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【音読サイコロ道場@西荻窪5♡】

よかった、寝坊しなかった。予定通りの時間に家を出て、冷たい早朝の空氣の中、眠たい目を擦りながら西荻窪に向かう。いつものように松永暢史先生の音声を聴きながら、順調に電車を乗り継いで、V-Netに到着した。既にお母さんや子どもたちは来ていて、先生たちも集まって、いつもよりとても賑やかだった。

私が担当したのは、以前、担当したことのある小2の男の子だった。先にお姉ちゃんが道場に通っていて、その頃から一緒にくっつい来ていたようで、音読には慣れていた。テキストもお姉ちゃんのお下がりを使っている。音読はひと通りやっていると言うので、アットランダムにいろんな古典の音読を一緒にをやってみると、どのページもスラスラとかなり速いスピードで読めるから驚きだ。小さい時からお姉ちゃんにくっ付いて、側で聴いていたのだろう、音が身体の中に入っているのが分かる。凄いなぁ。どうもピアノも習っているそうで、そのせいか耳もかなり良い。こちらが少しでも間違えると、すぐに指摘が入る。「参りました。」

まぁ、そうは言っても、小2男子だから集中力は続かない。すぐにふざけて、わざと小声にしたり、いいかげんに流して済まそうとする。褒めたり、褒めたりしながら、「すごく良いから、もう一回だけやってみようか。」「うん、いいね!続けてやってみよか。」「えっ、さっき一回だけって言ったよ〜!」「あれ、そうだっけ?」と騙し騙しやろうとするが、敵もさるもの、こちらの言っている事を全てキャッチしているからそう簡単には騙されない。(笑)
そんな応酬を繰り返して、何とか30分持たせた。次は、サイコロ暗算だ。音読の後半からサイコロをやりたくてウズウズしていたので、こちらが興味付けをしなくても、さっと始められた。最初は、2つの十二面体のサイコロを転がして、九九の計算から。九九は得意でスラスラと答えが出てくる。すごい!慣れてきたら今度は、二十面体のサイコロを1つ増やして、3つのサイコロを転がして暗算する。こちらは、数字を分解したり、「あんちょこ」と照らし合わせたりしないと答えが出てこない。おもむろに紙とペンを持って来て、「さくらんぼ計算でやる」と言い出し、筆算をしようとするので、「ペンは使わないで、頭の中だけでやるよ〜。」と言って、抵抗されながらもペンを優しく取り上げる。「ほらほら、見て。この数字を分解して、こう組み合わせると九九だけで答えが出るんじゃない?」とちょっとコツを伝えると、彼はすぐに了解して、空の一点を見つめながら頭の中の計算が始まって、何とか答えを絞り出すことが出来た。「御明算!出来たね!」何回か回数を重ねてゆくと、コツを掴んで、だんだん、一人で数字を分解して答えを出せるようになる。まだ小2なのに本当にすごい!とは言え…やはり途中で集中力は切れてくる。(苦笑)「あと一回だよ。」「じゃあ、これで最後かな。」「あと3分あるよ〜。」と宥めすかして、何とかゴール。「よく出来だね!すごいよ!」と賞賛して終わる。

最後は、指で駒を弾いて自分の駒を四隅の穴に落として競う「カロム」という、これまた松永先生が知育に良いとご推奨のボートゲームの時間だ。やりたい子どもたちが残って遊ぶ。いつもは、男の子だけでやるパターンだが、今日は、新人の女の子二人が初参加となった。原先生から「初めてだから、ルールを教えてあげようか。」と男の子たちに促すと、二人の男の子たちは、張り切って説明を始める。一人の子は、ルールをとうとう語り始め、もう一人の子は、「例えばね、こんな風にやるんだよ。」とボードの上の駒を実際に動かして、弾いて見せながら説明する。その説明のやり方にもそれぞれの個性がはっきり表れていて面白かった。大人しい女の子たちは、じっと黙ったまま、男の子たちの話しに耳を傾けていた。

そして、1回戦目は男の子たちだけで、女の子は見学。2回戦目は男の子チームと女の子チームに別れて対戦となった。何回もプレイしている男の子チームの圧勝だろうと誰もが予測していたが、これが中々の接戦で、女の子たちはすぐにコツを掴んで、器用に指で弾いていた。男の子たちは、いつものようにヒートアップして、悔しがったり、喜んだり、声を上げながらやっているが、新人の女の子たちは、じっと黙ったまま、静かに集中してプレイしていて、その対比が見ていて面白かった。

結果は、男の子チームが勝って、彼らの面目を保つことができた。決まった瞬間「やった〜!」とガッツポーズで、歓声を上げていたが、新人相手にそれはあまりに大人げないと思ったのか…歓声を引っ込めて、女の子たちに向かって拍手して、「いや〜、初めてなのに上手だったよ。」と言っているの時の表情がまた何とも可愛らしかった。(笑)一方、女の子たちは、淡々とプレイして、静かに負けを受け入れていたが、きっと手応えを感じられたのだろう、楽しそうに静かに微笑んでいた。
本日も、楽しい、充実した音読サイコロ道場だった。

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