見出し画像

【音読サイコロ道場@西荻窪♡】

今日は西荻のV-Netで音読とサイコロ計算を子どもたち教える日。日本語音読指導者の資格を頂いてから、東京駅の体験会や西荻の音読サイコロ道場にお邪魔して指導をするようになった。指導者と言っても、まだまだ新米なので、経験を積む為にちょこちょこ顔を出してお手伝いしている。

西荻窪のV-Netは松永暢史先生のお膝元。松永先生を慕って集まった若い家庭教師の先生たちが普段子どもたちを指導をしている場所だ。

土曜日の午前中は、希望する親子や子どもたちが来て、古典音読やサイコロ計算や作文を学ぶ。9時に始まってそれぞれを30分間ずつ位やって、11時前には帰る。学年も音読のキャリアもバラバラの子どもたちが集まるので、担当の先生を決めてほぼ個人指導となる。

今日、私が担当したのは小学2年生の男子R君。彼とは初めましてだったので、最初は「誰この人?」ってな感じでキョリを置かれる。彼が教室に入って来るなり置いてある昆虫図鑑を熱心に見ていたので「わぁ、その昆虫面白いね!」と声を掛けると、キラリと目を光らせてその虫について知っていることを嬉しそうに教えてくれる。こうなれはこっちのものだ。(笑)「へぇー、そうなんだ。知らなかったなぁ。」「すごいね!」と興味津々に彼の話を聞いていると、すっかり打ち解けてくれて、キョリがぐっと縮まる。

さぁ、最初は古典音読の時間だ。彼はボロボロになったテキストの本をカバンから出してきた。お姉ちゃんと共有して使っているらしい。ってことは、彼はきっと小さい時にお姉ちゃんが音読している「音」を聴いているはずだ。
始めに一緒に、母音の「あ・い・う・え・お」の音を確認してから、「カタカムナ」の音読をする。
母音の音も出来ているし、古典音読の基本となる「カタカムナ」の音読も上手だ。こちらが口の形や声の響きを少し修正すると、すぐに反応して直せるので、やはり耳が良いのだと思う。
その後は、既にテキストをひと通り音読しているようだったので、R君の好きな作品はどれかを聴いて一緒に音読した。
古事記」「枕草子」「高砂」「古今和歌集 仮名序
と読み進めていくと…段々、椅子の上お尻が前にズレて足を投げ出して姿勢が崩れてくる、口の開け方も発声も疎かになってくる…そう、集中力の問題だ。同じ事を繰り返していると、集中力が切れて飽きてきてしまう。まぁ、これは想定内のことだ。彼も飽きてしまう自分の氣持ちと戦って、姿勢が崩れようと、口の開け方な疎かになろうと続けようとしてくれるのが分かるので、いい「音」が出るとすかさず褒めて、それ以上姿勢がそっくり返らないように手を添えて支えながら音読のサポートをしていた。

「次はサイコロに移ってください。」V-Netの原先生の掛け声がかかる。ようやくサイコロ計算の時間がやって来た!

サイコロ計算も松永先生が開発したメソッドで、二桁の数字の掛け算を暗算で出せるようにサイコロを使ってトレーニングをして「数学III」を理解出来る頭にするというものだ。これからの時代は、理系・文系に関係なく、数学IIIを理解する頭脳が必要になると言うのは松永先生の見解だ。

音読にすっかり飽きてしまったR君は待ってましたとばかり、今度はカバンからサイコロを取り出して早速振り始める。20面体のサイコロ2つと、12面体のサイコロ1つの計3つのサイコロを一緒に振って、出た目を掛け算して暗算で答えを出してゆく。

サイコロの振り方は、子どもの進捗レベルに合わせて、30面体のサイコロを使ったり、サイコロの数を2つや4つにしてみたり、掛け算ではなく足し算でやってみたら…やり方はいろいろある。

小学2年生のR君は、九九は多少分っているが、分からない段もあるようだった。それでも、空中をじっと見つめて、頭の中で、出てきた数字を上手に分解して暗算で答えを出してゆく。時々、不正解の時もあるが、やり直しを促すと、ちゃんと正解が出てくる。すごいなぁ。えらいなぁ。

そんな折、松永先生が教室に入ってきて、彼の様子を見て「すごいね〜。よくわかったね〜」と絶妙なタイミングで声を掛けた。R君はにっこりと嬉しそうに笑って、俄然やる氣になる。おぉ、さすがだ!松永マジックを目の当たりにして私もにっこり感動して笑う。すると、やおら松永先生が「270秒は何分だ?」とR君に出題する。R君は「えっと、270を60秒で割ると…」と言って考えはじめるが、ちょっと難しい様子。すると松永先生は「60と60を足すといくつだ?それにまた60を足すと?」とヒントを出してアシストする。R君はパッと表情が明るくなって「えっと、120で60を足して、180で…あっ4分30秒!」と答えが出てきた。「そうそう、よくできたね〜。」と松永先生。
こうして、R君は大満足でサイコロ計算を締めくくることが出来た!!
「R君にすごいね〜。大正解!」と私も笑顔で一緒に喜びながら、松永マジックに触れられた感動を噛み締める。

さて、お次は「ボードゲームカロムで遊ぶ。」とR君が言うので、一緒に遊ぶことにした。丸いコイン型の木の駒をおはじきのように指で弾いて遊ぶゲームだ。自分の駒を早く穴に入れた方が勝ちと言うシンプルなルールで、指を使って狙いを定めて弾くのが脳の発達にいいらしい。これも松永式の教育メソッドの一つに加えられている。

私にとっては初体験で夢中になって挑んでみたが、R君の圧勝、私の完敗だった。とほほ。そしてR君は大満足のまま、ハイタッチをして帰って行った。

朝の短い時間ではあったが、内容は盛りだくさん。新米指導者の私にとっても学びの深い、いい時間だった。松永先生の淹れて下さった美味しいコーヒーを頂きながら、埼玉で一緒に活動している旬子さんと振り返りをしてから、教室を後にした。

ランチで頂いたカンパチのかぶと煮♡お腹いっぱい!

その後は、旬子さんとランチとお茶をご一緒しながら作戦会議。音読道場さいたま支部を盛り上げるためにどうしたら良いかアイディアを出し合った。今後の展開が楽しみだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?