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ぼくのかめらのはなし。その9。

僕がカメラについて延々と語り続けて早9回目。

今回は、カメラと言うより写真についてのお話を。

僕がnoteでフォローしている方の記事を読んでいて、色々と考える事があった。

その方は、フィルムカメラ、デジタルカメラ両方で撮影をされる方なのだけど、「フィルムっぽさってどういうことなんだろう?」と疑問を持たれ、考察された記事だ。

僕が写真を始めた頃、すでにフィルムはブームとなりつつあった。けど、それはあくまで「写真好きの間で」という限られた範囲内だった。

それが、写ルンですやチェキをきっかけとして、フィルムっぽさがなぜか若い世代(と言っちゃうのが年寄り臭いんだな)に受け、インスタの流行と共に一気に流行りはじめた。

もちろん、インスタはスマホで気軽に撮った写真を載せる場でもあるんだけど、今はフィルムを現像しデータ化したものをスマホにLINEで送ったりしてくれるサービスもあって、フィルムで撮ったものでも気軽に載せられる。

とはいえ、今はアプリで加工する時代でもあって、フィルム写真風に加工できたり、写ルンです風のインターフェースで撮れる(というよりかは「でしか撮れない」と言ったほうがいいかも)アプリもあったりする。気軽にフィルムで撮っている気分になれるのだ。

でも、ちょっと待ってほしい。

みんなが「フィルムっぽい」って言っている写真は、何を指して「フィルムっぽい」のだろうか。ザラッとしていればそうなのか、色合いが独特であればそうなのか、日付が入ってればなのか、ちょっと暗くなると急に写らなくなるところなのか。

フィルムっぽさ、が、消費されまくって、正体の分からない化物みたいになっているような気がしている。

写真の本質を考えてみよう。

まず、写したくないものを撮ったりはしない。撮ろうとしたものは、必ず「写したい」と思ったものである。

そして「写す」「撮る」という行為に至るわけだけど、フィルムだけで撮っていた時代と、スマホで撮れるようになった今とで、決定的に違う点がひとつある。それは「対象をちゃんと見ているかどうか」である。

それってどういうことかというと、何かを見て「撮りたい!」と思ったなら、なぜそれを撮りたいと思ったのか、ちゃんと見て感じる必要がある。じゃないと、それを写しとれないから。

スマホを始めとしたデジタルでは、撮って気に入らなかったら気軽に消せる、という事もあり、何を写したいのか、あまり深く考えずに撮りがちではないか。

デジタルは、フィルムに対して圧倒的に撮る事ができる。そして消せる。それが、対象をよく見て感じることの希薄さにつながっていやしないか。

フィルムっぽさ、それ自体に関する答えではないかもしれないけど、「ちゃんと見て感じて撮った」写真は、それが一般的に失敗と言われる写真でも、伝わるものである。だから、失敗写真が残りやすいフィルムで撮ったものが、よりフィルムっぽい写真と言えるのではないだろうか。

だから、フィルムと条件を揃えて(写真を消さない、撮った写真をその場で確認しないなどして)ちゃんと見て感じて撮った写真なら、デジタルでもフィルムっぽくなるとも言える。色味、粒状感、そんなものは後でいくらでも加工で付け加えたりできるので、それを「フィルムっぽさ」とは僕は言わないでおく。
僕はデジタルで撮って後からいわゆる「フィルム風」の加工をするソフト(VSCO Film)を使っています。それは単に結果が好みだからで、それがフィルムっぽいからとかそういう理由ではないです。そしてフィルムで撮った写真は、基本的にラボから戻ってきたままアップします。

ちなみに、僕がスマホで写真を撮る時のマイルールは「絶対に消さない」ことだったりします。

フィルムで撮ろうがデジタルで撮ろうが、写真は写真であって、そこに違いなどないと僕は思う。それでもあえてフィルムっぽさ、ということを考えた時に浮かんだのが、僕の写真の基礎である「見て、感じて、写す」ことだった。フィルムは、デジタルより先に写真を写す技術として存在していたものであり、そこで確立されたものがデジタルへと変化していく過程でこそぎ落とされたもの、それが「見て、感じて、写す」ことなのではないか。

フィルムっぽさってなんだろう、と今現在写真を撮っている人なら考えてみてほしい疑問。ぜひ、みなさんも考えてみてくださいね。

それでは、また。

2019年4月7日追記

1日経って気づいた事があるのでこれから追記します。

フィルムカメラって、デジタルカメラよりだいぶ不便です。まぁ一部デジカメっぽい操作系のフィルムカメラもあるけど、大体マニュアルフォーカスだし、シャッタースピードや絞りは自分で設定しなきゃいけないし。

フィルムカメラの説明書って、薄いんです。Nikon FM2の説明書持ってますが、20ページとかそれぐらい。で、僕が持ってるデジカメのα7は200ページはあります。もっとかな?まぁそれぐらい機能が多彩。

ん、じゃあ便利なデジカメの方がいいの?というと、僕の考えでは逆で、不便なフィルムカメラの方がいい。

なぜかというと、不便な方が、出来ることを精錬できて質が高まるんですよね。露出やピントに関してもそうですが、なにより「不便な中でいかに写すか」ということに対して、貪欲になれる。渇望、といってもいいけど、不便なものからの方が、「自分らしさ」が出る写真って生まれやすいような気がします。

便利、って一見するといいことだし、使いこなせたらいいんだけど、使いこなせない場合もあるじゃないですか。iPhoneの全ての機能使いこなせる人ほとんどいない、みたいな。デジカメでも同じようなことがあると思っていて、機能満載だけどそれらの全てを理解して使いこなせている人っているのかな、って。まぁいるにはいるけど、少数派だと思う。感覚的に。僕も含め。

で、その場合の何が怖いって、例えば露出取る時とかにカメラまかせだと、「なぜ晴天時にSS1/250でF8だと露出が合うのか」なんてことになるわけです。適正、がなぜ適正なのか分からない。だってカメラがそういうんだもん、って思考になってしまって、「なぜそう写るのか」という原理まで知ろうとしない。
それが分からないと、SSを速くしたいんだけど、その場合絞りってどうしたらいいの?となったり、逆に絞り開けたいんだけどSSってどうしたらいいの?となる。デジカメにはシャッター速度優先とか絞り優先なんてのがあるから困らないかも知れないけど、「なぜSSと絞りが相関関係なのか」というのを理解しないと、完全に扱うことはできないわけです。

SSや絞りって、写りに多大な影響を及ぼしますよね。絞りを開けたり閉めたりすれば、ボケの質が変わったり画の線のシャープさが変わったりします。SSの場合は、動体を撮る場合に、きっちり写せるか残像が残るかとかの違いが出てきます。知っていれば、それを、自身の表現に活かす、ということができる。

デジカメでもできるけど、フィルムカメラの方がよりやりやすい、そういう思考になりやすい、自然とそういう思考になっていく、ということがあるのではないか。

なので、フィルムっぽさがフィルムカメラで出るのは、まぁ当然といえば当然ですが(フィルムで撮ってるわけだから)、それは媒体がフィルムか、というよりは、非常に不便なフィルムカメラで撮っているからそうなる、というのが正しいのかも知れません。

僕が、フィルムっぽい写真の条件として挙げた「見て、感じて、撮る」ということって、結局、不便なフィルムカメラで撮ることによって、より研ぎ澄まされていくのかも知れませんね。より古代に還っていくというか。人間が写真に持っていた憧憬みたいなものを、今こそ取り戻すべきなのかもしれない。

不便は便利よりだいぶいい。こんな言葉を後世にも残したい。便利は不便から生まれるものだから、やっぱり不便なことを知っておくのはいいことなのだ、と僕は思う。こと写真に関しては。

個人的に、フィルムが残るとか残らないとかはあまり関心が今はなくて、ナチュラ1600がなくなったときも、あー残念だな、ぐらいにしか思えなかった。業務用400がなくなった(というよりX-TRA400がなくなった)ときも、あー残念だな、ぐらいにしか思えなかった。
フィルム好きからすると、すごく邪道というか道から逸れているのだろうけど、使えるフィルムがあるうちは、なくなっても残念だなぐらいにしか思えない。
なぜなら、僕は写真の基礎である「見て、感じて、写す」ということを体得しているので、デジタルでもフィルムでも、大体は同じような写真が撮れるから。

だから、デジタルで撮った写真をフィルムっぽくできるなら、フィルムカメラで撮った写真をデジタルっぽくできる、あらゆるフィルムカメラに合うデジタルバック的な製品が出たら僕は買う。媒体がフィルムであることより、不便なフィルムカメラで撮影出来ることのほうが僕にとっては大切だから。

追記、といいながら本編並の文章量となりました。気づきがあるうちはこの記事に追記していく予定ですので、お手すきの時に眺めてみてくださいね。

それでは、また。

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シュンティ

1981年7月1日生。福島県出身。東京で12年生活したのち、故郷へ帰り会社員をしながらまた東京に住むことを実践するべく日々奮闘中。なにかありましたら→へどうぞ。 shunty.ne.jp@gmail.com

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