4月7日 知ること

朝、6時過ぎくらいに電気が着くのだけど、アイマスクをしているのでそこまで関係なく、結局起きるのは7時過ぎ。夜中起きもするけど、毎日10時間近い睡眠。

朝ごはんかなと思ったら、当直の先生の回診だった。今日は診察がないと思っていたから嬉しい。腫れが大きくなってきていて、血が溜まってそうなことを伝える。今日あたりが腫れのピークで、この血がこれから歯肉や骨になるとのこと。知ることは安心する。

点滴。「小一時間かからずに終わると思いますんで」小一時間かからないってどれくらいだろう。40分くらいかな。とか思ってたら30分かからずに終わった。

洗濯したいですと看護師さんに伝えると、週2回しかチャンスが無く、退院までに受け取れないとのこと。マジか。困った。よく考えると、そもそも下着が足りなくなってきてたし、買い足すいい機会かと言い聞かせる。残り1足の靴下は退院の日まで残し、それまでは素足で過ごすことを決める。

管理栄養士の人が巡回に来て、同室のおじさんと話している。お茶がほうじ茶になっているのはカフェインが少ないかららしい。病院食って優しい。でもその優しさを受け取れないこともある。今日の夜ご飯のなすの田楽も、ナスの青さが強調されててキツかった。元々青くささが苦手なので、ペースト(といいつつ、完全なペーストではないんですが)状になっていて、風味が増すとキツい。ニガテなパターンが分かってきた。でも、唯一残してしまったのは一食目のキャベツのお浸しだけで、食事でテンションが下がるということは無くなってきた。
今日の晩ごはんから、お粥の量が倍になった。結構食べたなと思い、残りどれくらいあるかなぁと思ってお茶碗の底までスプーン突っ込んだら、思ったより深くて笑ってしまった。お粥って結構喉あたりにくる。

ずっとベッドで寝転んでるのもあれなので、昼は共有スペースに行って本を読んでいた。

ロシアの歴史についての本を読んだ。今のロシアはなぜああなのかを知りたく。今というフィルターを通して読んでいるから曲解してしまっているかもとも思いながら、こんなに立場が変わったり、暗殺されたりするのかとか、島国の日本と違って見知らぬ敵から攻め込まれるかもしれない不安とかを思う。理解はできなくてもとりあえず知ろうとする。

共有スペースのおばあちゃんと看護師さん。おばあちゃんは中々喋らないようだった。
「このタオル気に入ってるの?」「藤井風くんのタオルなの」えええ、藤井風はこの世代にも響いているのか。元気なさそうだったのに、そこから少し早いペースで話し出す。「今度黒い帽子が来るって言ってたけど、来なかったの。人気商品で」推しで生活が潤うってのはマジであるんだなと思った。

現象学の本を読み始めるが、数ページで音をあげてしまう。

ともから贈ってもらった小説を読む。読み進めてみると、これを選んでくれた意味が分かる気がした。主人公に自分を投影しながら読む。

隣のベッドに新しい患者さんがやってきた。ベッドで入院の説明を受けてる時、一動きごとに仕切りの壁が揺れてうるさい。どうなることかと思ったけど、それからは揺れてない。何かで結構な声で笑っている。昼寝の時点でまぁまぁいびきをかいていたので、今日の夜はイヤホンして寝ようかと思う。

自分のベッドは窓に面していない。昨日、窓際の人が退院したタイミングで、窓際に変えてくださいといえば変えてもらえたかもしれない。けど、掃除のおじいさんと配膳のおばさんが掃除も人手不足で大変なんですよと話していたことや、見える景色からは昔住んでた家が見えることや、朝眩しくてイヤなんじゃないかとか考えてやめた。

看護師さんに、だいぶ口開くようになりましたねと言われる。自分では気づいていなかった。口の中はまだまだ腫れいる。そろそろ腫れも引いていって欲しい。点滴生活は明日で終わり。

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