シリーズ初見のピクミン4感想:ダンドリという楽しさ
そもそもピクミンって?
めちゃくちゃ簡単に説明すると、主人公がピクミンと救助犬のオッチンの力を借りながら惑星を探索するゲーム。
1.ダンドリを考えてピクミンたちに指示を出すのが楽しい
ピクミンは一匹一匹は弱いが、数が増えると力を合わせて重いものを運んだり、敵を倒したりすることができるようになる。ピクミンにもさまざまな種類があって、火に強い赤ピクミンや、水中作業の行える青ピクミンなどそれぞれが得意なこと・苦手なことを持っている。前作までは人間とピクミンのみの旅だったが、今作は犬のオッチンも仲間に加わった。オッチンはピクミンよりも力が強く体力も多い。探索の中では、特定のピクミンにしか行えない作業やピクミンよりオッチンにやらせた方がいい作業(逆も然り)などがあり、それぞれの適正に合わせて仕事をリアルタイムで割り振っていく面白さがこのゲームにはある。
夜は敵が凶暴化するため、主人公たちが主に惑星の探索を行えるのは日中の限られた時間しかない。そのため、NPCからはしきりに「ダンドリ」ある行動を勧められる。ピクミン初代などでは探索をできる日数に制限があったために、いかに効率よく1日を過ごせるかが重要だったが、ピクミン4ではそういった日数の制限はない。~日までに~をしなければならないというような緊張感は正直無いが、1日の最後にその日達成したことをリザルトとして確認できるので、段取り良くプレイできた時の達成感は十分に味わうことはできるように思う。私自身が常に効率良くキャラを動かしていたい人間なので、このダンドリを意識するとという遊びと私自身が相性が良くて楽しめた。先述したそれぞれの仲間たちの適正に合わせて仕事を割り振ることができると、とんでもないスピードで探索が進んでいくようになっているので、「うまくピクミンたちをマネジメントする遊び」はこのゲームの大きな魅力だ。
普段の探索では時間制限による緊張感はそこまでないが、洞窟内に存在する「ダンドリチャレンジ」では時間に追われるタイトなゲームを味わうことができる。ダンドリチャレンジは時間内に箱庭の中に配置された宝物や敵の死骸をどれだけ拠点に運び込めるかというクエスト。運び込むことのできた量に応じてランクが付くのだが、ステージによっては実はクリアするだけでも結構難しいものもある。ただピクミンにものを運ばせるだけの作業ではなく、「どういった順路で運ばせるのが一番タイム的にいいのか」「どの種類のピクミンにその作業(戦闘)をさせるのが効率的なのか」など後々の展開を考えてピクミンたちに作業をさせないと、高ランクを取るのが難しいようにできている。この自分がどれだけダンドリよくピクミンたちを動かせていたかがランクによって可視化されるのが、普段の探索とは緊張感があって面白い。
逆に取得できた宝物の数をリアルタイムでNPCと競う「ダンドリバトル」はあまり楽しめなかった。というのも敵の視点も見えるようにプレイ画面がに分割されるのだが、普通にそれが画面を見づらくさせていてストレスを感じてしまった。ルール自体はとても面白いし、今までなかったような対戦ゲームになりそうなので、オンライン対戦さえあれば…という感じなのだが、どうやらオンラインは未対応らしい。
2.適度すぎる難易度
主人公は意外と硬く、敵の攻撃で死ぬことはまあない(オッチンもそんなに死ぬことはない)。が、一方でピクミンは指示をミスるとどんどん死んでいく。しかもこのゲームの嫌らしいところが、ピクミンの死の瞬間をしっかり描いてしまうところだ。普段は可愛らしいピクミンが、死ぬ瞬間は「キャー」と断末魔を上げながら敵に飲み込まれていく。プレイヤー側はピクミンを死なせてしまうとちゃんと嫌な気分になるようにできていて、”ピクミンは可能な限り死なせないようにしよう”という意識にさせてくるのがこのゲームのすごいところだ。そういった”ピクミンが可哀想だから死なせないようにしよう”みたいな感情論は置いておいても、増やせるとはいえ死んだピクミンを元の数に戻すのは結構面倒だし、ピクミンというリソースが削られる面でも、やはり犠牲は少なく動いた方が良い。
難易度に関しては割と序盤から、指示をがっつりミスるとピクミンが10匹単位で死んでいくくらいなので、ゲームが得意な人もしっかり楽しめる難しさだ。特に後半のステージでは”普通に連れているピクミンが全滅しうる初見殺し”や”一口で平気で数10匹ピクミンを殺す敵が、3体同時に出てくる部屋”など、ちゃんと工夫して戦わないと壊滅的な犠牲の出るギミックがたくさんある。子供でも楽しめる操作や仕様のわかりやすさが売りではあるものの、一方でゲーム好きな人も楽しめるゲーム性を作ることができるという、いかにも任天堂らしさの詰まった難易度であるように感じた。
探索に関して、フィールド上では遭難者を探すことや、配置されたお宝を探していくことがメインミッションになるのだが、こういった探索で詰まることがあまりないようにこのゲームは作られている。というのも、遭難者の位置やその他コレクト要素は全てオッチンがダウジングしてくれるようになっているのだ。本当にこれが親切で、前述したオッチンの持つ能力をちゃんと使えば”どこにお宝があるのかわからなくてコンプリートできない”みたいなことは基本起こらないようになっている。探索が苦手な人は基本的におっちんに丸投げしてしまえば物語は進んでいくし、好きな人にとってもストレスなく探索が進められて正直助かる。5月に出たゼルダ新作よりも探索に関してはヒントを親切に出してくれるので、ぶっちゃけこっちの方が楽しいと思う人もいると思う(これはゼルダネガキャンとかではなく、私自身がゼルダシリーズがめちゃくちゃ好きなので出た感想です)。コンプリートまでの総プレイ時間は40時間程度で、この手の大型タイトルにしてはちょうど良い分量だった。
3.余談:人はここまで非情になれるのか
ここからは余談なのだが、ゲーム前半に比べるとゲーム後半の方が敵も強く、もちろんそれに従ってピクミンの犠牲も増えてくる。物語の初めの方はピクミンを一匹でも死なせてしまうと、普通にめちゃくちゃ悲しい。ただ、後半になってピクミンの犠牲が増え、ある程度の犠牲が出ることが当たり前になってくるとだんだん、
「今回の犠牲は何匹で済んだ」「前に比べるとマシだな」とピクミン1匹1匹の死に対するリアクションが自分の中で小さくなっていくのを感じる。
さらにそれがエスカレートしていくと「犠牲は出たけど、死ぬのが赤ピクミンでよかった」「紫は強いから、たくさん死んだのが痛いな..」というふうに、自分の中で命に順列をつけ始めるのである。
こういった「プレイ時間を重ねると、ピクミンの犠牲に対して何も思わなくなる」みたいな指摘は結構されている。別に開発の人たちもこれを狙ったわけではないんだろうけど、こう、人間の”慣れ”という感情の恐ろしい部分に気づかせてくれるのも、このゲームのすごいところなのかもしれない。
まとめ
そんなこんなでピクミンシリーズ初見が、4の感想を語っていった。
まとめると
・難しさと親切さの絶妙なバランス
・ピクミンに采配をしていく楽しさは健在
・”慣れ”の恐ろしさに気づける
というのが主な感想。10000円で任天堂ソフトがなんでも2本買えるカタチケの対象内なので、マリオ買うついでにでも買ってみてね。
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