見出し画像

松村生前葬だった「トランプルーム」ラストウィーク4日間




トランプルームとはなんだったのか

そこで起こる出来事はすべてが嘘みたいで
どれもがギャグに思えた


先日書いた↓この記事の全日程が終了しました、気持ちの整理も兼ねて記します。



ギャグみたいな出来事の数々


パーティー中に警察が入ってきて
全員ザッとしたことも
なぜか大爆笑しながら
みんなで逃げ出したことも

男子トイレのドアが無くなって、
布のカーテン式なことも

せーまい階段から滑り落ちて、一瞬気絶したやつがいたことも(誰だっけか)

糖尿病で入院中なはずの松村さんが
振り向いたらそこでふつーに飲み物の片付けしてたりしたことも
足が包帯ぐるぐる巻きでちょっとミッキーっぽくてかわいいってなったことも

DJミキサー触るとなぜか電流走って指ビリッってなってたこととか

ここで酒飲んだ翌日の二日酔いが
段違いにキツイから
毒なの?ってなったことも

今日のアマレットジンジャーなんだかひと味違うなって思ったら
アマレットの瓶にウィスキーが入ってたことも

客入りが激しすぎて、ライターに火がつかなかったり
壁が大勢の呼気や汗?などで結露してて、寄っかかると白Tが黄色くなってたことも

ハロウィンパーティーではみんな仮装に気合い入りすぎて
お互い誰が誰だかわかんない謎の状態で、とりあえず「おつかれ!」って言ったり

ダブルブッキングが頻発して、オーガナイザー同士の交渉タイムがしょっちゅう発生したり

ラストパーティーでは、
松村さんが首からでかい募金バッグさげて回ってて
え?物乞いかな?ってなってたことも
まあまあでかい額その中に集まってたことも

ソファーにナオミキャンベルがふつーに座ってたことも
ナオミのリクエスト曲が彼女自身の曲で、(そこLA・LA・LA・LA・LA LOVE SONGじゃないんだ・・・!)ってざわってなったことも

私個人としては自分のDJ時間を大幅に勘違いしてて、最期なのに不毛なプレイをしたことも(これはかなり泣いた、八つ当たりもした、ごめん)

さいごのスピーチしてる松村さんにみんなが小銭投げてたことも
(神!)




なんか、

なんだか、


いいことも、ふつーに考えたら最悪じゃんってことも
全部ギャグに思えて。

え、謎!ってなぜか笑えて。

それが私にとってのトランプルームだった。






徐々に夢が覚めていく、最終日の朝5時

ラストパーティーの最終日、朝5時過ぎ
別現場のあった私が
いそいでトランプルームに戻ってこれたときには客電もついて音も止まってて。

明るい中、なぜか何人かキレてた。
そして言うことなすことみんな滑りまくってた。
よくわかんない状況すぎて、みんな力なく笑った
集合写真もパラパラと集まり、ぬるっと撮った。べつに全員揃ってない状態


夢から醒めるみたいに
この場所の
謎を含んだ嘘の世界みたいな空気が
ぱちぱちとはじけて変わっていくのを
そして
それがもう元には戻らないことを
だれもそれを言語化はできてなかったけど
怒ったり、滑ったり、
みんなどっかで感じてたように思う。

それが一番、さみしかったな。


謎の空気感、何者でもなかった私たち


この謎の空気感ってなんだったんだろう

その正体は
オーナー松村さんの人柄でしかなかった。
彼の謎めいて、ツッコミどころ満載のキャラクターがそのまんま反映されていて
そして
みんなそれをこよなく愛していました。


私、ここの場所で松村さんのお葬式をするまでは開けとかなきゃだめ!ってずっと思ってた。
結果的に今回のラストパーティーは、
松村さんの生前葬みたいな形になったように思う。
本人もそう言ってたからちょうどいいや。


帰り際、松村さんは私に
「ただのおじさんを、すごいおじさんにしてくれてありがとう」
って言ってた。何回も

その言葉、そのまま返したい
「何者でもなかった私たちに、何者かになるチャンスをつかめる場を与えてくれてありがとう。」
自分らのルーツの中にトランプルームが刻まれているのが誇らしいです。


お別れ感満載だけど
松村さんはまだ全然生きてるし、
古着屋「NUDE TRUMP(ヌードトランプ)」も、最上階の2店舗「Hypnotique(ヒプノティック)」、「Rosy-Baroque(ラウジーバロック)」「バーピアノ」も絶賛営業中。こんどはピアノに行くことになるだろうな


きちんとお別れを言える時間が用意されていることのありがたさを感じた4日間でした。


松村逸夫、最期のスピーチ

最後、松村さんの最後のあいさつを文字に起こしておきます。


松村:
自分が思ってた以上になんかいろいろこんなに愛してもらえていたんだなっていうのを実感した4日間でした
最近みんな来てくれないから、もうそろそろ経営的に良くないからやめようかなって感じで
もうちょっとみんな早くきてくれればよかったんですけど(笑)

それぞれみんなが来なくなった理由としては
みんなが人気者になったのかなって気もする

ただ学生がここでDJしてたり、ただ学生が服作ってたりとか写真撮ってたりだとか
みんな、いい仕事したり、いいスタイリストになったりデザイナーになったり
いいDJになったりいいミュージシャンになったり
ここでモデルウォークしてたやつが知らないうちにモデルになってたり

みんな本物になっちゃったのかなあ、みたいななんて

嘘の、モノマネのような学生の遊びのようなことが
実際みんなが成長してホンモノになったような気がします。

それぞれみんなが人気があって
他でDJだったり呼ばれるから
うちではなんか、やんなくなったのかな(笑)

そのあとの世代の子達がついてきてくれたら良かったんだけど
他の世代の、うちの子供なんかもそうだけど
InstagramとかYoutubeとかそういう世代になっちゃったから
あんまり、雑誌もぜんぶ潰れちゃいましたけどね

昔は雑誌に載ってるとか、載るのがあれだったりして
いろんなTUNEだとかFRUiTSとかそういった雑誌に
載るとか載らないとかだったり
そのためにおしゃれをがんばったり目立ったり色々してたけど
それがなんか
InstagramとかYoutubeとかそっち方面の方にいっちゃって
気がついたらネットで高く売れる服しか売れなくなってきて
気がついたらブランド物とかそういうのばっかりネットで売れるから
モゴモゴ・・・

皆さんに会えてよかったです、最後まで残ってくれてありがとうございました
本当にありがとうございます。
本当になんかお葬式に集まってもらった人みたいで・・・笑
ありがとう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?