4月4日 回避と説明

いやぁ寝たなぁと思って時間を見たまだ23時55分だった。寝て、また目が開くと3時35分。
6時前に目が開くと外が明るい。起きる。と言っても起き上がる訳ではないけど。昨日の夜勤の看護師さんだ。チャキっとしていてて元気。お疲れ様です。
トイレに行く。ガチャっと開けたら、隣のベッドのおじさんが居た。鍵はしておくれよ。ベッドに戻って、おじさんが出てくるのを待つ。「すみません」と言いながらおじさんが戻って来たのでトイレに行った。
ベッドに戻る。隣のベッドには朝ごはんが運ばれてきている。匂いが漂ってきてお腹が空く。一昨日のとんかつからお腹が空くということはなかったので、久しぶりの空腹。けど今日は食べられないので、水だけ飲む。

点滴を繋いだのが先だったか、診察を受けたのが先だったか思い出せない、点滴がぶら下がったコロコロを持って歩くといよいよ病人然としてくる。診察でもしかしたら、魚の骨がささってるかもしれない旨を伝えた。口の中見ますねぇと鏡がついた棒を口に入れられて、えずきそうになって、全身麻酔でよかったなと思った。いや局所麻酔でもえずきはしないか。

手術の時間まで本を読んで過ごす。経済学の本を買ってみた。初学者向けっぽいタイトルだったけど、読み進めていくと違うようだと気づく。日本語版のタイトルと原著のタイトルも全然違っていた。知らない単語を調べ調べしながら読み進める。
読み途中だった軍事の本も読む。文化と軍事の関係に興味がある。そんな選択肢あるとは思えないことが選択されてしまうことが気になる。

11時20分から手術になったので準備して下さいと声をかけられて準備を始める。血栓予防の着圧ソックスは履きにくくはあったけど、あまりキツくは感じなかった。今回の入院で、リスク回避と説明をとても感じる。医学のこれまでの蓄積あるいは試行錯誤あるいは失敗を思う。そのお陰で安心して手術が受けられる。自分はリスクや良くないことを説明、報告することがニガテだ。今回の入院でその心性になにか変化が起こるだろうか。

手術室はとてもそれっぽかった(それはそう)。麻酔担当の人が、保健師の友達に似ていて、え?そんなことある?と思ったけど別人だった。
ベッドに寝転ぶと、てきぱきと色んなセンサーを取り付けられ、チェックリストが読み上げられる。
「麻酔入れていきますね、違和感あると思いますけど後でなくなりますんでね」と言われる。左腕から入ってくる。おおこの感覚かと思ってたそばから、左腕が重くなる。シャットダウンされた感じだ。脇に伝わってきたのを感じていたら、サウナでととのった時のような、頭が上へ上へと回っていく感覚。
「○○さん」と呼びかけられる。1時間弱時間が経っていて、手術が終わっていた。あの感覚を最後に気絶していたんだな。落ちる直前に何かを叫ぶことはなかったっぽい。口の周りはボヤッとしてるけど頭はハッキリしている(と自覚していたけど、日記を書きながら思い起こそうとしてもあんまり書けないから、やっぱりぼんやりしていたんだろう)。
ベッドに乗ったまま部屋に戻って来た。手術室用のベッドから居室用のベッドへはいつ載せ替えられたんだろうか。

看護師さんから3時間安静ですと伝えられる。スマホとイヤホンをとってもらった。とりあえず親に手術終わったことをLINEで報告する。返信が返ってきたけど、やりとりを続けるのは大変なので、寝るからと言って止めた。
許可局を聴きながら、目をつぶって過ごす。舌の間隔、口の左半分の感覚がない。口がパンパンになってるような錯覚。徐々に感覚が戻るにつれて痛みが出てくる。痛みが10段階で5になったら痛み止め使うからねとのこと。これは1だな。2〜3だ。3から4をウロウロしているころに安静時間残り30分。ちょっと痛みが増して来ている。我慢しないでナースコールして下さいという言葉と、あとちょっとで来てくれるからその時に言えばいいやという気持ちが揺れ動く。ここでナースコールで呼ぶことは自分の中のなにかを打ち破ることになるんではないか、押せ!とか思っていたけど、結局押さず、看護師さんがやってきた。酸素マスクや心電図のセンサーを外してもらう。点滴と出血止めのために咥えたガーゼはそのまま。点滴に痛み止めを繋いでもらう。点滴って便利だなぁ。最初に点滴やった人ってどんな人だろ。

結構痛みが出てくる。痛み止めを繋いでもらっていて良かった。痛みがおさまってくる。どういうメカニズムで痛みがおさまっているんだろう。全身の神経の働きが弱まってるのかなとか思って手を爪でつねってみたけど、いつもと同じ痛さを感じた。医学って不思議だ。

長谷川あかりさんがゲストの今日のダレハナを聴く。お腹が空いている。明日の朝からご飯は出るらしい。柔らかいやつ。

18時51分。血がなかなか止まらない。痛みが復活してきている。口いっぱいにガーゼを咥えている今の姿はなかなか滑稽だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?