人は失うことが苦手、という話

2年間のMBA生活が終わりに近づき、引っ越しの準備をしています。今日は荷物の大半を日通が持っていきました。なかなか寂しいものです。

MBA後のキャリアについてはまだ固まっていないのですが、また新しいチャレンジや発見と良き出会いがあるはず。それでも、寂しさのほうが大きいのはなぜなのか。

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2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの重要な業績の1つに、プロスペクトセオリー(Prospect theory)があります。この理論の重要なポイントの1つは、普通の人は何かを得るときの喜びにくらべ、同じ価値のものを失うときの痛みのほうを大きく感じるという発見です。

例えば、所持金3万円の人が道を歩いていて、
(1) 道端に落ちてる1万円を見つけて拾った(所持金は4万円に)
(2) どこかに1万円を落としてしまった(所持金は2万円に)
という二つのケースを比べると、多くの人は(1)のケースで感じる喜びに比べ、(2)のケースで感じる痛みのほうを大きく感じる、という発見です。これを、損失回避と呼びます。

実験によって幅がありますが、ある痛みと同程度の大きさの喜びを得るためには、2倍程度の価値のものを得ないといけない、と言われています。(1万円を失った痛みと同程度の喜びを得るためには、2万円程度を得ないといけない。)

例えば、誰も見向きもしていなかった古い建築物が取り壊されるという計画が明らかになったとたんに大反対運動が起こったりするのは、もしかするとこの損失回避の影響かもしれません。

これは従来の経済学の前提に対するとても重大な挑戦なのですが、それはさておき、人は何かを失うことが非合理なほど苦手、というのはなかなか考えさせられます。

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僕は、変化を歓迎する人生を送りたいなと思っています。

仕事も、住む場所も、ある程度の期間の後に変えていきたいなと。それが人生をより豊かにするんじゃないかと思っています。だから、いまと同じくらい魅力的な新しい機会が転がってきたら、それをつかみにいく少しの勇気が必要なんですよね。

損失回避に囚われない強さがほしいもんです。

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Notes for a book I will nev...

学部で開発経済学少々+ウガンダ難民居住区で半年インターン→戦略コンサル6年強(事業計画、マーケティング、BDD)→米MBA→米系IT企業で経営企画っぽいお仕事@東京 Twitter: @sidewaysz

思考・マインドセット

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