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わからないからやってみよう!ド素人で実施する遺伝子操作CRISPR/Cas9のワークショップ(形質変換編)

こんにちは。Side Hustle Academyの新井です。今回は先日実施した遺伝子操作の続きを実施しましたので、そのレポートです。

前回は、遺伝子操作CRISPR/CAS9をやるための下準備で大腸菌の繁殖を行いました。遺伝子操作の基礎知識やCRISPR/CAS9などの説明はこちらをどうぞ。

今回は、繁殖させた大腸菌に実際に遺伝子操作を行います。

1.  遺伝子操作の目的
2. やったこと
3. 結果発表

1. 遺伝子操作の目的

今回の遺伝子操作では前回のワークショップで繁殖させた大腸菌を利用します。その大腸菌に対してCRISPR/CAS9の技術を用いて遺伝子操作を行い、大腸菌が繁殖不可能な環境でも繁殖できるようにします。

繁殖不可能な環境って???
「ストレプトマイシン」というのがキーワードです。
ストレプトマイシンという分子が含まれる環境下では大腸菌は繁殖できなくなります。

なぜ?
細胞内にある核酸とタンパク質からできた複合体リゾボームと結合し、タンパク質の生成を妨げるからです。

今回は大腸菌に突然変異を起こして、ストレプトマイシンが含まれる環境下でも生きられるようにします。

2. やったこと

まずは前回繁殖させた大腸菌と、ストレプトマイシンが存在する環境と存在しない環境のご紹介です。

前回、繁殖させた大腸菌ちゃん(左側です。)

ストレプトマイシンが存在する環境。実験の比較をするために2つ用意しましょう。

ストレプトマイシンが存在しない環境(見た目は変わりません笑)

早速、形式変換を実施します。

a. ピペットで形質転換用バッファーを100uL吸い取り、新しいマイクロチューブに移します。

こんな感じで、空のマイクロチューブに移します。ピペットの使い方は感覚でいけます 笑

b. 大腸菌をループで掻き取り、aのマイクロチューブに移します。

大きい塊が溶けるまでよく混ぜる。

c.「Cas9」「gRNA」「rpsL」と書かれたチューブから10uLをbで作った溶液に混ぜます。

d. cで作ったものを冷蔵庫で30分間冷やします。冷蔵後にチューブを42度の水に入れて30秒間培養します。冷蔵して温めて、、、何をやってるんでしょうか?笑

e. LB培地の入ったマイクロチューブ1本に1.5mLの常温の水を入れ、 LBを溶かすためにチューブを振る。こいつに水を入れましょう。

f. ピペットでeで作成したLB培地を500uL吸い取り、dの溶液に入れます。

g. fで作成したチューブを37度で2時間培養します。37度という環境を作ることができなかったので、以下のようにしました。DIY感が半端ない笑

ここの工程で、大腸菌は回復して、DNAを複製することでCRISPRのプロセスが実行されるとのことです。

h. 2時間の培養後に、一番はじめに紹介したストレプトマイシンが入った培地に200uL滴下します。比較するために、もう一つストレプトマイシンが入った培地を用意して遺伝子操作をしていない大腸菌も塗ります。

右側が遺伝子操作をした大腸菌を滴下したもの。左側が遺伝子操作をしていないもの。

i. 培地を培養する。室温で24時間-48時間

3.結果発表

どどーん!

左側が遺伝子操作をしていないもの、右側が遺伝子操作をしたもの。

結果だけ見ると、両方、繁殖してしまっています 笑
しかし、差があるということは実験自体は成功と言っても良いのではないでしょうか。右側の方が明らかに繁殖しています。

もう一回やってみました。

こちらでも両方繁殖してしまいましたが、差はでています。

気づき

遺伝子操作の課題になるのかもしれませんが、途中でチェックする仕組みなどが発明されると画期的なものになるのかもしれません。

以上、CRISPR/CAS9のワークショップでした。
今後もこのワークショップは続けていこうと思います。

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