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無知故に毒を喰らって死に掛ける

先日業務スーパーに買い物に行った際、
カニとホタテが安く売ってあったので買いました。
今日の夜はパーティーだなぁ!なんて気持ちです。

カニはボイルされているようでしたが、念のため熱湯をかけておきました。
ホタテは貝殻の表面を洗って開き、火にかけて、バター醤油で味付けしました。
そして、ビールをワイングラスなんかに注いじゃって、テンションを昂らせます。

原初の飯だ!なんて訳のわからないことをいいながら、下品に、乱雑に、素手で蟹を解体し、しゃぶりつきました。
香ばしい匂いを発するホタテバター醤油には、箸を伸ばし、口に入れた瞬間、ジャリジャリとした食感が口中に広がります。

貝って砂抜きしなあかんやん。

火を通せばなんとかなるだろうと思っているバカタレは下処理を失念しておりました。
バカタレな僕は(まぁでも食べれるか…美味いし)なんて思いながら全部食べました。

一緒に食べていた妻は食べたくないから、食べるんやったら食べてと僕にホタテをくれました。
そして、不安を感じた妻はスマホで何かを調べている様子。
そんなことは意に介さず、ホタテに箸を伸ばしたところ、「黒いとこは食べん方がいいらしい。」と聞こえてきました。
端に黒くなった部分を見つけましたが、調理過程に潰れて広がっている様子でした。
なんとなく避けとけば大丈夫だろ。と思った僕は、なんとなく避けて食べました。

しばらくして、お酒を飲んでいたこともあり、トイレに行きたくなり、離席ついでにスマホで黒い部分について調べました。

ホタテの貝毒1
というページが目につき、リンクを踏みました。
黒い部分はウロと言い、ホタテが摂取した有毒プランクトンが産生する毒を、得意的に蓄積しておくところのようです。
毒には麻痺性の毒と、下痢性の毒があり、
麻痺性の毒を持っていた場合、舌が痺れてきて、それが全身に広がっていき、12時間以内に死亡する場合もあるとのことでした。

そんなつもりはありません。
下痢になったり、あたることはあっても、
その辺に売っているものに、死ぬ可能性のある毒なんて含まれているわけがない。
そんな甘さ故の状況でした。
下処理なんて、美味しく食べるためにあるもので、しなくても食べれはするだろう。
そんな浅はかさ故の結果でした。

調べたことを妻に伝えると、頭を抱える妻。
その楽観さはいつか何かやらかすと思ってたと。
とりあえず吐いてこい。と言われ、吐きました。
その間妻が、中毒110番というものがあることを調べてくれ、トイレから出た僕はそこに電話をかけました。

こんなバカタレのために、
ホタテの貝毒について調べてくれ、その症状の有無を確認していただきました。
ホタテ自体に毒があるわけではなく、食べたプランクトンによる毒であるため、そのホタテがどんな有毒プランクトンを、どのくらい食べたかによって、毒の有無や種類、強弱も変わってくるとのことでした。
症状も舌が痺れているような気がしましたが、緊張や吐いたことによるものな気もしましたし、他に該当する症状がなかったことから、緊急の病院を紹介いただきつつ、様子を見ることにしました。

そして現在、摂取から12時間以上が経ち、死の危険性はないようです。

毒なんて食べるわけないと思ってました。
毒なんて漫画やゲームの世界のもので、現実にあるものは遠ざけられているし、手に入らないと思っていました。
でも、実際には身近に存在するし、手に取れるし、知らずに摂取してしまうこともあるんですね。

自分の無知さを恥じました。

もしも麻痺性の毒を持つプランクトンを多量に摂取しているホタテであれば、
もしも不安を感じてくれる妻が隣にいなければ、
死んでいた可能性もあったのでしょう。

知らないことを楽観的に考えず、
しっかりと調べ、適切な対応を行うこと。
無知故に命を落としてしまうなんてことがないよう
胸に刻みたいと思います。

それでは、失礼致しました。

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