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第11回 私のHow to おもしろい    ~11話 少年④~

 マンガにおける「おもしろい」とはなにか?マンガ制作を通して学んだマンガを面白くする方法を考えていきましょう!

 このレポートは『雨の犯行 11話 少年④』に関する制作レポートです。レポートを読む前に投稿した作品に目を通していただくと、より今回のレポートが分りやすくなると思います。

~11話 少年④ 目次~

①アクション 全体と一部

②コマ割り 彼に何が起きたのか

③群像劇 集合地点・出発地点

④おわりに


①アクション 全体と一部

 11話では今まであまり描いてこなかったアクションシーンがちょこちょこ入っています。アクションシーンはよく少年漫画などで使用されます。読者の時はサラサラと読んでいましたが実際に描く側になった時、その難しさに困りました。

 11話のネームもゼミでのディスカッションで意見をいただいたのですが、それとは別に自分が参考にした方法があります。それはアクションシーンを描く基礎としてこの原稿にも使わせてもらいました。

それは『全体を見せてから、アクションの部分を描く』ということです。何かしらの動きを見せる前に、読者に全体像を見せキャラ同士の立ち位置をしっかり理解してもらってからキャラの動きを見せるやり方です。


 「雨の犯行」では私の技術不足なこともあり、激しい殴り合いなどのド派手なアクションシーンは描いてませんが、複数の人物がぶつかり合うなど激しいアクションシーンを描く際には何が起きているかしっかり理解してもらうために必要不可欠な技術だと思いました。


②コマ割り 彼に何が起きたのか

 11話最後に主人公の手を止めた車の光、作中ではこの光を2コマ使って現しています。

 この②は、ネーム第一校では描いてなかったコマで、ゼミでのディスカッションの際に「何が起こったのかもっと分かりやすくした方がいい」という意見があったので加えたコマでした。①で光が差し込んできて(状況)、②で光源が分かる(原因)。二コマにすることにより、キャラに何が起きたのか状況が分かりやすくなったと思います。先程の①アクションと似た方法だったので一緒にまとめてレポートにしてみました。


③群像劇 集合地点・出発地点

 群像劇とはそれぞれの物語を持った複数の登場人物からなるストーリー構成の方法です。雨の犯行の元ネタとなった作品が群像劇であったためか自然とこの物語も群像劇になりました。そして群像劇の流れを考えていた時からずっとやりたかった登場人物の集合、ついにそれがこの話数で達成できて感無量でした。

 そしてここからが一番大事だと思ってます。個々のストーリーをもったキャラがそれぞれ影響を与えて物語を進めていく「このキャラ、いなくてよかったじゃん」なんてことにならないように、この三人だからこの結果が生まれたと思わせるような物語を描く必要があります。この最後のページは雨の犯行でやりたかったことの大きな一つであり、これからの大きな課題の出発地点でもありました。


④おわりに

 このレポートは雨の犯行を全て描き終えたあとに制作しました。一年以上前のゼミでのディスカッションまとめをみてると懐かしくて涙腺にきます…笑

 雨の犯行は全部で5編、1少年編、2少女編、3母親編、4第三者編、そして、5おわりの話編、11話から5編だったので最後に向けてやる気がみなぎっていたのを今でも覚えてます。レポートもあと2つで、それを書き終えたら雨の犯行は本当の終わりになります。

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