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【音読サイコロ道場@西荻窪4♡】

本日は、音読道場の本部で朝から子どもたちへ指導をする日だ、昨日の体験会から引き続きで、旬子さんと同じシフトとなる。眠たい目を擦りながら電車に飛び乗り、イヤホンで松永暢史先生の音声を聴きいて西荻窪にあるV-Netへ向かう。お天氣は快晴!空は抜けるような青空で、太陽の光に当たると氣持ちがいい。

少し早めに着いて、入り口の扉の鍵が開くのを待っていると、旬子さんも到着。
「おはよう〜。」と笑顔で挨拶を交わし、入り口で立ったままおしゃべりをしていると、半袖のTシャツを着た背の高い男の子が、スマホの画面を見ながらやって来た。
「おはようございます。半袖なんて、元氣だね〜。」と声をかけると、「おはようございます。うん、寒くないです。」と言って、私たちから少し離れた所に立ってゲームらしきものを続けていた。

程なくすると、V-Netの原先生が現れて、「お待たせしました。」と鍵を開けてくれた。みんなで、まだ空調の効いていない冷んやりとした部屋の中に入る。半袖の男の子は、相変わらず、一人静かにゲームに没頭している様子だった。私と旬子さんは、まだ、時間前なので、「今日は、何人位かな?」「誰を担当するのかしらね?」とおしゃべりしなから、準備をする。

程なくすると、いつも一緒になるやんちゃな小4男の子が、これまたいつものように、いい感じに跳ねている寝癖の頭で入って来た。
「おはようございます。」その姿が可愛い!(笑)
さて、時間になっても、他の子どもは来る様子がなく、午前中の部は、男の子二人のみとなり、音読は、旬子さんと私で一人ずつ担当することとなった。

私が担当したのは、背の高い半袖の男の子だ。いつもは午後の部に参加しているようで、今回、初めましてだった。お互いに名前を言って自己紹介から始まる。学年を聞いたら小6とのこと。半袖の割には、あまり元氣が無いようにしていたので、「大丈夫?」と聞くと、しばらく風邪で体調を壊していて、学校も音読道場も休んでいたと言う。声もいささか、出し辛そうだったのて、「無理しなくいいからね。ボチボチやっていきましょう。」と声を掛ける。

まずは母音の確認から、マスクはしたままの方がいいと言うので、付けたまま、口の開け方を確認出来なかったが、声が出ない割には、はっきりと発音出来ていた。「いい声だね〜。よくそう言われない?」と伝えると、「そうかなぁ。別に…声変わりしたけど…。」とマスクの下でモソモソ。満更でもない様子だった。
「じゃあ、音読始めようか。どこまでやっていたの?」と聞くと、「分からない。」と言って、テキストをパラパラ。「そうか、分からないのか。そうしたら、誰も分からないなぁ〜。どこからやりたい?やりたい所をやろうか。」と声を掛けると、「わかった!つれづれだ。」と言う。「よかった!じゃあ、徒然草をやりましょう。130ページだね。」「一音一音切り読みで行くよ〜。つ・れ・づ・れ・な・る・ま・ま・に」「つ・れ・づ・れ・な・る・ま・ま・に」と交互に音読を始めた。最初は、一音一音切りで読むが、だんだん速度が速くなって、音が繋がってしまい、口の開け方もいい加減になってゆく。3行程のテキストを一回読み終わったので、「久しぶりの割には、よく出来ているね〜。じゃあ、今度はもう少し、口をしっかり開けてやってみようか。」と言うと、「もう学校に行きたくなーい。明後日、また行くと思うと嫌になる。」と学校の話が始まった。「なんで行きたくないの?」「だって、給食の時、足を引っ掛けようとするヤツがいるから。でもね、倒れそうになった時、お盆を傾けてやったら、そいつの頭にみそ汁がバァーってかかっだんよ。」と意地悪された割には、あまり悲壮感はない声のトーンで話してくれる。「へぇーそうなんだ。やられっぱなしではないんだね。」と伝えると、そこから「クラスのいじめっ子」の話しが止まらない。彼がいかに理不尽ないじめに遭っていて、それに対してどうやり返したかの話が続く。「へぇー、そうなの。大変だね。」「そうか、それは彼の自業自得よね。」「で、クラスの他の子はどうしているの?」と彼の話しに耳を傾ける。話しを聞いていると、そのいじめっ子は友だちが一人もいなくて、彼からいろいろ仕掛けてはくるが、クラスのみんなが止めに入るらしい。で、やり返されると、今度は周りにある物を投げて壊したりするとのこと。いじめっ子の方が味方が居なくて、孤独で、身の置き場がないようで可哀想な感じがしたので、「なんかさ、そのいじめっ子の彼は、かなり抑圧されていて、鬱屈しているみたいじゃない?その悲しみや怒りをどうしていいか分からなくて、いろいろ仕掛け来るんじゃないかなぁ。どう思う?」と言うと、ちょっと黙って間を置いていたが、「でも、この間もさ…」といじめっ子から殴られた話が続く。「そうか、いろいろ大変だね。学校に行きたくない氣持ちも分かるよ。でね、今はちょっと学校のこと忘れて、音読に集中してみない?」「さぁ、もう一回やるよ〜」と何とか軌道修正して、音読に戻る。が、もう彼の集中力は切れているのが分かる。(苦笑)
「じゃあ、これが最後の一回だから、がんばろう!たった3行だよ」と言って最後の一回の音読が終わって、The End. 「あぁ〜疲れたぁ。」と言って机の上に突っ伏して終わった。うんうん、よくがんばりました。

次は、サイコロ計算だ。小6の男の子を原先生にバトンタッチして、今度は、旬子さんと二人で小4の男の子の担当をする。彼とは毎回一緒になるので、お互いに慣れている。最初は、転がすサイコロをどれにするかで、たくさんのサイコロを机の上に並べるだけで、中々始めようかとしなかったが、今日は二人がかりなので、こちらもちょっと余裕があり、旬子さんと包囲網を作って、彼を暗算へと誘っていく。これが功を奏したのか、彼はだんだん計算へ集中していく。空の一点をじっと見つめながら、頭の中をフル回転させて、集中して一生懸命暗算している様子はカッコいいし、抱きしめたくなる位に可愛いものだ。(笑)
正解が出てくると、「すごい!」「天才!」と拍手して3人で一緒に喜ぶ。で、どうやって正解を導き出したかを聞いて、また、「わぉ、すごいね!」「さすが!」と声を掛けると、彼も満足そうにニンマリと笑う。こんな楽しいゲームのようなサイコロ道場はあった言う間に時間が過ぎていった。

今日は、久しぶりに学校でのいじめの話しを生で聞いて、いろいろ考えさせられた。そうだよね、学校は楽しいことばかりじゃないし、今の時代、むしろ大変なことの方ががいっぱいあるかもないなぁ。
もっと、いろいろ話しを聞いてみたいと思った。

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