で受け続ける」と考えた場合、物理的に一年間にこなせる最大のボリュームから想定して出したものです。イラストレーション業界としての限界値ではなく、あくまで自分比ということなので誤解のなきようにです😌

もう少し具体的に言いますと、ちょうど今確定申告へ向け売上を集計していたのですが、独立して13年目にしてはじめて前年の売上を下回ることがわかりました。予想はしていましたが、そうか、いよいよこの時が来たか…という感じです。

同じことだけをしていて大きく伸びることはなさそうで、ここからは下り坂だと考えると、何もしなければ年々ジリ貧…？ などと色々考えてしまうこともあります🤔

ベテランに見られることで小さな仕事が急に減る？

上にも書いた理由のひとつ、ぼく自身もそう感じることが少なからず出てきたのですが（※本人にベテランという自覚はありません）、では発注側からの敬遠されていることだけが原因かといえばじつはそうではなく。

気がつけばここひと月の間にも何件かお仕事の依頼をお断りしていて（納期や予算が合わなかったためですが）、昔の自分なら少々無理してでも受けていただろうなと考えると、自らも受ける仕事を選ぶようになってしまっているなと、ふと。自分はもうこういう仕事はしなくてもよいのだ、といったような驕り、無意識にどこかでそう思って甘えていたのかもしれませんね。

であれば身から出た錆、とも考えられます。

続けてきたからこそできること

もちろん40歳というのはひとつの例であって、キャリアのスタートが40歳からの人もいれば、60歳からの人もいますし、そこからバリバリ動いている方はたくさんいらっしゃいます、尊敬しかありません。

そういう意味では年齢だけで決まることはないかもしれませんが、どんな仕事でも今と同じ状態で20年後30年後を迎えられるなんてことは少ないですもんね。であればそれに抗うのではなく、今だからできる事を大切にしながらいい年の重ね方したいなと思うわけです。

長く続けてきたからこそできること、経験、信用、人間関係など。スタート時にはなかった強みを活かせるような働き方にシフトしていくことが必要な時期なのでしょう。そう思えたならもう悲観することはありません。

人生の先輩方のありがたいお言葉

そんな、年齢やキャリアについての話をTwitterでつぶやいていたのですが、そのおかげでたくさんの人の考えに触れられるきっかけになりました。そんな中で特に感銘を受けたものをこちらで紹介させてください。

「ファンベース」の著者、佐藤尚之さんの書かれたnote。

人生は60歳までが修行で，それからが本当の自分の人生。ところが世の人々は往々にして60歳までに勝負をしてしまう。だから60歳になると，本当の人生から離れてしまうという意識が生じてしまう。これは間違いです。
（中略）
60歳までに勝ち組だと自称して勝ちすぎてしまう、ということも問題ですよ。

人生、60歳まではリハーサル。ピークを80歳にと考えると40歳なんてまだ半分ですね。ようやく半人前になれるかという段階でぼくは何を言っているんだ…、と自分を見直すことができました。

40歳について書かれた糸井重里さんの記事。40歳は惑うということを前提に

「絶対にやりたくないことからは逃げる」と心に決めること。これは逆説でもあって、「絶対に」が付かない程度の、文句を言いながらやれることなら、逃げずにやり遂げろということ。

ガツーン！と。心に響くお言葉。
偉ぶることなく、そうしようと思いました😌

世の中にはこうした尊敬できる先輩方がたくさんいてくれて、勇気をいただいています。人生は思っているよりもずっと長い、これからですね。