家に帰ったらまずやることは、手を丁寧に洗うこと。10本ある指を一本ずつ、水道の蛇口から細く流れる水流に晒して、「ありがとう。」と唱えながら、汚れと穢れを流してゆく。今日も一日、この両手を使って、
いろんな仕事をこなしたよ。
顔を洗った。
歯を磨いた。
メイクをした。
着替えをした。
ゴミ出しをした。
ご飯を食べた。
吊り革につかまった。
パソコンで作業をする。
人と握手した。
人に優しく触れた。
銀行で振込ができた。
お金を支払った。
封書を投函した。
スマホを使って人とやり取りできた。
手帳にいろいろ書き込んだ。
掃除をした。
髪の毛を洗った。
身体を洗った。
洗濯物を干した。
眠い目をこする。
どれも日常の何でも無いことばかり…
もし一本でも指がなかったら、
どんなに不便なことだろう。
今日も黙々と働いてくれるこの両手に
たくさん感謝する。