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SIBOとは何か?原因•症状•一般的な治療方法


まだ日本では余り知られていないSIBO、ご存知でしょうか?

小腸細菌過剰増殖症(SIBO)は、小腸内に通常存在するべき細菌が異常に増殖したり、腸内細菌のバランスが崩れた状態を指します。この状態は、消化器系の問題を引き起こす可能性があり、様々な症状や不快感をもたらすことがあります。

本記事では、SIBOの症状、原因、そして一般的な治療法について詳しくまとめてみました。

1. 症状
SIBOの症状は個人によって異なる場合がありますが、一般的な症状には以下のようなものがあります:

1)腹部膨満感や腹痛
2)下痢や便秘
3)食欲不振や体重減少
4)過剰なガス、オナラ、げっぷ
5)悪心や嘔吐感

これらの症状が長期間続く場合は、医師に相談することをおすすめします。

また、消化器系の問題だけでは無く、鬱や不安などの精神的な問題も生じる可能性があります。(*1)
正確なメカニズムは完全には理解されていませんが、腸と脳の間の双方向のコミュニケーションを含む腸脳軸がこの関係に関与していると考えられています。
また、小腸の細菌の過剰増殖によって、様々な代謝物や毒素が生成されることがあり、神経伝達物質のレベルや脳の機能に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、SIBOで乱れた腸内細菌叢は、セロトニンなどの神経伝達物質の生成に重要な役割を果たしています。腸内細菌のバランスの崩れは、セロトニンのレベルに影響を与え、気分や精神的な健康に影響を及ぼす可能性があります。

2. SIBOの原因
SIBOの原因は複数ありますが、最も一般的な原因は以下のようなものです:

1)腸の蠕動運動の低下:腸内の運動性が低下すると、細菌が小腸に滞留しやすくなります。
2)胃酸、消化酵素、胆汁の分泌不足により食べ物が適切に分解されず、細菌の増殖を促す可能性があります。
3)免疫系の異常:免疫系の問題がSIBOを引き起こすこともあります。
4)PPI(プロトンポンプ阻害剤)の使用(*2)

SIBOのような慢性疾患に関しては、症状への対処は絆創膏のようなもので、根本原因が何かを知り、アプローチしていくことが大切です。

3. SIBOの一般的な治療法
SIBOの治療法は、症状の程度や原因によって異なりますが、以下の方法が一般的に使用されます:

1)抗生物質、抗菌ハーブの使用:特定の抗生物質は、細菌の増殖を抑えるために使用されます。ただし、抗生物質は長期間使用することは避けるべきです。
2)プロバイオティクスの摂取:健康な腸内環境を促進するために、プロバイオティクス(善玉菌)の摂取が推奨されることもあります。場合によっては症状の悪化を招く必要もありますので注意が必要です。
3)食事療法:特定の食事制限や栄養補給がSIBOの症状を改善する場合があります。

欧米、特にアメリカでは徐々に認知されてきてはいますが、残念ながら日本ではまだまだ知られていないのが現状です。

胃腸科に行っても医師がSIBOの存在を知らず、機能性ディスペプシアやIBSなどと診断されることがあるかと思います。

このブログでは、海外の機能性医学トレンドや論文を基に、SIBOの根本原因や症状の改善に役立つ情報をシェアしていきたいとおもっています。

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最後までお読み頂き有難うございました。

*1) Kossewska J, Bierlit K, Trajkovski V. Personality, Anxiety, and Stress in Patients with Small Intestine Bacterial Overgrowth Syndrome. The Polish Preliminary Study. Int J Environ Res Public Health. 2022 Dec 21;20(1):93. doi: 10.3390/ijerph20010093. PMID: 36612414; PMCID: PMC9819554.

*2) Rao SSC, Bhagatwala J. Small Intestinal Bacterial Overgrowth: Clinical Features and Therapeutic Management. Clin Transl Gastroenterol. 2019 Oct;10(10):e00078. doi: 10.14309/ctg.0000000000000078. PMID: 31584459; PMCID: PMC6884350.

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