見出し画像

アサシン、それは・・・・・・


 ある日の事である。秀二は美希に頼まれていた物を届けに行った。
そして、それを手渡すとそのまま部屋を後にした。秀二こと榊秀二は仕事に使う必要な物の手配を行う役割を果たしていた。秀二もこの世界に入るまでは、一流商社のエリートサラリーマンで有った。何カ国もの言葉を話し、世界各国を飛び回り、ありとあらゆる物への知識を豊富に持ち、世界をまたに架けるエリート商社マンとして働いていた。勿論、今でも秀二は世界各国にコネクッションを持ち、この地球上に存在するモノなら、何でも手に入れる事が出来ると言われているキレ者なのである。ちなみに先程美希に届けた物は 、スリランカ、ミャンマー、インドなどに、多く生息している、ラッセルクサリ蛇の猛毒を瓶詰にした物だった。この蛇の毒はよく中近東の革命軍を名乗る過激派組織がよく銃や爆弾を使えない場所での暗殺に使う物で、特に製造されている物ではない。
この猛毒も普通では、間違いなく手に入れる事など出来ない代物ではあるが、秀二に掛かれば簡単に秀二の許へ送り届けられてくるのだ。この事だけでも秀二の持つコネクッションの凄さが判ると思う。それと同時にこの話しを聞くだけで、ふじ商会というリサイクルショップが普通の商店で無い事は勿論の事、かなり裏社会でのコネを持つ組織である事が理解出来る筈である。言い換えれば、新宿歌舞伎町に蔓延る、ちょっと変わった巨大マフィア組織とも言える。そして、その組織のボスである、森田卓、側近の秀二、新たな仲間の美希、他にも大勢居る仲間達がこの新宿歌舞伎町を既に支配していると言っても、言い過ぎでは無かった。昔から、住みついて居た、ヤクザと言われる組織はすっかりと成りを潜め、そしてこの新宿歌舞伎町だけに止まらず、東京都内の暗黒の世界にふじ商会という組織は時には重宝がられ、また時には恐れられ驚く程の影響力を持ち蔓延っているのだった。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?