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賃貸仲介会社の一級建築士って何してる?

★メモ★
「S-FIT」には一級建築士がいます。
賃貸の建築士ってどんなことしてそうですか?お部屋のデザイン、設計、、、
入居者さんとオーナーさん、双方にとって「良いデザイン」を提供しているんです。S-FITの不動産サービスを実現する要となるお仕事について聞きました。
※吉川さん率いる建築設計部グループの皆さんはおしゃれかっこいい人達で構成されています。
by 広報yamada

■建築士を目指すきっかけは?■
建築士を目指し始めたのは小学校の時で、建築士というより大工さん。
家を作りたいと思っていました。
単純に、近くに大工さんがいて現場を見ていたら格好良かったのが理由です。
たまたまそのタイミングで家を建て替えるという話が出て、(結局建て替えなかったんですけど)新聞の折込の間取図を見るのも楽しかったし、その裏にひたすら間取りを書いていました。
自分の家だったら何が必要でどこに何置いて、自分の部屋はこうとか、とにかく楽しかったです。

■建築士への道■
建築学科を大学で勉強して、卒業後は教授に紹介してもらった設計事務所に就職しました。藤沢にある5人くらいの事務所です。手がけていたのは公共建設が多かったですね。幼稚園とか小学校の改修、老人ホームとか。たまに、マンションや戸建てもありました。
事務所に入って約5年間、ゼロから教えてもらいました。一番、印象深いのはやはり初めてほぼ一人で手掛けた3階建の賃貸マンション。作り始めちゃうとできちゃうので、当たり前ですけど、プレッシャーがありましたし、すごくビビってました。
最後出来上がったものをオーナーさんが満足してくれるかどうか、施主検査が一番緊張しましたね。
今も同じです。(笑)

■S-FITに入社まで■
5年間その事務所で働いて、その後同級生の誘いでマンションデベロッパーに入社しました。藤沢の5人くらいの事務所から、急にギラギラした不動産会社に入社したのでだいぶ雰囲気が違いましたよ(笑)
仕事の内容も変わりました。1ヶ月に1、2棟のペースでマンションがどんどん建つ。しかもラグジュアリーだから黒や白がメインで、ぱきっとした感じのものが多かったです。藤沢の時に手がけていたものは低層のマンションが多くて、都心ではペンシル型が殆どだったので、すごく難しかったです。
低層の方がデザインしやすいんです。

そして、2009年にS-FITに移りました。

「土地を買って、建てて、売る」から「賃貸の空室対策のリノベーション」になり、仕事内容はだいぶ変わりました。

■"作って終わりは"絶対にしない■
設計事務所とかデザイナーさんのリノベーションって、「おしゃれに作りました!」というところで終わってしまう事が多いのですが、「作って終わり」というのは絶対にしないです。
と言うのも、S-FITは空室で困っているオーナーさんの物件にお客さんをつけて、管理する所までやりますよね。

我々は、「不動産屋の中にある建築設計チーム」なので、作ったその先も賃貸として成り立つ様、市場を調べて利回りを考慮しながら賃料設定。そしてデザインする。

社内のマンション管理部門に賃料や設備について確認したり、店舗でお客さんの層や周辺の物件について聞いたりしています。
賃貸目線で作っていると、尖ったデザインよりも、「その後、入居者が便利に使える間取り」の方が良い事がわかります。
雰囲気とか色味は入居者自身に自分の好みで入居後楽しんでもらう。
壁の色を”赤”とか今はやりの“ブルックリンテイスト”とかにしてしまうと、置ける家具とかが偏ってしまう。でも、単純にシンプルな空間を作るのでは面白くないので、質感や素材を変えてみたりしています。
「S-FITのリノベーション」にはそう言ったこだわりがあります。

最近は、コンクリートが剥き出しでも、床が無垢で傷が少しついていても、"味"と捉えてもらえて、昔ほど住む人がピカピカの新築というより、リノベーションらしさっぽいのを求めている人が多くなってきています。

■新築とリノベーションのデザインは微妙に違う■
新築だからといって、自由にどこまでもできるわけではないし、大きな違いは無いと思います。ただ、新築なら箱(外側の形)に制限がないので、階層を増やしたり、天井を高くしたりできます。
リノベーションは箱(外側の枠)が決まってるので、どれだけ詰め込むか考えるのは難しいです。区分マンションとか、設計段階で水回りの配管の位置も決まっているし、老朽の有無も考えます。
リノベーションは制約が多いので難易度が高いかもしれないです。
でも、例えばコンクリートが剥き出しになっている状態とか、“古くても良いもの“とか、”逆に味になるもの“とかもそれはそれで面白いので、そのまま利用したりします。そういう部分はリノベーションならではなので面白いです。

■このデザインにした"理由"が大事■
賃貸だと、 住む人が気にいるのは絶対で、オーナーさんにも「住みたい」と思ってもらえる物件にしたいです。「とりあえずは人が入るだろう」「賃貸がつけばいい」とかそれだけじゃなくて、「住む人もオーナーさんも好きな部屋にする」事が重要だと思っています。
デベロッパー時代は、「かっこいいものを作って終わり」と思っていた事がありました。他よりも、“棚が凄く長い”とか、”部屋に自動ドア”とか。
単純に”格好いい”とか”面白い”とか思って付けていたんです。
それでも、都内の物件という事もあり、高賃料でもお客さんがついていました。
今は、よりお客さんの事を考える様になりました。そして、いろんな事に対して”理由”を考える様になりました。
「どうしてこうしたか、どうしてこのデザインにしたのか、このエリアにはどんな人が住んでいて、趣味は何で、週末は何をして過ごすか」
住まう人の生活まで妄想して考えています(笑)
その上で、「だからこういうデザインにします。そうするとかっこいいです」って言えられるようにしています。

それと、マイナス部分よりもプラスの部分をよく見る様になりました。
前だったら、物件見て「これは嫌だな」とか「良くないよね」とかすぐ言っていたんですが、何かのタイミングで「否定的な事をすぐ言うけど、良いところから言いなさい」って言われた事があって、「確かに」と思ったんです。
それから、先に良いところを言う様にしています。
そう思えてからの方が業務は楽しいかもしれないです。


ヘヤギメ!の店舗の内装も手がけています


インスタみてね♪



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