茅ヶ崎でサザンを見る
先月、茅ヶ崎で今年サザンオールスターズのライブがあるという告知を聞いて、もし行けたら最高だと思った。
というのも茅ヶ崎というのが桑田さんの故郷であり、そのルーツでもある海辺でサザンを聞けば気分が高揚するのは容易に想像できたからだ。
とはいえ、今回ライブが行われるのが茅ヶ崎公園野球場といって、2万5千人というライブにしては小さめの会場×4日間なので、普通にやっても取れる可能性は低いと思い、チケットを手に入れる確率を少しでも上げる為にファンクラブへと入会してみた。
ファンクラブに入るとチケットの先行受付に参加でき、エントリーする際には、座席をアリーナor外野スタンドの2択で第一希望と第二希望が選択できた。
恐らくアリーナがステージに近く、外野スタンドは立ち見で距離も遠いだろうと思ったが、とにかく中にさえ入れればいいと思ったので4日間全て外野スタンドを第1希望にして、申し込んでみた。
幼き頃の自分からすれば、まさかサザンのライブに自ら申し込む人生なんて夢にもみてなかったと思う。
僕がサザンと対峙したのは、小学校の卒業式でTSUNAMIが使用された時だと思う。
それまでは何となくTVで流れてるなーくらいで、特に気に留めることなんてなかった。
というのも当時の自分達からすればサザンは1世代前のバンドという認識であったと思う。
そして、この卒業式のTSUNAMIに関しても特に何も思ってないし、サビの最後に「思い出はいつの日も雨。」という歌詞があるが、全く意味さえ分からず不思議だった記憶がある。
そして、小学校を卒業してからは、周りと同じようにポルノグラフティやバンプオブチキン、19(ジューク)、ロードオブメジャーとかを聴いて青春時代を過ごした。
その後、高校を卒業して19歳の時に、予備校で出会った友達とカラオケに行った時だった。
友達がサザンオールスターズの「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」を歌ったのです。
サザンの昔の曲を遡って聞くということが無かったので、当然その曲は知らなかったのだけれど、昔の曲にも関わらずノスタルジックな歌詞と心地よいメロディが胸に響いてくるものがあったのだ。
その後も彼はサザンの曲を連続で入れて、僕を魅了した。
もはや自分が歌うキンキキッズとかどうでもよくて、早く次のサザンの曲を聞かせてほしかった。
それをきっかけに、後日、僕はその友達にサザンのCDを借りることになった。
厳密に言うと友達の母親のらしい。
それが「海のYeah!!」というアルバムだった。
このアルバムを聴いて、また衝撃を受けた。
ポップでエロティカルで肩の力が抜けた楽曲が目白押しなのだ。このアルバムを聴いて、それこそがサザンの真骨頂だということがわかった。
TSUNAMIこそが、サザンだと思っていたが、全然TSUNAMIはサザンじゃなかった。
こと、TSUNAMIに関しても、今聞けば「思い出はいつの日も雨」という歌詞の意味合いや、表現も秀逸なのが理解できるようになった。
ポップとバラードを緩急よく織り交ぜて、どちらもこなせるのは一つの魅力である。
そして、一昨日だったか、事務局からライブの抽選結果のメールが届いた。
『当選しました。』
外野スタンド観戦の作戦が功を奏したのだと思う。
9月後半、夏の終わり、サザンを教えてくれた予備校の友達と二人で茅ヶ崎の海辺に行ってくる。
今年の夏の思い出、いや、人生における夏の思い出になりそうな気がする。
晴れてほしい。
出来れば、思い出は晴れがいい。
END
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