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【影をつかまえる-大切なものでフォトグラムをつくろう!- @栃木県立美術館 】

【影をつかまえる-大切なものでフォトグラムをつくろう!- @栃木県立美術館 】

2019年7/27実施ワークショップ「影をつかまえる」のレポートです。

栃木県立美術館主催。夏休みワークショッププログラムで、カメラをつかわない写真「フォトグラム」をつくりました。

                                           
参加者は小・中学生20名。

今回は2種類の写真のプロセスでフォトグラムを制作。
今はもう手に入らない青焼き感光紙「ジアゾタイプ」と自分で感光紙をつくるところから制作をする「サイアノタイプ」。

冒頭、制作するフォトグラムの概説。2種類の写真のプロセスを説明し、いざ制作スタート!

最初は、光を受光する感光紙をつくるため、感光液をつくり、厚紙に塗布。2種類の薬品を使って水溶液をつくり、それらを混合して感光液とし、紙に丁寧に塗布します。

感光液の乾燥を待っている間。持参した「大切なもの」をモチーフに影で画面を構成。ものの影を意識しながらモチーフの組み合わせを考えます。構成が決まったらジアゾ感光紙の上にモチーフを乗せ、室内で約15分露光します。

感光紙に近いほどシャープに写り、離れれば離れるほど大きな影になりぼやける効果を工夫しながら、意図的にモチーフを浮かせてみたり重ねてみたり、まるで影で絵を描く実験室のよう。ジアゾタイプでどのように影で写真を制作するのかを体験。

現像はアイロンの熱で行い、じわじわ現れる像に、思わず歓声が上がります。いろいろな工夫が作品になった瞬間は感動的。                                                  

次に、自分で制作した感光紙でサイアノタイプを制作。

撮影する前に、モチーフを美術館の近くの公園に探しに行きました。作品制作をする意識で身の回りを見渡してみると、不思議!!普段はあまり目を向けない植物や落ちているものが、とても面白いものに見えてきます。

参加者は蝉の抜け殻や、面白い形をした枝、葉、実、羽、種、針金、おもちゃなどを見つけ出し、そのモチーフをどのように使うと面白いか考えます。




自分で作った感光紙の上に「大切なもの」「拾ったもの」などを構成し、サイアノタイプは野外で約15分ほど露光しました。(台風の影響か、風が強く軽いものは飛ばされたりしました。)


制作後は、参加者の作品を並べ、皆で鑑賞しました。
光の強さや長さによる色の違い(階調)やモチーフの写り方、影で構成したアイデアあふれる画面、また影になることで膨らむイメージなどを共有しました。   

参加していただいた皆様。

美術館のスタッフの皆様に改めて御礼申し上げます。  


⚫︎写真作家・造形ワークショップデザイナー ・キュレーター・「時間」と「記憶」をテーマに制作。2012年〜ヒロシマの被爆樹木をフォトグラムで作品制作 ●中之条ビエンナーレ2019参加アーティスト ●さいたま国際芸術祭2020 市民プロジェクトコーディネーター