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文芸誌前期企画合評会記録


 記録:深川文
2024年2月27日(火)に文芸誌前期企画参加者3名で合評会を実施しました。名刺代わりの本10選を用いたアイスブレイクと作品の感想共有を通して、文芸誌参加者の仲を深め、作品制作意欲を高める充実した時間を過ごすことが出来ました!今回は、本合評会の様子を私深川文の目線でお伝えしていきたいと思います。

文芸誌『いつもあなたのそばに文学を』について

文学に対する「すき」の形を,いろんな形で表現することを目指した文芸誌。
前期(7月~2月)後期(3月~4月)でテーマを設定し、作品を募集する。
小説、詩、短歌、俳句、文学研究、その他の5つの部門で構成する。
2024年7月14日発行予定。

前期企画内容

前期全体テーマ:『ぶんがくのじかん』
学校の授業や読書といった文学作品とのふれあいの時間を意識したテーマ。
文学作品について抱いていた様々な想いが自分の創作と交わる瞬間を意識しました。
・小説:国語の教科書の作品で著作権が切れている作品を用いて執筆。
・詩:学校の授業をテーマにした詩。
・短歌:海外の文学作品を用いて、短歌を詠む。
・俳句:有名な一句の一部を用いた歌。
・文学研究:これまで国語の教科書で見かけた文学作品や作家について,自由に研究したレポートや感想文作成。
・その他:テーマ設定に関係なく,自分で自由に書いた文学作品。
今回は、小説、詩、短歌、その他の部門に応募が集まりました。

参加メンバーの紹介

*深川文(司会進行)
 小説、詩、短歌部門で参加。
名刺代わりの小説10選の選考基準:なんとなく、ぱっと思い浮かんだもの。

*無題
短歌部門で参加。
名刺代わりの小説10選の選考基準:最近読んだもの。兄弟愛、同性愛に関心があるため、そのような愛をテーマとした作品をメインに選考。

*金川めい
その他部門で参加。
名刺代わりの小説10選の選考基準:自分の創作の上でのバイブルとなっているもの。



合評会の内容まとめ

アイスブレイク
名刺代わりの小説10選を用いた自己紹介を行いました!
選考基準を話してもらった後、選考についての感想の共有や質疑応答を行いました。
自分の知っている作家、読んだことのある作品でも、読者が異なると、見え方や解釈が異なることが特に印象的でした。例えば、三島由紀夫の作品。私は三島の作品は、はっとさせられるけれどどことなくリアルな心情描写が印象的な作家さんだと感じていました。しかし今回、無題さんが三島の文章の美しさについて熱く語っていらっしゃる姿を見て、実は私の受け止め方とは、違う読み方が存在する作家さんなのではないかなと感じ、再読したくなりました。教科書の作品を少し年をとってから読むことの意義(見え方が変わっているから、読むときの観点も変わってくる点)についてのお話もお聞きしましたが、本当にその通りだなと感じて、再読したい作品が山積みとなっていきました。
 また金川めいさんの選考で、音楽をテーマにしたものが多かったことから、無題さんより、音楽がテーマの作品を音の聞こえない文学で味わうことの良さについての質問が出ました。その際、金川めいさんが、元吹奏楽部として、音や音楽についての複雑な思いが色濃く描かれているところが、自分がいいと感じている面だとお話ししていました。確かに内面の葛藤や複雑な思いは文学作品だから表せる面が大きいと思います。音を生み出すまでの繊細な過程を文学は拾い上げて、描きあげていく力も持ち合わせているんだろうなと想像の幅が広がりました。

合評会
 アイスブレイクで仲が深まったのを実感した後、いよいよ合評会のスタート!作品に対する想いの詰まったワークシートを片手に、自分の作品や他の参加者の方の作品について熱く語り合いました。
 合評会では始めに、作者に自分の執筆動機や特に工夫した点を説明していただきました。その後、その他の参加者の皆さんと
・作品のよいところ(ファンレターを送るような気持ちで熱く語る)
・自分だったらこう書くなと考えた部分
を話し合いました。
私は、高村光太郎『智恵子抄』を元に描いた詩と、放課後を舞台にした詩について皆さんから感想・ご意見をいただきました。
詩の中に登場する主人公の性別や詩のモチーフについての質問がありました。自分で読み返した際には気づかなかった読みが多様に潜んでいたことに驚き、客観的に作品を読むことの難しさを感じると同時に、読み手次第で受け取り方の変化する文学の多様さに感動しました。皆さんからいただいたご意見を元に、素敵な文芸誌になるよう、さらに編集作業も頑張りたいなと感じました。
また、皆さんが、自分の詩を丁寧に読み、解釈してくださったことが伝わってきてじんと胸が熱くなりました。

参加者のみなさんの感想

🌷深川文(司会進行):今回、初の合評会実施ということもあり、不安もありました。しかし、当日皆さんが優しくたくさんお話ししてくれたこともあり、スムーズに会を進行することが出来ました!本当にありがとうございました。みなさんの文学に向ける愛や熱い想いを聞く度、心が跳ねました。皆さんの言葉一つひとつに想いが込められていて、皆さんが丁寧に作品を読んでくださったことが伝わってきました。またいつか合評会を実施したいです。

また、参加者の方から温かい感想もいただきました!

🌸 金川めい:今回は、「その他」のジャンルでの参加をさせていただきました。ほぼ人生初の一次創作で不安と焦りがありました。しかし、今回の合評会で、同士からの「意図が伝わってきたよ」という温かい感想と、具体的なアドバイスを頂けて、そして、同士の作品を拝読させて頂けたことで、不安が和らぎ新たな創作意欲が湧いてきました。心が温まりつつ、良い刺激となった、ありがたい機会でした。

前期企画参加者のみなさん、作品執筆に合評会への参加、お疲れさまでした!みなさんの作品や合評会内で出た意見一つひとつに文学に向ける熱い想いが込められていて、とても幸せな気持ちとなりました。
今回、私が初の文芸誌主宰であることもあり、至らない点が多々あったにも関わらず、温かく励ましてくださるみなさんのおかげで、無事前期企画を終了することが出来ました。本当にありがとうございました。


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