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TikTokの動画が400万再生を突破したので、考察を書いてみた

昨年末に匿名アカでTikTokの配信を始めて、3本目にUPした動画の再生数が3週間で400万(2019年1月19日時点)まで伸び、厳選クリエイター(TikTok認定のクリエイターとして選出されるもので、おすすめに載りやすくなるなどのメリットがある)にも選出いただいた。友人に「おすすめのトップページに出てるよ!」と連絡を受けたので、どうやら年末年始あたりでおすすめタイムラインのトップに出ていたらしい。元々は会社の忘年会企画の1つで始めたTikTokだが、世界一のユニコーンが手掛けるSNSをマーケターという立場で使っていないことがまず恥だと思い、真剣に動画を作り込んでみた。

本記事では、実際にTikTokをクリエイター側で使ってみて、有難くも多くの方に視聴いただく中で感じた、TikTokが他のSNSと一線を画する理由を書いてみた。

◎目次
・一夜にして誰もがインフルエンサーになる可能性を秘めている
・企業はリード獲得チャネルとして活かせる余地が大きい
・今後のクリエイターサイドへのマネタイズに期待

一夜にして誰もがインフルエンサーになる可能性を秘めている

TikTokにはとても夢があると感じた。自分のようなただの一般人でさえ、1つの動画がおすすめに掲載されれば1週間で1万人のファン(フォロワー)がつくのだ。これは他のSNSではまず有り得ない。

なぜそんなエコシステムが成立するのか。

それは、誰のどんな動画であっても最低限数百の視聴が保証されているからだ。これはTikTokの革命的なアルゴリズムの1つで、たとえアカウントを作ったばかりの人であっても、動画をUPすればコンテンツの質に限らず、200前後の再生数が稼げるようになっている(あくまで経験に基づいた推測)。これがTikTokですぐにインフルエンス力を獲得できる最大の所以。TwitterやFacebook、YouTubeであれば自分をフォローしてくれている人がいなければ、コンテンツを見てもらう機会はない。すでに影響力を持っている人ほどフォロワーを伸ばしやすく、そうでない人ほど難しい構図になっている。つまり、ゼロから成り上がるためには膨大な時間と努力を要するのだ。ところが、TikTokであれば1万人のフォロワーを数ヶ月で獲得することもできてしまう。

クリエイター全員の動画にPV保証を提供できるのは、1ユーザーあたりが消費できるコンテンツ量が多いからだろう。YouTubeのような1本あたり10~20分もある動画だとちょっとした時間でも数本しか見れないが、TikTokは15秒動画という性質上、5分暇な時間があれば、20本の動画を視聴することができる。さらにTwitterやFacebookのようなテキスト中心のSNSに比べて、コンテンツを消費するのに使う体力が圧倒的に少ない。アプリ分析を行うApp Apeによると、1日あたりのアプリ起動回数がTwitterは15.5回なのに対し、TikTokは43.4回とコンテンツ消費へのハードルの低さが伺える。

企業はリード獲得チャネルとして活かせる余地は大きい

普段はマーケティングの仕事をしているので、クリエイター/ユーザー両方の体験を通じながら、企業のマーケティング活動にTikTokをどう活かせるだろうか、という視点を持ちながら使っている。上記で書いた通り、他のSNSに比べてファンを著しく集めやすいため、企業アカウントとして広告費を使わない形で運営するのであれば、挑戦すべきチャネルであると感じる。10代の利用者が圧倒的なので、そこをターゲットとした商品を提供している企業に限るがジャンルとしては、食/美容/小売/ゲームなどは相性が良さそうだ。

TikTokから別のSNSに流すことができる点でも有益なチャネルだ。TikTokではアカウントにTwitter、Instagram、YouTubeのアカウントを紐づけることができ、ユーザーのマイページから直接遷移することができる。もし、Twitterのフォロワー数をKPIとして持っているSNS運用担当者がいるのであれば、TikTokから経由で伸ばすことを考えてもいいだろう。私の友人はTikTokからYouTubeにユーザーを横流しすることで、YouTubeのチャンネル登録者数を爆発的に増やし、広告収益をあげていたりする。

何れにしても、短期間かつ無料で万単位のユーザーにリーチできるチャネルはそうそうないので、これからTikTokを使う企業は増えてくるのではないかと考えている。

今後のクリエイターサイドへのマネタイズに期待

現在、TikTok内でマネタイズをすることはできない。マネタイズをするなら、企業とのタイアップの声を待つか、YouTubeなど別のプラットフォームに流して広告収益を得ることになる。つまるところ既に影響力を持っているか、TikTok内でもトップレベルに影響力を持っている人しかマネタイズが難しい。今後TikTokがクリエイターの数を増やし、コミュニティを拡大させるなら、中堅TikTokerクラスにもモチベーション高く発信を続けてもらう仕組みが必要だ。趣味だけで投稿を継続できる人はほとんどいないだろうから、彼らでも収益をあげられる仕組みが必要ではないかと考えている。収益化の仕組みがあれば、結果としてコンテンツの質も上がっていくはず。

とは言ってみたものの、TikTokは素人が簡単に動画をUPできることが特徴でもあるため、ファン獲得を狙っておすすめタイムラインが作り込まれた動画ばかりになってしまうと元も子もないので、今後の動向には注目していきたい。ただ、いちクリエイターからするとマネタイズできる仕組みがあると継続するモチベーションも湧いてくるので有難いなぁと思ったりはしている(笑)

ではでは。


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