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キャンプ場のキャンセル問題を考える

先日のnoteで「キャンプ場もレベニューマネジメントをやった方がよいのでは?」という話をしました。

実はもう1つ提案したいことがあって、それが「予約キャンセル」についてです。

今シーズンからキャンプ場運営をはじめましたが、想像以上に予約キャンセルが多くうちのキャンプ場ではキャンセル率20%ほどで推移しています。ちなみに予約サイトの担当者さんにも確認してみたのですが、結構いろんなキャンプ場から相談があるらしいです。

もちろん天候や急な予定など仕方ない理由もあると思うのですが、ひどいケースだと「人気のキャンプ場を一気に複数予約しておいて、天気などを確認して直前に1つに絞るケース」もあるらしいです。テロかよ。

あまりにキャンセルが多いとキャンプ場側も売上が読めずに困ってしまいます。さらにキャンセルが多いと回りまわって関係のない他のゲストにも不利益が発生します。

多すぎるキャンセルが引き起こすこと

●オーバーブッキング

ホテルや飛行機でしばしば起こるオーバーブッキング。発生する理由は簡単、キャンセルする人がいるからです。各ホテルや航空会社はそれぞれ自社のキャンセル率をデータとして持っており、そのキャンセル率に基づいて定数を超えて予約を受け付けることがあります。若干倫理的にどうなの?という部分はありますが、業界によっては一般的に行われているキャンセルに対する対応です。

キャンプ場の予約キャンセルが増えると同じような対策を取る施設が出てきてもおかしくありません。

例)8月週末の天気が「曇り時々雨」だった場合
キャンプ場「もうサイトは予約でいっぱいだけど雨を嫌がってキャンセルする人がいるかも知れないな🤔よし!2サイトだけ余分に予約取っちゃおう!

●料金の値上げ

あまりにキャンセルが多いとキャンプ場側は値上げを検討せざるを得なくなります。キャンプ場のようなビジネスだと「なんで?飲食店と違って食材のロスとか発生しないでしょ?」と思われるかも知れません。

たしかにキャンプ場の経費は主に固定費なので飲食店ほどキャンセルによる損失は大きくないかも知れません。ただ1件の予約を獲得するためにもキャンプ場はさまざまな広報活動を行っています。

多くのキャンプ場は雑誌への掲載など広報活動を行っており、施設のホームページや予約サイトへ訪れてもらうだけでも費用が発生しています。(大人なビジネスマンなら理解いただけると思いますが)

最終的な獲得(CV)を「キャンプ場に来ること」と定義するなら、その前段階の予約キャンセルも立派な損失です。きちんとマーケティングに取り組んでいるキャンプ場なら「ゲスト1組を獲得するための費用(CPA)」を設定していると思います。そしてもちろんこの費用は皆さんが払っている宿泊料に含まれています。

キャンセルが多いとこのCPAは増加します。そして増加した分の費用は実際にキャンプ場まで足を運んでくれたゲストの宿泊料に転嫁されてしまいます。これってすごく不健全じゃないですか?キャンプ大好きで雨でも楽しんでキャンプしている方がすごく迷惑被ってませんか?

まずはキャンセルポリシーを確認!

いろいろ書いてますが「キャンプ場が損するから雨でもキャンセルするな!」ということが言いたいわけではありません。

通常キャンプ場では「キャンセルポリシー」を定めていて"予約日の◯日前まではキャンセル料不要、△日前よりキャンセル料100%"というように細かく規則が記されています。台風や悪天候の場合もキャンセル料がかからずキャンセルできたり、そもそもキャンプ場側で受入れ不可の判断となることがあるので予約前にしっかりとキャンセルポリシーを確認しましょう。それに沿って予約のキャンセルなどをする分には全く問題ありませんし、正当な権利です。

悪質なキャンセルへの対応

もちろんどうしようも無いキャンセルもあると思うのですが、やっぱり一部の心無い方のせいでキャンプを楽しみにしている人に負担を強いてしまうのは避けたいです。そこでいくつかの解決案を考えました。

●予約サイトではユーザーの予約数に制限を

まず人気のキャンプ場を一気に複数予約する~という行為を防ぐために「予約できるキャンプ場は2つまで」というように予約数を制限する方法です。

これは予約サイトさんには1日も早く実現して欲しいと思ってますm(_ _)m

●宿泊予約の転売を可能に

ホテルのキャンセルしたい宿泊予約を転売できるサービスがあります。こんなのキャンプ場でもあったらいいなーと常々思ってます。

誰か作ってくださいm(_ _)m

●キャンセル不可の格安予約プランを

これは先日のnote「キャンプ場とレベニューマネジメント」とも関連するのですが、キャンプ場としては「絶対来てくれるなら安くしても全然OK!」なんですよね。

飛行機の格安航空券は購入後は変更・キャンセル不可が通常です。一度売ってしまえば売上が確定してしまうので、変更・キャンセルが可能な正規券よりずっと安い価格で販売できるのです。

「雨の日のキャンプもいいよね~」
「自分のサバイバル力が試される(!?)」

というコアなキャンパーさんは、ちょっとやそっとの雨ではキャンセルしない方も多いです。その方たちが自由にキャンセルするつもりの方と同じ料金ってよく考えたら不思議じゃないですか?そこでキャンプ場でも「キャンセル不可の格安予約プラン」を用意し、コアなキャンパーに届けることができればキャンプ場もゲストもどちらにとっても嬉しいはずです。


結局のところ「欲しい商品を作って欲しい人に届ける」に尽きるのではないでしょうか。今のキャンプ業界はコアな層にもライトな層にも同じ商品しか提供できないのでどこかから不満の声が上がっています。他の業界で取り入れられている施策を参考にして取り入れることで、ブームに頼らず産業として成長させることができるんじゃないかな?と最近思っています。



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