見出し画像

知らぬ間に、サウナがブームになっていた!その1:サウナをはじめから、ていねいに

知らない間に、世の中がサウナブームになっていたようです。

私はサウナが元々好きで、銭湯に行けばいつもサウナ。旅行に行く時も、わざわざサウナがある宿をチョイスするほどです。
自分にとって、サウナに入ることは「当たり前」であったわけですが、何故今、サウナブームなのでしょう?
漫画「サ道」の著者、タナカカツキさんのインタビューを読んで、だんだんわかってきました。

タナカさんを始めとする、サウナが好きで好きでたまらない人「サウナー」が、SNSを通してサウナを広める。それが広がって、若い人を中心に火が付いたようです。
そして、「サ道」のドラマ化。
地元のスーパー銭湯でいつもととのっていた私も、サウナの幅広さに驚きました。

せっかくのブームですから、ここでサウナについてありったけ語ろうと思います。

私の「サウナ」ルーツ

10数年前に、ちょっとした「スーパー銭湯ブーム」が起き、各地で銭湯が乱立していきました。後楽園ゆうえんちが一部取り壊され、そこに「スパ・ラクーア」ができた頃です。

忘れもしない2003年、水樹奈々さんのライブが川口リリアメインホールであるとのことで、平日にもかかわらずチケットを購入し、楽しみにしていました。
しかし、家の風呂が改装中。これでは帰宅しても、風呂に入らず翌日出勤しなければなりません。
両親は近くの昔からある銭湯に行くそうなのですが、夜遅くまでやっているわけでもなく、どこかないものか・・・と探したところ、家の近くにスーパー銭湯ができていました。
ライブを堪能し、帰宅した私は、さっそくその銭湯に行くことにしました。
(余談ですが、2003年川口リリアの水樹奈々さんのライブは、いろんな意味で語り草ですね。still in the grooveで衣装が崩壊した、とか)

さすができたばかりの銭湯なので、施設もきれいだし、広い。
サウナもスチームサウナと、ドライサウナの2つ。水飲み場もドライサウナ付近に完備され、水風呂もサウナの目の前です。

元々私は生まれつき「人百倍」汗をかく汗っかき。
幼少期からあせもに悩まされ、夏場は着替えを持ち歩かないといけないほど。グレーのTシャツなんて、汗染みがすごくて恥ずかしくて着れません。
しかしサウナは、どれだけ汗をかいても周りの迷惑にならないし、恥ずかしくもない。(全員裸で汗をかく場所なので当然ですが・・・)しかも、好きなだけ汗をかけるのです。着替えの心配もありません。
しかも、汗をかいた後の水風呂の気持ちよさ!あの感覚はサウナを味わった人にしかわからないものでしょう。

初回からととのったかは覚えてませんが、近くにあって気軽に入れるサウナに、すっかりハマってしまったのでした。
別に周りの人に勧めるわけでもなく、ただひとり密かな楽しみのひとつとして、16年ほどサウナに入り続けていたのです。

そんな私のホームサウナが、「蔵の湯 鶴ヶ島店」
ドライサウナは上段で98度、水風呂は17度前後。「野天風呂」が売りなので、ととのいスペースも広いのでお勧めです。
私はここでサウナの入り方を学んだので、他の施設に行くとやや違和感を覚えるほど。ホームサウナの在り方は人それぞれなのかもしれません。

「サウナの入り方」をはじめからていねいに

せっかくハマったサウナ。これを機にきちんとした知識でサウナを楽しもう、とサウナ初心者の頃に入り方を学んだのでした。
しかし、多少なりとも体に負担がかかる行為なので、結局入り方はひとつにまとまってきます。
ここで、「サウナの入り方」をはじめからていねいに説明しましょう。

サウナへ入浴することは「温冷交代浴」と言います。
熱気立ちこめる部屋に閉じこもると、汗腺が開き、死ぬほど汗が出ます。それをすぐさま水風呂で冷ますと、汗腺がキュっと締まる。これを繰り返すことで、血行促進、疲労回復に繋がる。しかも汗が体の老廃物を出してくれる、デトックス効果もあるのです。体に悪いどころか、超健康的。
しかし、心臓にかなり負担がかかるので、注意が必要です。

では、サウナの入り方をおさらいします。

その1:体をよく拭く
風呂に入った後などで体が濡れていると、汗がかきにくくなるので、必ず体を拭きます。完全に拭き去る必要はないですが。

その2:水をガブ飲みする
これから熱気立ち込める部屋に入り、死ぬほど汗をかくのですから、体の水分が奪われて当然。お腹がタプタプになるイメージで、水をガブ飲みします。
これが重要。水を飲まないと体の水分が抜けて、血がドロドロになってしまい逆効果です。
私は人百倍汗をかくので、サウナから出た後も水を飲みます。体が欲してしまうのです。

あと、くれぐれも言っておきますが、サウナに入ることでダイエットにはなりません。ただ体の水分が汗で抜けていくだけで、脂肪は燃えません。汗もかいて脂肪も燃やしたいなら、積極的に有酸素運動をすべきです。

その3:いよいよサウナへ
ここまで準備ができたら、いよいよサウナへ入ります。
サウナの温度はだいたい60~100度。ひな壇のようになっているサウナなら、上段に行くにしたがって温度が高くなります。自分の体調や好みに合わせて、ちょうどいい温度のところに座ります。
サウナに入る時間はだいたい5分~12分程度。
サウナによくある、進みが早い謎の時計は「12分計」というもので、ひとめもり1分で進みます。これを半分、がんばって一周するまでガマンします。

熱波立ち込める狭い部屋に人々が集い、ただただ黙って汗をかき続ける。
「苦行」とも「変態行為」とも取れるこのシチュエーション。
しかし、汗をかきながら様々な思いを巡らし、自分と対話するいい環境なのかもしれません。ただ、黙々と汗をかく。

でもまぁ、たいがいのサウナにはテレビがあるので、ついつい見てしまうのですが・・・。

その4:サウナから出たら、必ずかけ湯かシャワーを!
これでもか!と死ぬほど汗をかいたら、当然体は汗だく。
このまま水風呂に入ることは、重大なマナー違反です!かならずかけ湯やシャワーで汗を洗い流してください。
ちなみに、ドラマ「サ道」で原田泰造さんはいつも水風呂の冷水をジャバジャバ頭からかぶっていましたが、私にはちょっと無理かも。心臓が止まりそうで怖いのです。
なので、必ず冷水をかぶったり、冷たいシャワーを浴びる必要はありません。私も温水のシャワーで汗を流しています。
もちろん、冷水をかぶっても平気な人は冷水でも構いません。むしろ気持ちよさそうで羨ましい。

その5:水風呂
汗を洗い流したら、水風呂へ入ります。
最初はメチャメチャ冷たいので、ゆっくりゆっくり入っていきます。
私も最初に入る時はいつもゆっくり入るようにしています。腰までゆっくり浸かり、手首を冷やし、お腹と胸に水をかけてから、ゆっくり肩まで浸かります。
20度以下の水ですから、普通だったら体が冷えて風邪をひくレベル。しかし、「サ道」で出てきた「天使の羽衣」のおかげで、体が冷えるのを防いでくれるのです。わかりやすく言えば、ずっと熱いところに入っていたせいで、体がかなり熱を持っている。そのせいで水を冷たいと感じる感覚が鈍いのだと思います。
しかし、水ですから長風呂は禁物。ただでさえ熱い部屋から冷たい風呂に入るので、血液の流れが急になり、心臓がバクバク言い始めます。
目安は1分以下で十分です。

水風呂は慣れない人はずっと慣れないものかもしれません。
自分には無理だな、と思ったら、温度が低めのシャワーを少しずつかける程度でもいいかもしれません。自分の体に合った入り方が理想です。

ちなみに、水風呂に潜ってはいけません。水風呂は神聖な場所ではなく、ただの大衆浴場の風呂のひとつ。みんなが使うものです。でも潜った方が絶対気持ちいいのは、入ればわかる事。そう思って最初は潜ってましたが、知らぬおじさんに怒られました。
ただし、錦糸町にある「ニューウイング」のように、初めから潜っても泳いでもOKなところもあります。

その6:休憩
ここまで、かなり体に負担がかかっていますし、ずっと心臓がバクバク言いっぱなしなので、すぐにサウナに入ろうとせず、休憩します。
「ととのいスポット」で休憩、とは最近の言葉かと思いますが、休憩しないとただ体を痛めつけるだけの行為になってしまいます。
私も、最初に入ったころから水風呂の後は休憩するようにしていました。心臓の鼓動が収まるまで、5分ほど休憩するのです。そうじゃないと怖くて次に入る気にならない。なるべくならプラスティック製のレジャーベッドに寝転がって休憩したい。

休憩することによって、急激に冷えた体に何とか熱を取り戻そうと、体が頑張って血液を運び始めます。ここでエネルギーを使って、多少脂肪も燃焼されるのですが、これがダイエットではなく、いわゆる「ととのい」に繋がってくるのです。
死ぬほど汗をかき、火照った体を水風呂で冷やす。体にとって衝撃的な行為を行った後、静かに休む。瞑想にも似た、心休まる時なのです。

この順番でだいたい3セットこなすと、その時が訪れるのです。

「ととのう」とは

今まで書いた通り、サウナに入ることはちょっとした「苦行」であり、やもすれば、苦を楽しむ「変態行為」とも取れるかもしれない。
しかし、その先にある「ととのい」こそが、最近のサウナブームの原動力になっているのではないでしょうか。

温冷交代浴を繰り返し、休憩しながら目をつぶると、体中がフワ~っと浮き上がるような、意識が持っていかれるような感覚に陥ります。
これが「ととのう」という事なのですが、サウナ意外でも味わえることがあるかもしれません。でも、恐らく一番手軽に感じられるのがサウナなのでしょう。

しかし、ドラマ「サ道」で「蒸しZ」さんが「サウナを信じるな」と言ってっていた通り、毎回ととのうわけではありません。体調にも左右されるでしょうし、精神的な状態にも影響してくると思うのです。

しかし、熱波立ち込める非日常空間で狂うほどに汗をかいた後、極寒の水風呂に入る。もうそれだけで気持ちいいのです。これはサウナに入ったことがある人ではないと味わえないことは、間違いありません。

正直、私も「ととのう」という言葉を知ったのは、ドラマ「サ道」を見てからです。今まで10数年、そんなことを気にしてサウナに入ったことがありませんでした。
でも、確かに数回に一度はととのっている。言葉を知らなくても、「ああ~きもちいいなぁ~やっぱりサウナはいいなぁ~」と思いながら、毎回サウナに通っているのです。

だから、「ととのい」を追い求めてサウナに入ることはあまりお勧めしません。ただ大きな銭湯に行って、「あ、サウナがあるのか。久しぶりに汗かくかな」ぐらいな気持ちで温冷交代浴を楽しめばよいのです。そこには麻薬のような依存性があるわけでもなく、ただただ健康的な行為なのですから。


ここまで書いてきて、かなりのボリュームになってきたので、もっと語りたいことは別の機会にしようと思います。1クールで本当に楽しめた、ドラマ「サ道」の話や、ロウリュウについてなど、まだまだ語りたい!
タイミングを見て語ろうと思いますので、お楽しみに。

ちなみに、気づいた方もいらっしゃると思いますが、「はじめから、ていねいに」という言葉は、受験生の頃お世話になった、予備校講師の安河内哲也先生の著書からいただきました。尊敬と敬愛の念を込めて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?