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【音読道場三連発♡】

今日は、「大人のための深める音読」を続けて3コマ、旬子さんのお家de開催した。入れ替わり立ち替わり3人の生徒さんたちをお迎えして、音読三昧の豊かな時間が流れる。
三者三様、同じ「古典音読」を真ん中にして、それぞれの個性が際立つ時間だった。

人間の声とは面白いもので、その人の性格や持ち味が伝わってくるものだ。また、同じ人でもその日の体調や心持ちによって、声の響き方が違っているから、耳をそばだてて、音読している声を丁寧に聴いていると、その人「今」の状態が何となくわかってしまう。

朝一番にいらっしゃった生徒さんは、白髪をおしゃれに染めている年配の女性で、さいたま音読道場で一番はじめに生徒さんになられた方だ。順調にレッスンの回数をこなされていて、今日は、清少納言の『枕草子』だった。「春はあけぼの〜」から始まる最も有名な第一段と第二段を一緒に音読した。かなり音読に慣れてきていて、コツを掴むのが早いし、こちらが氣になる点をお伝えすると、「あら、そうなのね。」と素直に耳を傾けて、器用に軌道修正ができる。人間、歳を重ねるとなかなか人の言うことを聞かなくなる傾向があるが、そんなことは一切なく、いつもニコニコ笑いながら、音読を楽しんでくださる。旬子さんが清少納言の生い立ちや、当時の貴族の生活様式のことなどお伝えすると、「へぇー、そうなの。」と言って素直に驚いたり、共感したり、少女のような柔らかい感性で、受けとめてくださるので、こちらもやっていてとても氣持ちがいい。

二番目にいらっしゃった女性は、3人の息子さんを育てながら、ご主人のお仕事をサポートいるパワフルなお母さん。お部屋に入ってくると、「今日は朝からいろいろあって、もうむしゃくしゃしていて…音読して発散しようと思ってきました!」と言って、何だか大変そうなご様子。「まぁ、そうなんですね。じゃあ、声を出して吐き出しちゃいましょう。」とお伝えして、まずは彼女の胸のつかえをスッキリさせてから始めた方が良さそうだったので、朝からどんなことがあったのか、彼女のお話を旬子さんと一緒に「うんうん」と頷きながら聞いていた。どうもご主人のお仕事絡みでのトラブルで、長年やってきたお仕事の転換期が来ているそう。私たちができることは、彼女のお話に耳を傾けて、お氣持ちに寄り添うことだ。お話を伺っていて、本当に大変そうだなと思いながらも、大変なお話なのに、全く悲壮感のない彼女の表情を見て、このトラブルがきっかけで、彼女のご家族の結束が更にかたまって、いい方向へ転換していかれるのだろうなぁという期待しか感じられなかったので、率直に感じたままそうお伝えしたところ、「そうか、そうですよね。」と言って、少し落ち着かれたようだった。そんな頃合いを見計らって音読のレッスンを始める。まずは、母音・子音の発声とカタカムナの音読で、基礎の確認をする。準備体操のようなものだ。彼女の声は、勢いがあって、芯のあるしっかりした声だ。頼もしい。
そして、今日の音読は、『古事記』の冒頭の創世の神々で、「天地(アメツチ)初めて発(ヒラ)けし時〜」から始まる一節だ。全てがはじまる様子が書かれた部分で、これは後で氣づいたことなのだが…彼女とご家族が、古いものから脱皮して、これから新たな展開に向おうとしている時に、『古事記』の冒頭、天地開闢の部分を音読することになるとは、なんと絶妙なタイミングなのだろう、神様のような大きな存在が彼女のご家族を見守ってくださっていること表しているのかなぁと想像してしまった。

三番目にいらっしゃった女性は、今日が「大人のための深める音読」の第一回目のレッスンだった。コロコロと軽やかで可愛らしい声の持ち主だ。いろんなことに興味関心をお持ちで、先日の松永暢史先生の大宮での講演会にも来てくださった。講演会の質疑応答で手を挙げて質問されていたが、レッスンでも積極的にいろいろ質問をしてくださり、いろんな角度から学びが深まってゆくので面白い。近々、イギリスに引っ越す甥っ子さんに、音読がいいのではと思って、私たちが音読のテキストとして使っている松永先生の著書『未来の学力は「親子の古典音読」で決まる!』を買ってプレゼントとしたとのこと。これと思ったら、さらりと行動に移せる軽やかさがとても魅力的だ。
第一回目のレッスンでは『カタカムナ』の5首6首を音読をするが、この音とリズムが日本語の原種となることをお伝えして、毎日、カタカムナを音読すると、こんなにいいことがありますよと旬子さんと私で力説をしたところ、「わかりました。毎日、やった方が良さそうですね。」とおっしゃっていたので、きっと軽やかに実践されることだろう。次回が楽しみだ。

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