100均のすすめ(ボードゲーム製作)

この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2014(http://www.adventar.org/calendars/447) の第2日目の記事として書かれました。

こんにちは倦怠期というサークルでアナログゲームを作っているタイシンです。唐突ですが

さて、ボードゲーム製作で大事なのは何でしょうか?

いきなりですが、こう聞かれてあげるものは人それぞれであるとは思います。僕は試作品を手軽に作れ、試せることというのが一つあると思います。

ただ、試作品は意外と問題があります。と言うのは・・・

高い材料で作ってしまうとそのゲームアイディアがダメなものであっても、ついついこれだけの材料費をかけたから、なんとしても完成させねばとそこにとらわれてしまうことが多く…よくありません。安価であれば、試作品をすて次の作品に取り掛かる、切り替えることも難なく出来るでしょう。またさっと試作品を検証中にカードや駒を入れ替えられないのもよくありません。こだわりすぎたコンポーネントや、印刷してしまったカードなどは入れ替えにくく、また調整の体力なども考えつい言い訳をして、この調整でいいのだと言ってしまいがちです。当然ながらゲームの出来はこれでよかったのかという話になってしまいます。

ここまでいったとおり試作品とはそもそもちゃんと、捨てたり、足したりしてゲームの完成度を高めていくべきものです。したがって試作品は安価で調整のしやすく物量の多いモノを使いましょう。

つまり試作製作に・・・便利なのは100円均一ですね(笑)

試作品、製品を作る上で製作者に欠かせない存在は百均である!これ名言!というほど最近は100均パワーには正直頼っています。

ヒドイ時は1回の滞在時間が2時間超えるほどです(笑)。

そんな普段100均ヘビーユーザーの私が100均のことを今回は書こうと思います。ゲームデザインとしてはかなりかなり薄めの内容です。また試作品にはこれとこれを使って作れみたいなのを書くわけではないのであしからず。試作品はゲームに寄って違いますし。ここまでかきましたが、試作品を作る際には100均の商品ぐらいがいいよという話で、序文は終わりです。ここからはただの100均のことについて二点短く書いています。(着想とか製作、デザインに役立ってますよという話ではありますが)一番何が的確かというとコンポーネント物色話ですね。モノから入るゲームデザインという点では大事だと思います。

100均について(コンポーネント物色話)

①まず最大の魅力は価格、在庫。

まずなんといってもどれをかっても100円!これは100均が登場した際にちょっとしたブームを起こしたほどにわかりやすく、お手軽な値段設定です。それと意外かも知れませんが、かなり在庫があり、7日前後程度で特別注文でまとまった数が確保できるのです!(当たり前かもしれませんが、特殊なものの大量発注では物が無かったり、時間がかかりすぎたりというのが多いものなのです。)当然、値段、物量の予定が他の商店にくらべて立てやすい!

また、デザインに対してデザイナーが無意識にかけている制限のようなものを実際のものと価格で取っ払うことができるかもしれません。材料が高価すぎ、アイディアがいいんだけどとてもじゃないが、コンポーネントが確保できないなあと思っている時は百均に行くと問題が解決することは往々にしてあります。

実例を上げると例えば、こむぎ粘土!

以前、貧乏陶芸家という粘土の重量を貨幣として遊ぶ競りゲームを作っていたのですが、肝心の粘土の確保には相当に手間取っていたことがあります。

実は画材屋さんに相談したりしていたのですが、粘土は製造の実態と在庫数が謎が多く(どこがどのくらい作っていてどのくらい在庫を持っているか絶版など)、しかも価格が高いというので確保に悩んでいました。が、100均では在庫、発注なども簡単に出来ました!(店舗数が多くオリジナル商品が多いというのもおそらく影響しているのでしょう)

特に100均で揃えるのが吉なものは、ねんど、じしゃく、つみき、砂時計、少量であるならサイコロ!

価格的にも在庫的にも上述のアイテムは百均が得意とするところであります。画材屋さんやホームセンターとくらべて一部の商品では百円均一のほうが強いということがありますので必ず比べてみましょう。

②いろんな商品、いろんな店舗

いまはわかりませんが、一時期百均は新しい商品を試し売りする場として利用されてたようです。いまではありふれたヒット商品であるシャーボ(シャーペンとボールペンが一体となった文具)などはそうで、出始めは百円でかえたものです。むしろその時の感覚で自分はシャーボをものすごく高く感じてしまいます。ちょっとしたアイディア商品が多いのも百均の特徴です。

反対に古い商品などが行き着く場合もあります。最近ですと、ゴキブリキッチンに使われていた電池で動くゴキブリの玩具などが売っていました。普通の価格よりも断然オトクな場合が多いです。しかしこういう系統の商品の場合は一度に大量に買わないとなくなってしまう危険があることに注意しましょう。

百均は珍しいアイディア商品などが売れずに最終的に行き着いたり、出始めで人気のない商品があったりなどまだ見ぬものが売っている場ではあります。そうしたものに触れることによっていままでにないゲームアイディアを思いつくいわゆるモノ先行型の製作もしやすいのではないでしょうか。(変な形の洗濯バサミ、色が水に触れると変わるペン、特殊形の木のボタン、つながる筒状の玩具などなどが前にみた面白いものでしょうか。気になったら探してみてください)

このコンポーネントだからこそできるゲームというのはそれだけで、かなりのビジュアル的破壊力と遊んだ感動につながるものでもあります。もちろんゲームの内容に新たな面白さがなければ長く遊ばれるものにはなりませんが、逆に考えれば、ビジュアル的にインパクトが有り、ゲームシステム(内容)も面白ければ死角はほぼないのではないのでしょうか。最近で言うとカワサキファクトリーさんの「ギシンアンキノトウ」などがそんな感じでしょうか。(注意:このゲームが100均を利用して作られているわけではありませんが!)非常に存在感のある独特のキューブのような駒(トウ)がゲームの成立や完成度に貢献しています。そんな魅力のあるゲームの着想を得やすいいわゆるアイディア商品が転がっている可能性が高いのも百均の魅力ではないでしょうか。ギミックのあるゲームデザインを実現するためにはかなりの強みを着相段階、試作段階、実現段階の三段階で発揮すると思います。

また最近ですと、品物の多さはダイソー、キャンドゥ。オシャレな木の小物などはSERIA、ビジネス用品、文房具などはダイソービズ、こだわりの北欧系の小物が多い「タイガー」など店舗数の多さのため、それぞれの100均が商品の色や店の形態に独自色を打ち出しているものなどが多く、その商品数は増える一方です。(SERIAはハマる!)最近はやはり木の小物が狙い目です。ドイツゲームとの相性は抜群。タイガーコペンハーゲーンはとても流行っているようで、開店する度に整理券の必要な店舗が出るほどなようです。

今いった店舗ごとの特徴があるためか、狙って材料を探しに行くこともできます。

特に珍しいものがほしい時は個人商店型の百均のほうがいわゆる出物に出会う可能性は高いので要チェックです。

またなるべく大きい店舗に行きましょう。100均にいくのに5、6駅の電車を使うことを恐れてはいけません。小さい店舗とは比べ物にならない発見があります。ボードゲーム製作者が求めている商品は確実に大きい店舗の方があるでしょう!

あとはいざ購入物の封を開ける前に、気に入った商品があったら必ず、商品名と製造元をメモor写真に!。検索をかけるとさらに似た系統のよりよい商品が見つかることが多いです。例えば木製品を作っているところは木製品のラインナップが多いです。


最後に

よくよく見ると意外とアイディア商品が多く、安定した在庫もあり、試作品をぱっと作れ、また捨てる際にも余りダメージなくすぐ捨てられ、次の製作に切り替えられるという点では非常に重宝する100均、この機会にじっくり見てみてはいかがでしょうか。価格的に制限がある、実現ラインではないと思っていたゲームアイディアが意外と百円均一で実現ラインまでいくかもしれません。また、アイディア商品との出会いによりこのコンポーネントでゲームを作ったら面白いかもといったモノ先行型の発想にもつながるかもしれません。とくに、いまは12月、クリスマスを意識して様々な商品、小物が多い季節でもありますよー。是非面白いものを発見して、面白いゲームを作って下さい!



おまけ:ボードゲーム製作者 買うべきかもベスト3

1チャック付き小袋セット

様々なサイズのチャック付き小袋が入っており、いざ製作、量産をする際に、どのサイズの袋が必要か判定が楽です。10種類ぐらい入ってる。もちろんそれらのサイズはその店頭で取り扱っていますしね。

2ダイス

サイコロ4色セット。ダイスゲームを作る際に、専門店でダイスを買うのはとてもじゃないけど高すぎる。

3シール

数字の書かれたモノ、単純なドットシール、マークの書かれたモノなど、すぐに名刺カードとコンボで即席テストプレイカードの出来上がりです。直接字で書くよりもわかりやすいことこの上ないです。すぐにカードを入れ替えたりできるのも良!

番外:お弁当バンド2個入り

小箱を止めるのにとても便利です。非常に安定感があり、かばんの中でカードが溢れることもありません。長さが非常にちょうどいいです。しかも2個入り。

また小冊子製作用(ルール製本とかに便利)の特殊ホチキスが最近は売られていたりとまだまだ制作に役立つアイテムは多いです。

デザインに関する記事参加

Board Game Design Advent Calendar 2014 二日目にこの記事は参加しています。 

第一日目はI was game の @dbs_curry さんです。『ヴォーパルス』や『ダンジョン オブ マンダム』というゲームを作られています。「ヴォーパルス」は経年というシステムを取り入れた中量級のゲームで、「ダンジョンオブマンダム」は小さいながらぎゅっと楽しさが凝縮されたゲームです。またこの企画の主催者さんでもあります。

記事はボードゲームにおけるランダム性と公平性について書かれています。ゲーム制作に常に付いて回る問題についての記事です。オススメ。

また三日目は遊星からのフリーキックの(@terrasima)さんです。「トロールマスター」や「ヘイムスクリングラ」などを手がけられています。ヘイムスクリングラはゲームの面白さにくわえ、その販売手法、展開方法などでも注目を集められておられました。最新作「ワールドモンガー」は株ゲーのようです。

「マルチプレイヤーズゲームからソロプレイゲームを作る」というテーマで記事を書かれるようで楽しみです。


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