私が私を好きなところ(再掲_2020/5/25)
履歴書に書く特技がない。
最後にこの問題に直面したのは、確か一年半前に今しているバイト先の面接に出向いたとき。高校入試、大学入試、入学したら自己紹介、バイトの面接。
クラスで何か作る時には絵を描くのは私の役目だったとか。実はそんなに得意ってほどでもないけど、続けていた習い事とか。もっと目立たなくても、何か少しだけ人と違うことができるとか
うん、ない。
ついでに言うと、少し前まで趣味もなかった。
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「コリちゃんって、人のこと褒めるのうまいよね」
何の話をしていてのことかは忘れてしまった。確か中学生の時、友達の何かを褒めてこう言われたことがある。もちろんこんなことを言われたのは初めてであった。
本当に私はよく人のことを褒めていたのだろうか、そしてそれはうまかったのだろうか。わからない。だけど、これは友達も私を褒めてくれてのことだったので嬉しかった。
自己紹介で言ったり履歴書に書くようなことではないけれども、私の特技は人を褒めること。悪くない。
それまでのことはわからないがこう言われて以来、いいと思ったことは積極的に言おうとしてきた。無理やり探すわけでもないし、必ずしも思ったことをすべていうわけでもない。それでも自分が好きだなと思ったことはなるべく軽率に口に出す努力をするようになった。
今日の髪型いいね。ネイルが綺麗。その服可愛い。教えるの上手いよね(ありがとう)。
あなたの描く絵の表情が好き。書く文章が好き。撮る写真が好き。奏でる音が好き。真っ直ぐな物言いが好き。
心のどこかに思っても意外と意識しないと表に出てこないものだ。
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人のいいところを見つけるのが上手くなった。同じくらいとは言わないけれども人の悪いところも意識するようになった。
しかしこの考え方をするようになって以来、面白いくらい誰もがいいところも悪いところもあるんだなあと思えるようになった。
だから、いいところだけ口に出す。褒め言葉は減るものではないから。他に「ありがとう」と「おめでとう」とかは同じように減らない言葉だと思っている。
一度気づいた悪いところを見なかったことにはならないし、言わないことが必ず良いというわけではない。だけど目についた世の中の「悪いところ」の大半は口に出さずに一旦無視すれば忘れてしまうものだ。自分にとってよくないものならば、少しだけ距離を置いて歩けばいいや。
こうして私の周りの世界は今日も平和に保たれる。
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この一連の価値観に対しても「これはよくない」と思う人もいるだろうし、私もこれが絶対に正しいと思ってしている訳ではないけれども。
中に少しでもいい部分があればそれは私のいいところだし、よくない部分が見つかればまあそんなものだ。誰にでも受け入れられて完璧な考え方なんてない。
いいところもあれば悪いところもある。ごく自然でそれだけのこと。
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ちなみに私は自分を褒めるのも得意だ。自分に甘いとか、よくない面もあるかもしれないけれども息はしやすい。もっと頑張っている人はまわりにたくさんいるけど、生きているだけで偉い。(一番重いのが残っているのは見なかったことにして、)今日はレポート二つ書いたから世界一偉い。
ちょっと恥ずかしいし小学生の作文みたいな文章になったけど、こんなことを書いてしまう私のことを、私は嫌いじゃない。
これを読んでいる皆さんも、きっと世界一偉くて素敵な人だ。
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