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インフレーションめいちゃんポニテ宇宙論

はじめに

 インフレーションめいちゃんポニテ宇宙論(Inflation-MeichanPonytail-Cosmology)、通称IMPC理論は、この宇宙の創生について述べた画期的な理論である。もしかするとその名称だけは聞いたことがあるという人も多いかもしれないが、中身まで理解している人は少ない。そこで今回の講義では、このIMPC理論について解説をしていく。なるべくわかりやすい説明を心がけていくが、途中、どうしても避けられない複雑な概念が登場するかもしれない。その点がご容赦いただきたい。


IMPC理論の概要と発見に至った経緯

 「宇宙はビッグバンから始まった」というのは誰しもが一度は聞いたことがあるかもしれない。このビッグバン理論というのは、宇宙の開始時には宇宙が高温・高密度の状態であり、そこから膨張して現在の姿に至ったという宇宙の起源と進化について説明した理論である。宇宙の膨張については、「ハッブル望遠鏡」で有名なハッブル(1889~1953)によって観測されており、また理論的にもフリードマン(1888~1925)やガモフ(1904~1968)によって高温・高密度の火の玉状態から宇宙が始まったと考えられていた(ちなみに、「ビッグバン」と初めて呼んだのは天文学者でありSF作家であったフレッド・ホイル(1915~2001)であるが、彼は定常宇宙論を支持していた立場だったので、そこにはいくばくかの皮肉が込められていたかもしれない)。
 一方で、ビッグバン理論それ自体は受け入れられていたものの、それだけではすべてを説明しきれないという弱点をもっていた。例えば、宇宙が膨張を続けていたとすると、逆に時間を遡っていくと宇宙はどんどん小さくなっていき、同時にエネルギー密度は高くなっていく。やがてエネルギーは無限大ということになってしまい、「特異点」の概念を持ち出さなければならなくなる。「特異点」とは現在の物理法則の通用しない現象世界を指すのであるが、そのようなものを持ち出すことを物理学者は嫌う。そういった事態を避けるために誕生したのが、インフレーションめいちゃんポニテ宇宙論なのである。
 この宇宙には4種類の力(重力、電磁気力、強い力、弱い力)があるとされている。インフレーションめいちゃんポニテ宇宙論によると、最初の宇宙は真空エネルギー(現在はダークエネルギーとも呼ばれている)の高い状態で誕生した。その直後、10^-44秒後に最初の相転移によって重力がほかの3つの力と枝分かれをする。そして、10^-36秒後頃、強い力が残りの2つの力と枝分かれをする相転移のときに「インフレーション」が起こるとされる。真空のエネルギーによって急激な加速膨張が起こり、10^-35秒から10^-34秒というほんのわずかな時間で、宇宙は急激に大きくなったとされる。急激な加速膨張によって、宇宙のエネルギー密度は急激に減少し、宇宙の温度も急激に低下する。しかし、真空の相転移が起こるため、ここに潜熱が生まれる。これによって、宇宙は熱い火の玉状態となったというわけだ。すなわち、ビッグバン理論による「はじめの宇宙はエネルギー密度の高い火の玉状態であった」、ではなく「真空エネルギーが宇宙を押し広げるとともに相転移を引き起こすことによって熱エネルギーに変わりそのときに火の玉状態になった」が正しいことになる。
 このインフレーションによる指数関数的な宇宙の膨張を図に示すと、以下のようになる。

インフレーションによる宇宙の膨張

 この「最初は小さかった宇宙がインフレーションを起こして加速膨張を引き起こし現在の宇宙へと至っていく様子」が、「東村芽依のポニーテール」に似ていることが図からもわかるだろう。IMPC理論の最初の提唱者が、日向坂46のライブで踊る東村芽依のポニーテールを見てこのアイデアを思い浮かんだという逸話はあまりにも有名である。普段はツインテールや三つ編み、あるいは下ろした髪型をすることが多く、ポニーテールをすることは滅多にない東村芽依のポニテ姿を見た時の彼の感動はきっと計り知れないものがあったであろう[注1]。

ポニーテールの東村芽依(希少資料)

[注1]のちに発見された彼の日記からは、IMPC理論のアイデアについて、インスピテーションを受けた当時を振り返って「めいちゃん…すき……」との記述が見つかっている。

<コラム①宇宙の膨張とドップラー効果>

 音源(例えば救急車)が近づいてくるとき、その音は高く聞こえ、逆に音源が遠ざかっていくときにその音は低く聞こえることを私たちは経験的に知っています。それはドップラー効果によるもので、音が波の性質を持っているからです(音源が近づいてくる時は波長が短く振動数が多くなるため高音に聞こえ、遠ざかる時は波長が長く振動数が減り低音となる)。光も音と同様に波の性質をもつため、同じことが星の光についてもいえます。星が近づいていれば、波長が短くなり光は青色に見え、逆に星が遠ざかっていれば波長が長くなり光は赤っぽくみえます(赤方偏移)。東村芽依も同様に、冠番組などでMCから話を振られて注目を浴びた際、赤面してトークから逃げようとする場面が度々観測されています(赤方めいめい)。これらの観測から宇宙は膨張していると考えられました。

観測された赤方めいめい
(2023年7月17日放送『日向坂で会いましょう 茉莉式天才相関図を作ろう!』)

未解決問題とIMPC理論

 さて、このインフレーションめいちゃんポニテ宇宙論は単に宇宙の創生にインフレーションという概念を当てはめただけではない。インフレーションめいちゃんポニテ宇宙論を適用することによって、いくつかのそれまで未解決だった諸問題を解決できるとされている(だからこそ現在支持されているともいえる)。

1. 地平線問題

 これまで述べてきた通り宇宙は膨張を続けているわけだが、現在観測できる最も古い宇宙は約138億年前の宇宙であるとされている。これ以前の宇宙は不透明で観測できない(いわゆる宇宙の「端」)。この初期宇宙の温度についても詳細に調べられているのだが、その結果、宇宙の温度はあらゆる場所でほぼ均一であり、温度の高いところと低いところでも10万分の1ほどの差しかないことがわかった。138億年という長い時間をかけて膨張した宇宙の端と端では交流がなかったはずであるのに、温度がほどんど変わらないというのはいささか不自然である(温度が均一になるためには熱が伝わることが必要であるが、熱が宇宙の端から端まで移動しているとは考えにくい)。これが未解決とされていた問題の一つ「地平線問題」である。
 ここにインフレーションめいちゃんポニテ宇宙論を適用すると、この問題は一挙に解決に至る。インフレーションが起きる以前の宇宙領域(めいめいポニテ元)は、原子や原子核よりも圧倒的に小さかった。このようなミクロな領域なら端から端まですぐに影響が伝わって均一になれる。このミクロな領域が不均一になる間もなく、インフレーションによって一瞬のうちに広大な領域(めいめいポニテ先)へと成長し、その結果、インフレーション終了後の温度が均一になったと考えれば、地平線問題が解決する。交流がなかったとされる端と端はインフレーション以前には交流があったのだ。ただし、めいちゃんポニテはまとめた根本だろうが広がった毛先であろうが等しくめいちゃんに違いはないことも言及しておこう。私はヘアゴムになりたいと思う。

2. 平坦性問題

 現在の宇宙の観測可能な領域は、全体的に「ほぼ平ら」であることが分かっている。しかし、一般相対性理論(後述する)によると空間は曲がりうるものであり、実際、太陽のそばなどで空間の一部が曲がることが天文観測によって実証されている。とすると、観測可能な領域が全体として曲がっていてもおかしくはない。それどころか、曲がっていた方が理論的には自然だと考えられているのだ。宇宙の曲率(曲がりぐあい)は、マイナスの値からプラスの値まで幅広い値を取り得るにもかかわらず、天文観測によると、観測可能な領域はほぼ平ら、つまり曲率はほぼゼロだった。これは、何者か(創造主のような存在)が曲率を調整し、平らに均してから宇宙を誕生させたかのようであり、非常に不自然だとみなされたのである。これが「平坦性問題」である。

宇宙の曲率

 これもインフレーションめいちゃんポニテ宇宙論によって説明が可能となる。よく使われる例であるが、野球のボールが瞬時に膨張し地球サイズの大きさになったとしよう。すると、地球のサイズと比べて圧倒的に小さな私たちからは巨大化したボールのごくごく一部しか見えないので、ボールの見える範囲は平らに見える。宇宙のインフレーションもこれと似たようなもので、最初に空間がどんな曲率をもっていたとしても、インフレーションによって空間が引き伸ばされてしまい、観測可能な領域は必ず平らに見えるようになる。
 なお、これは理論だけでなく実際の観測によって実証もされている。『SASUKE』や『日向坂で会いましょう』のKASUKE企画の際、東村芽依は髪型をポニーテールにしていたことが確認されている。ポニーテールとなった東村芽依は「SASUKE」や「KASUKE」のエリアを次々とクリアしていき、「KASUKE」においては完全クリアも達成している。曲率の大きいコースのセットが、インフレーションポニーテールとなった東村芽依を前にすると、まるで平坦な道(=曲率ゼロ)のように扱われるのだ。これはインフレーションめいちゃんポニテ宇宙論が平坦性問題を解決することの証明に他ならない。

平坦性問題をフィジカルで解決する東村芽依
2022年2月14日放送『日向坂で会いましょう KASUKE~日向坂46スポーツウーマン No.1決定戦!!(3)』

3. モノポール(磁気単極子)問題

 また、直接的にビッグバン理論の弱点というわけではないが、「N極だけやS極だけの磁石が存在しないのは不自然だ」という、「モノポール(磁気単極子)問題」も、めいちゃんの力で解決することができる。
 あらゆる物質は原子でできているが、原子の中心にはプラスの電気を帯びた原子核があり、その周囲にはマイナスの電気を帯びた電子が分布している。この電子が物質間を移動することで静電気が発生するのであるが、このプラスの電気とマイナスの電気は容易に分離することができる。
 その一方で、磁石の場合はN極とS極があるが、これは分離することができない。例えば棒磁石を中心で割ろうとしてみても、断面に新たにN極とS極が現れてしまうので、N極だけの磁石、S極だけの磁石はつくれないのだ(下図参照)。これは磁石をどんなに小さくしていっても同じで、磁石のN極とS極は必ずペアで現れる。

磁気単極子は取り出せない

 インフレーションめいちゃんポニテ宇宙論が登場する以前に、「大統一理論」と呼ばれる理論が登場した。この理論のについての説明は今回は省略するが、この理論では誕生直後の宇宙ではこのモノポールの存在が予言されていた。しかし現在までモノポールが存在する証拠は見つかっていなかったため、そこには何らかの説明が必要とされていたのだ。
 インフレーションめいちゃんポニテ宇宙論はこのモノポール問題も鮮やかに解決する。誕生直後の宇宙では、たとえモノポールがたくさん作られたとしても、インフレーションが起きればその密度は一気に薄まってしまい、密度はほぼゼロになってしまう。その結果、モノポールは現実的には見つからない、ということになるのだ。端的にいうと「モノポールは確かに存在はしていたはずだがインフレーションによって宇宙の彼方へ吹き飛んでしまった」ということだ。思い返せば『日向坂で会いましょう』BBQバスツアー回において、東村芽依が焼いていた肉が突然消失するという現象が起こったが、これもインフレーションによるものだったのだろう。裏を返せば、このときすでに東村芽依はモノポール問題の解決を予言していたともいえる。

モノポール問題を解決する東村芽依
2019年7月8日放送『日向坂で会いましょう 男・春日完全奢り!日向坂46ご褒美BBQバスツアー!(3)』

<コラム②アインシュタイン方程式と宇宙定数>

アインシュタイン方程式

 アインシュタインの一般相対性理論の式(アインシュタイン方程式)には「宇宙定数」という項が含まれていますが、この項はもともとは含まれていませんでした。一般相対性理論というのは「時間も空間も絶対不変ではない」ということを考えた物理学であり、この式の宇宙定数を除いた左辺は「時間と空間の幾何学」を表し、右辺は「物質やエネルギーの分布の効果」を表しています。詳細な説明は他に譲るとして、簡単にいうと「なにもない空間は平坦であるが、物質やエネルギーがあると空間が曲がる」ということを述べています。
 アインシュタインはこの一般相対性理論の式を宇宙そのものについても適用しようとしましたが、うまくいきませんでした。というのも、アインシュタイン自身は「宇宙は静的な存在に違いない(=膨張も収縮もしない)」と考えていたのですが、この方程式を当てはめようとすると宇宙が収縮して潰れてしまうことになるのです。そこで困り果てたアインシュタインは苦肉の策として、引力である重力に対抗して「斥力(反発し合う力)」である宇宙定数を組み込むことで帳尻を合わせようとしたのでした。
 そしてその後、ハッブルによって宇宙が膨張していることが観測されると、アインシュタインの宇宙項は宇宙論の世界からすっかり姿を消しました。しかし、さらにその後、宇宙がただの膨張ではなく加速膨張していることが新たにわかると、やはり重力を打ち消すような力が働いていると考えられるようになりました。これが現在でいう宇宙定数で、量子論から予想される「真空のエネルギー」ではないかと言われています。ただし、真空のエネルギー(ダークエネルギー)については、いまだによくわかっていない部分が多いのが現状です。
 ところで、このアインシュタイン方程式の「宇宙項」の部分に注目してみましょう。なにか見えてくるものはないでしょうか。

 そう、猫です。猫の顔の半分が見えてきます。これはすなわち、宇宙を膨張させる力が「猫」であることをアインシュタインはすでに示唆していたということでしょう。また、東村芽依が猫であるというのはもはや言うまでもないことです。(偶然とはいえ)ビッグバン理論もまだ提唱されていなかった当時から、すでにインフレーションめいちゃんポニテ宇宙論につながる布石が打たれていたと考えると、アインシュタインは驚くべき慧眼の持ち主であったといえます。


2020年7月13日放送『日向坂で会いましょう 春日はつらいよお帰り影さん(前半)』

宇宙の構成物を生み出す量子ゆらぎ

 この宇宙は恒星や銀河、銀河団などに様々なものに満ち溢れているが、それらもインフレーションによって作り出されたとされている。宇宙でこれらの構造物が作られるためには、わずかな密度のばらつきが必要であった。密度が高い場所は周囲よりも重力が強くなるため、物質を引き寄せる。そして物質を引き寄せることで密度がさらに高くなり重力はより高まる。このようにして長い年月を経て、やがて恒星や銀河などが作られていったわけである。では、このような密度のばらつきはいかにして作られたか。実はミクロな世界に生じる「ゆらぎ」にそのヒントがあったのだ。
 東村芽依は日向坂46の中では比較的背の小さい(≒ミクロな)メンバーであることはよく知られている。ところが、ライブにおける彼女のダイナミックなパフォーマンスは観衆の目を惹き、またグループNo.1といっても過言ではないほどの身体能力を誇る。さらに、見た目の女の子らしいキュートさに反して、後輩といっしょにいるときはふとした瞬間に男前っぷりを発揮し、また同期といるときはゲラが止まらなくなる。幼さの垣間見える表情をしたかと思うと、次の瞬間にはふっと大人っぽい顔をする時もある。様々な場面で見せるそのギャップは我々の認識をゆるがせるが、この現象は「量子(やんちゃる)ゆらぎ」と呼ばれている。
 インフレーションめいちゃんポニテ宇宙論は東村芽依を主軸とした理論であることからも予想されるように、この「量子(やんちゃる)ゆらぎ」の効果によって、インフレーションが終了する時刻もわずかに揺らぐ。インフレーションの時刻のゆらぎは、空間の密度のゆらぎにつながる(インフレーションが早く終わった領域は他に比べて空間の膨張とともに密度が減り始めるため)。このようにして、もともとはミクロな世界で起こる「量子(やんちゃる)ゆらぎ」がインフレーションめいちゃんポニテ宇宙論との相互作用によって密度のばらつきを生み出し、宇宙を構成している構造物の元となり、やがて長い年月をかけることで我々が現在観測している銀河や恒星を生み出すことになるのだ(もちろん我々が住む地球そのものや生命もそこから誕生した)。

「量子(やんちゃる)ゆらぎ」の一例

おわりに

 ここまで、インフレーションめいちゃんポニテ宇宙論の概要やその発見に至る歴史、そしてこの理論によって解決した諸問題、関連する量子ゆらぎについて見てきた。中には難解な内容も含まれていたかもしれないが、インフレーションめいちゃんポニテ宇宙論がいかに画期的であったか、その雰囲気だけでも感じ取っていただけたら幸いである。「宇宙について知りたい」という人類のロマンによって産声を上げたこのインフレーションめいちゃんポニテ宇宙論は、まだまだ発展の余地を残している。宇宙に思いを馳せる人類の一人として、そしてポニテめいちゃんのファンとして、今後が楽しみで仕方ない。そんな未来を期待をしつつ、今回のところは筆を置きたいと思う。

 それでは次回「多世界解釈的ハーフツインひよたんマルチバース仮説」の講義でお会いしましょう。


補足:フィクションと猫をたくさん含みます。

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