バンドのオタク共通の悩み

チケットが取れない。

私がライブに足を運ぶバンドの場合大抵はチケットを抽選で何度かに渡って販売して、
最終的にこの時間にアクセスしてね、ハイ、ヨーイドンの一般販売。

細切れの先行抽選、まあ、当たらない。
回線が速い人クリック戦争のスキルを得た人が制する一般、取れない。

そしてこのような論調が生まれるのだ。

複数バンドのイベントであれば
「片方だけ好きな誰かより両方好きな私が入れるべき」

少し昔の曲とかレアな曲をやりそうなコンセプトのときには
「より長くファンをやっている人が入って欲しい」

「そのイベントへの思い入れが深い人から順に入れてください」
「抽選なんて運任せではなくて提出した論文で審査してください」

さあ、お気持ちの強さで勝負よ‼️

＊

誰がどれだけこのような意見を真剣に考えているかは知らない。

まあ確かに、私よりも絶対に思い入れが強い人から席を取るのであれば行きたくて行けなかったときに「仕方ないかな」と思えるかもしれない。

別にいくら願ったとて恐らくコストの問題で個人の感情を考慮せず、抽選、一般と段階を追って販売する方法が続くのだろう。

なので、特に賛同も否定もしないがふわっと考えてみたこと。

＊

[仮定]

私：Catcher In The Spyというアルバムがとても好き。いつもCatcher In The Spyのことを考えている。
Aさん：Catcher In The Spyを普通に好き。日常を彩る音楽の一部にCatcher In The Spyがある。

さて、Catcher In The Spyの曲をたくさん演奏するライブが開催されます。

WOW！

大人気バンドなので、残念ながらチケットの枚数と、チケットを買いたい人の数が釣り合っていません。

気持ちの強さで勝負。

私はAさんよりCatcher In The Spyが好き。
私がチケットを握るべき。
いや、そうなのだろうか。

＊

例えば私は一日に音楽を聴く時間の9割、Catcher In The Spyを再生する。
対するAさんは1割程度だ。
/
私は1日に2時間しか音楽を聴かない。
Aさんは1日に18時間音楽を聴く。

1日に摂取するCITS、108分対108分。

どちらの気持ちが強いだろうか。

＊

例えば私は持ち合わせている「好き」の感情のうち9割をCatcher In The Spyに割いている。
対するAさんは1割程度だ。

どう定量すればいいだろう。

感情を体積で測れるとして。

私は感情が豊かではない。10Lの感情を抱えるよ。
短気なのですぐに怒ったり、仕事が好きではなくて、たくさん業務を振られて悲しい、そんなことに気を散らされる。
「好き」を考えるのに2Lだけ残った。
そこから9割、1800mL。

Aさんは感情豊かだ。
私より大きく、総計50Lの感情を持っている。
考えても幸せにならない感情にあまり気を取られないようにしている。
40L分、何かに「好き」を向けられる。
そこから1割、4L。

ペットボトルに入れて比べたら、一目瞭然だ。
私の「好き」なんてたった一本に押し込まれて、容量を余してしまうのだから。

＊

そんなに単純に「好き」を切り分けて定量できるのか？
そもそも、リットル単位にしてペットボトルに入れるなんて書いたから液体っぽいけど、本当に？
だとしたら、みんなが持っている感情の沸点は同じ？
その瞬間を生きている環境の変化に応じて状態変化しないかしら。
膨張して爆発的に増えるかも。
逆に霧散してなくなってしまうかも。

みたいなこと。

＊

これは気持ちの強さで戦いたがる人への挑戦状ではなくて、
他者は気持ちをどう比べるのかなというただの好奇心。

※[仮定]以下、下記以外は全て事実に基づかず記載されています。