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『図解入門業界研究 最新AI産業の動向とカラクリがよ~くわかる本 』より 第3回 ~AI企業から求められる資質とスキル~

AI産業の基本的な知識から最先端の技術トピック、幅広い疑問や課題、国内外のAIサービスや企業まで、図や表を交えてわかりやすく解説した業界研究書『図解入門業界研究 最新AI産業の動向とカラクリがよ~くわかる本』から書籍内容を抜粋してご紹介。第3回は第6章「AI産業で働きたい人のためのガイド」から「AI企業から求められる資質とスキル」です。


6-2 AI企業から求められる資質とスキル

専門的な知識とスキル、人間的資質を兼ね備えた人材は、企業の持続可能な成長と社会への貢献に不可欠です。AIの無限の可能性を引き出す新たな価値を創造する力となります。

■AI企業から求められる資質とスキル

 人工知能(AI)は、今日の社会において急速に進化し広がりを見せており、多くの産業でAI技術の導入と活用が進められています。この背景を踏まえて、AI企業に求められる資質とスキルについて開発・運用と活用を担う人材の両面から詳細に探求し、AI時代の人材育成の重要性と方向性について考察します。

●開発・運用を担う人材の資質とスキル

 基本的な知識とスキルとしては、機械学習、ディープラーニング、自然言語処理、知能ロボティクスなどのAI関連技術の理解と、プログラミング言語Python、C++、Java に精通していること、データの分析や処理能力が求められます。これらのスキルはAIアルゴリズムを開発し、適切に運用する基盤となります。専門的な知識とスキルとしては、実世界の問題を解決するアイデアを形にするためのプロジェクトマネージメントやチームワークなども重視されます。これらの知識とスキルは、AI企業が競争力を保ちながら革新的な解決策を提供するための鍵となります。

●活用を担う人材の資質とスキル

 基本的な知識とスキルとしては、現場のデータを理解し、基本的なデータサイエンスとプログラミングの知識、そしてAIの使いどころを見極めるリテラシーが求められます。これらは、AI技術を効果的に活用し、ビジネスやプロジェクトにおいて価値を生み出す能力を支えるものです。専門的な知識とスキルとしては、現行業務の整理やアイデア出し、ビジネス知識、コンピュータ・サイエンス、データベース、ネットワークなどの技術知識が求められます。

Column
AI企業に適した資質 社会人に共通する人間的資質は、信頼性や責任感、コミュニケーション能力などである。これらの資質はAI企業にも求められる。AI企業は信頼性のある情報を提供し、責任を持ってタスクを遂行し、人と の円滑なコミュニケーションを図る必要がある。

■人間的資質と教育

 論理的思考能力、好奇心、学習意欲、自主性、チャレンジ精神、そしてコミュニケーション能力や対人関係能力などの人間的資質は開発者と利活用者双方に求められ、AI技術の倫理的な運用と持続可能な発展を支えます。また、多様な背景を持つチームメンバーやステークホルダーと効果的に協力し、複雑で変化する状況下でも適切な判断と行動を取ることができる能力を必要とします。
 日本政府は年間25万人のAI人材を育成する目標を掲げており、大学、企業、教育機関ではAIの基本教育を提供し、社会人向けの専門課程も設置しています。これらの教育と育成の取り組みは、AI技術を理解し活用できる人材を育て、企業や社会におけるAI技術の効果的な利用と発展を促進する基盤を築いています。AI技術には、企業競争力の源泉として、また社会問題の解決に向けて大きな期待が寄せられています。多様な知識とスキルを持った人材は、企業の持続可能な成長と社会への貢献のために不可欠であり、AIの持つ無限の可能性を引き出し、新たな価値を創造する力となります。

Column
論理的思考能力の取得 論理的思考能力を身に着けるためには、問題解決や推論のスキルを鍛えることが重要である。論理的な構造を理解し、情報を整理し、因果関係を分析することが必要となる。論理パズルやディベートなどの活動に参加することも有効である。

書籍目次

第1章 AI産業概況
 1-1 AI産業の定義と分類
 1-2 AI市場の規模と成長率
 1-3 AI産業の主要プレイヤー
 1-4 AI産業の国別分布
 1-5 AI産業の発展の歴史とマイルストーン
 1-6 AIの主要な技術とその進化
 1-7 AIと他のテクノロジー産業との関係
 1-8 国内外のAI産業の最新動向と市場規模
 1-9 AI産業の規制と政策
 1-10 AI産業の社会的・倫理的影響
 1-11 AI産業の労働市場とスキル要求
 1-12 AI産業の未来予測と挑戦
 1-13 AI産業における課題とは
 1-14 AI産業の今後の展望
 1-15 AI技術の最新トレンド
 1-16 AI関連の著作権と法的な問題・課題
 コラム AI産業の把握に重要な統計とデータソース

第2章 主なAI技術とその応用
 2-1 機械学習
 2-2 ディープラーニング
 2-3 自然言語処理
 2-4 ロボット工学
 2-5 ビッグデータ
 2-6 ニューラルネットワーク
 2-7 強化学習
 2-8 画像認識
 2-9 音声認識
 2-10 AIハードウェア機器の製造業
 コラム AIと教育

第3章 ジェネレーティブAI
 3-1 Stable Diffusion XL・Midjourney
 3-2 DALL・E3
 3-3 ChatGPT
 3-4 Bing
 3-5 Bard
 3-6 Claude2
 3-7 Llama2
 3-8 Voicebox
 3-9 AudioPaLM
 3-10 IBM Watson Text to Speech
 3-11 Narakeet
 3-12 MusicGen
 コラム AI進化の未来展望

第4章 AIを用いているサービス
 4-1 カカクコム 食べログ
 4-2 国立がん研究センター・NEC 内視鏡AI診断支援
 4-3 清水建設 自律型溶接ロボット Robo-Welder
 4-4 ユーザーローカルAIライター・ドキュメントチャットボット
 4-5 NTT東日本・アースアイズ AIガードマン
 4-6 デンソー 農業用自動収穫機
 コラム スタートアップと大企業のAI戦略

第5章 AI産業の職種
 5-1 データサイエンティスト
 5-2 マシンラーニングエンジニア
 5-3 データエンジニア
 5-4 ソフトウェアエンジニア
 5-5 AIエンジニア
 5-6 ロボティクスエンジニア
 5-7 プロンプトエンジニア
 5-8 AIプログラマー
 コラム AIが普及する未来

第6章 AI産業で働きたい人のためのガイド
 6-1 AI産業への就職・転職ガイド
 6-2 AI企業から求められる資質とスキル
 6-3 AI産業でのキャリアパス
 6-4 AI産業で成功するためのアドバイス
 コラム AI工場という製造業

第7章 国内外のAI企業
 7-1 Google(グーグル)
 7-2 Meta(メタ)
 7-3 Amazon(アマゾン)
 7-4 Apple(アップル)
 7-5 Microsoft(マイクロソフト)
 7-6 IBM
 7-7 OpenAI
 7-8 Tencent(テンセント)
 7-9 Alibaba(アリババ)
 7-10 百度(バイドゥ)
 7-11 フィーチャ
 7-12 ニューラルグループ
 7-13 ユーザーローカル
 7-14 Appier Group
 7-15 PKSHA Technology
 7-16 Preferred Networks
 7-17 ブレインパッド
 7-18 HEROZ
 7-19 アマナイメージズ
 7-20 FRONTEO
 7-21 ダブルスタンダード
 コラム AI産業のイノベーションと競争

第8章 AI産業に関連する産業とその影響
 8-1 AIが変える他の産業
 8-2 AI技術の他産業への応用事例
 8-3 AIが生み出す新たな産業と職種
 コラム AIとジョブマーケットの未来像

第9章 未来社会のビジョン・テクノロジーと人間の共生
 9-1 超スマート社会の概念と目指す未来
 9-2 AIとビッグデータによる社会課題解決
 9-3 サイバー空間と物理空間の融合
 9-4 人間中心社会とニーズへの対応
 9-5 新たなビジネスモデルと雇用
 9-6 環境と経済のバランス
 コラム 日本の向かう未来ビジョン

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