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一市民が公立図書館に何ができるか?

どうも、私は地方に居を構える

比較的普通の人だと思う。(ちょっと変人だよねとも言われる)

そんな私が図書ボランティアと言う物に

足を踏み入れてそろそろ8年が経とうとしている。

そして、図書ボラの活動を通じ

図書館の重要性と言う物がどんどん理解できたので

図書館とは?その役割と市民が図書館の為に

出来る事はなんなのか?を書いていきたいと思う。


人はなぜ足りない事を知り、知的成長が社会に及ぼす影響と

言う事を文章で表現みたいと思います。

図書館を学び始め現時点での集大成となる

文章なので意識して図書館に通い始めた事から記憶を遡ります。

今から約8年~9年前、長女が生まれて3年が経った。

僕自身は本を全く読むことなく成長したお陰で

学校の勉強と言う物にひどく苦労した記憶があり(要は馬鹿)

その当時の現時点、要は8年程前はこう思っていた。

自分の子どもに勉強がつらい物になるのは人生において

大変な甚大な最悪な損失だと真剣に考えていた。

賢くない私は多くの知恵を授ける事は出来ない、ただ一つの事

だけを子供に教えようと真剣に考えた。

「読書」

これだけは徹底して教え込もうと思った。

それは知識は本らしか得ることは出来ずに

知識の入れ方や楽しめる精神性入れる耐久性さえあれば

どの時点でも人生はひっくりかえせると思っていたからだ。

これは今でもそう思っている。

本さえ読めれば人生はいつでも変われる。

そんな事を思って自宅で絵本の読み聞かせを娘にしていると

ひょんな切っ掛けから「お父さんの絵本の読み聞かせ」

の世界があることを知り、初代メンバーとして参加する。


この時点では「人に向かって絵本を読むだと??」

と、想像以上に変な世界があるものだと真剣に疑っていた事を

未だに覚えている。

そもそも不特定多数に絵本を読む、と言う状況が

よくわからない、意味が分からなかった。

が、何事もやってみるしかない。(当時は思った)

と、その活動は8年後の今も継続している。

気付けばメンバーは30弱名の

大所帯、全員パパのみで構成されている

全国的にもなかなか珍しいパパのみの

絵本読み聞かせチーム「えほん侍」だ。


宮崎県にも、えほん侍はいるが「大村市えほん侍」から

派生した仲間だ。 向こうも頑張っているらしい。

話を少し戻そう。

僕はまだ、大人が子供に絵本を読み聞かせることに

疑問を感じていた。

それは、絵本は子供が読むもので

大人がその世界に触れる事はない、絶対ないと

どこかでそんな考えがあったのだと思う。

しかし、目の前の先輩ママたちが

絵本作家の話や講演会に行ってきたと

ワイワイ笑顔で会話する世界をみて

その笑顔が本当に楽しそうで、絵本の世界が

本当に好きで好きで話をしている。

「ほ、ほんまにこんな世界(大人が喜ぶ)があるんやねえ。」と

かなり驚いた記憶がある。


大人でも絵本よむんや・・。

いや、私も自分の子供には読み聞かせをするが

しかし、だからと言ってその絵本作家が好きか?

ファンなのか?と聞かれると

「いや、ベルセルクは好きだけど?」と答えるだろう。

あくまでも絵本は子供と繋がる為のツールでしかなかった。


そして、先輩ママでもある人が

図書館たるものとは滔々と話し始め

一市民が図書館に対する「要求」を口にし始めた。

僕も一市民であるがそんな図書館(行政)に

口を出すなど考えたこともない!

とんでもない!この人少し過激なのかな?

と少し変な人を見る目で見ていたのかもしれない。

この時僕は行政(図書館)には口を出すのはおこがましいし

そんな事はあってはならないとお上思考があったのかもしれない

それは、行政のやることには口を出さず、任せておけば

最適化された仕組みに発展しくのだろうと言った

行政万能論に支配されていたのかもしれない。


そんな事はないのにね・・・。


ただ、そんな図書ボランティアを通じていると

自然と図書館とは存在が近くなる。

館長とも顔なじみになるし司書にも冗談が通じるような

ラフな関係が構築できた。


そんな中、ポツンと湧いて出た

図書館が再建築されると言った計画が発表された。

しかしあまり耳にしたことない方式で

「県立市立一体型図書館」

なんぞこれ?

聞いてみると、築年数が経つ県立図書館は建物が古く

県庁所在地では再建築の為の土地の確保が難しく

大村市がその土地の立候補に手をあげ、なんと

県立図書館の誘致に成功したのだ、これはすごい!

市民が10万に満たない小さな町に

蔵書200万冊を超える九州でも屈指の全国でも屈指の

図書館が建設されるとは!

これには全市民が沸いた、盛り上がった。

勿論ニュースにもなったり市の広報誌も盛り上がった。

さて、その頃大村市では有志で結成された

「図書館を考える会」が存在してあり

市民の為の図書館たるや如何様なものであるべきか

どのような進化を求めるべきかを日に日に学んでいて

その勉強会に私も参加してみて

「図書館の事を考える市民がいるんや!?なんかすごいなあ」

小さな市民の大きな動きに驚きをもった。

どんな驚きだったのかと言うと

これだけ多くの人が図書館の為に時間と金を使って

市民同士で学ぶ機会を作りその共有に努力を尽くして

居たことにすごく驚いた、と同時に感動もした。

もしかしたら「子供の為の読書」から

「子供の為の図書館とは?」にベクトルが進んだ瞬間だったのかも

しれないと感じている。

それからは図書館を考える会の主要なメンバーと

当時、世間を賑わせていた武雄市立図書館を見学し

流行っている図書館、話題の図書館、人気の図書館を

何人かのメンバーで見て回った。

その中で当時学んだ事は、図書館の何たるか?とは

図書館としてのほんの上澄みだったと思う、だが大吟醸だった。

そしてメンバーとも少し距離を取り

個人として今度は各地の図書館を見学に回った。

もちろん家族連れで、各図書館で子供らは本を読み

私は開架を見、配置、選書、ポップ、催し、サポーターを

意識してみて回った。


全国的にも有名な佐賀県の伊万里市民図書館に見学に

出向いた時、当時の館長が教えてくれたことがある。

私「図書館で大事な事はなんですか?」

「まず、図書の購入力があることだ。」


これに私は驚いた。

行政の職員がお金の事を話すとは!?

想像では「司書の能力を高める事」や

「市民の知る権利を守る事」とか

言わば、理念的な物が帰ってくると

考えていたので、思考をひっくり返された気分だ。

「それはなぜですか?」


「図書館にとって血は図書だ。

その新しい血をどんどん入れる事が

図書館が常に新しく成長していく源泉である。」


ええ、そんな事すら知らなかった!

それは本は大事なものだし、基本的なものだけど

最上位に来た事に「お金は本当大事なんだ。」と



その後伊万里図書館が誕生した建設背景を知りさらに驚いた。

当時は市民の為の図書館が無く

多くの市民が市民の為の図書館建設を行政に訴えたが

それは願わずだった。

しかし、それで諦らめることなく

図書館が好きなサポーターは

海外の有名な図書館まで見学視察を積み重ね

その知見で行政と渡り歩き

ようやく、自分たちの為の図書館を手に入れたのだ。

その名も伊万里市民図書館

市立ではなく市民の為の図書館だから

市民図書館にしたと聞いた時、心が大きく震えた。

行政の最適化などではない、市民が求めるものを

市民が勉強し、それなりの根拠をもって対峙し

自分らで手に入れることが出来た図書館は

市民による町づくりに他ならない、こんなかっこいい

事は今まで聞いた事ない、素直にすごいと感動した。


そして、こうも教わった

図書館の予算は行政の中では弱い立場にあり

言わば「削りやすい予算」

削られたら図書の購入力は弱まり、職員の研修も減り

言わば血のめぐりの弱い図書館に陥る。


これを防ぐためには何が出来ますか?

「市民が図書館を見ていると知って貰う事」

と非常にシンプルな答えが返ってきた。


それでは図書館の図書の購入力(予算)を減らす行政の

考えとはどういったものなのか?

至極わかりやすく言うと、他に予算が必要とする所があり

そちらに回す必要があるためです。


全国的にどこの図書館でも予算は幾分減りつつあります。

福祉や子育て教育にお金がかかるのはどこの自治体でも一緒。

それでは図書館がどのような立ち位置にあるのかを少し

お話できればと思います。

図書館法制定の直接の根拠は社会教育法ですがその社会教育法の

上位法は教育基本法であり、さらにその深淵は日本国憲法に求める

事が出来ます。

図書館に期待されている機能は、日本国憲法が保障している基本的人権と

密接な関係を有していると言う事です。憲法は法体系の頂点に立つもので

あり、憲法の条規に反する法律および政令・省令並びに地方自治体の

条例・規則はその効力を有しないことは言うまでもありません。

その最も重要な法律の一つに教育基本法があります、その立法の精神は

制定当時の同法の前文に高らかに謳われれいます。

「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な

国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようと決意した。

この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。

われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を

期するとともに、普遍にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。

ここに日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して

新しい日本の基本を確立するために、この法律を制定する。」



教育基本法は憲法の理念を具体的に実現するためには教育が

重要であるとの認識を踏まえて、新しい日本の教育の目的を示した

ものですから、その価値観は日本国憲法と軌を一にするものです。

教育基本法を「準憲法」と評価する学者もいるほどです。

改正前の教育基本法では「国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館

等の施設の設置、学校の施設の利用その他適当な方法によって教育の

実現に努めらければならない」として図書館が日本国憲法の理念を実現する

為の「教育」の場として想定されていることが明らかです。


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