問題を抱えたクライアントとコーチングセッションする時によく使われのが「視点』を変えて「俯瞰」する方法だ。私たちは悩みがあるとそこばかり意識が集まって、視野が極端に狭くなってしまう。悩みばかりが大きく拡大され、無力で小さな自分は手も足も出ない状態。ますます闇の中へハマってしまう…。

そんな時は、想像力を使って「視点」を変えてみる。自分を「俯瞰」できるポイントを探して、今の状況を改めて眺めてみると、本来のパワー取り戻し、自ら解決方法を見つけることが出来るのだから面白い。

「視点」は無数にある。例えば、悩みの種である相手の視点や、アリの視点、象の視点、イルカの視点、鳥の視点、神様の視点…などなど。
「視点」を変えることで、悩みでいっぱいだった頭の中やハートの中にスペースが出来て、見えなかったものが見え、氣づけなかったことに氣づけるようになる。

若いOL時代のことだが、当時はキャリア志向で男性社員に負けじとバリバリと働いていた。(懐かしいなぁ…遠い目)

毎日毎日、時間に追われ、残業の嵐で、それはもうストレスフルな生活だった。体力には自信があったので何とかこなしていたが、メンタルはかなり緊張していて、ギスギス、ガサガサだったと思う。(苦笑)

そんな時に出会ったのが、スキューバーダイビングだった。泳ぎが不得意な私は元々海には全く興味がなかったが、友人に誘われてなんとなく始めたのだった。でも、そのお陰で人生観が変わり、ギスギス、ガサガサの私は生き返ることができたのだ。

海の中は別世界だった。地球の7割を占める海は広くて深い。体長が7、8メーターもある巨大なクジラが群れをなして回遊しても他の群れと遭遇することは滅多にないほどだだっ広い！

機材を背負って海の中に潜ると…様々な生き物たちが上手に棲み分けをしている美しい世界が広がる。イソギンチャクと共生するクマノミや、枝珊瑚を住処とする小指の先ほど小さな魚のように一生をそこで過ごして終わるものもいれば、クジラや磯マグロのように世界中の海を移動して回遊するものもいる。同じ生き物なのにスケールがいろいろ違い過ぎて、私の世界観の枠がぐいっと広がっていくのを感じた。陸地とは全く違う広大な海の中の世界に触れていると、普段自分が抱えている悩みなんて、本当にちっぽけに思えてくるし、私たち人間もこの大いなる自然の一部でしかないのだなぁと謙虚な氣持ちにならざるを得ない。
はい、もうそんなことで悩みません。ごめんなさいと言った感覚になったのを思い出す。

将来、私たちが「宇宙」に行けるようになって、外側から美しい地球を眺められたら、また世界観が変わってくるだろう。

最近、仕事でイラッとくることがあったので、ちょっと「視点」を変えてみようと思う。
きっと感謝が足りていないんだよなと反省。