見出し画像

【ネタバレ有】水曜どうでしょう2023最新作 「懐かしの西表島」第3~4夜

2023年8月30日より放送が始まった、水曜どうでしょう2023最新作「懐かしの西表島」。

いつも通り北海道から放送が始まり、順次各地でも放送が始まりました。
私は、放送局であるHTBのオンデマンドサービス「hod」にて先行パックを購入して楽しんでいます。

前回の記事では第1夜と2夜を語りました。
たくさんの方に読んでいただいているようで、本当にありがとうございます。

ちょうど記事をアップしたのが、関東での第1夜放送のタイミングでした。
今回は放送開始が早かったですね。
いつも関東の藩士にとっては数カ月の我慢を強いられてきましたが、今回は割と早めの開始となったのが嬉しい。

今回は第3~4夜を振り返ります。
放送本編と、藤やん&うれしーの「水曜どうでそうTV」でのウラ話も併せてご紹介します。
今回もお二人の深いトークに目からウロコでした。

【注意】
ここから先はネタバレになります。

私は放送の内容ほぼすべてを言葉にするので、読めばあらすじはすべてわかってしまいます。

まだ放送を見ていない方で、ネタバレが嫌な方は放送が終わってからゆっくり読んでいただければ嬉しいです。

もちろん、ライブビューイングに参加された方、既に放送をご覧になった方には是非読んでいただき、楽しんでいただけたらと思います。

ただ、映像制作や動画撮影に興味がある方は、第4夜と第5夜はhodのオンデマンドで見てみるのもいいかもしれません。
私は映像制作はシロウトですが、それでもすごい!と思いました。
きっと、そのような分野がお好きな方や実際に携われている方にとっては見え方が違うと思いますし、参考になるかと思います。










さて、西表島とタイトルにありながら、結局羽田空港から旅立つことが出来ないどうでしょう軍団。
さすがの軍団も台風には勝てず、シリーズ始まって以来初めてかもしれない、空港での足止めを食らっています。
果たして、軍団はロビンソンに会う事ができるのでしょうか??

【第3夜】

9月13日。
羽田エクセルホテル東急 滞在3日目。

画角こそ昨日までと一緒だが、この日は違う。
とにかく南を目指そうと、那覇に向けていよいよ移動することになるのだ。

今回、「カリスマスタイリスト」こと小松さんが衣装としてお揃いのアロハシャツを用意してくれたらしい。
モノは既に沖縄へ郵送したらしいので、この場にはない。
「すぐ楽しようとするんだから…」と大泉さん。

前日は各々何をしていたのか。
小松さんは北海道にないIKEAへ。
嬉野さんは、京急に乗って逗子まで行って来たらしい。
ミスターは新宿へ映画を観に行ったところ、同行しているマネージャー村部さんに偶然会ったそう。

ここで、現時点で計画しているスケジュールの確認。
この後、8時55分の飛行機で那覇へ向かう。
翌14日に石垣島へ渡り、可能であれば西表島へ上陸。
その日のうちに那覇へ戻り、15日の朝の便で東京に戻れば、それぞれの仕事に何とか間に合う。

かつてのサイコロの旅を彷彿とさせる強行軍。
あの頃はミスターが午後からラジオの生放送があったため、午前中には札幌に居なければならなかった。
なのに、朝一番で博多に居たこともあったのだが。

しかし心配なのは、明日14日の石垣島から西表島までの船がちゃんと出るのか?
西表島へ就航している船舶会社は2社。
現時点では、1社は欠航が決定、もう1社も欠航の見込み。
西表島へ渡ることが出来るかもしれないし、出来ないかもしれない。
正に綱渡りの旅。

西表島に行けないのなら、ロビンソンに来てもらったらいいんじゃないか?と大泉さん。
カヤックやってるんだから、それで来れるでしょ?
風に乗ってすぐ着くかもしれないよ?と無茶苦茶なことを言う。
ロビンソンなら本気にするかもしれないぞ、と藤村D。
「来いって言うんだもん、まいっちゃったなぁ」とか言いながら、売れ残ったTシャツを帆にして、船で来るかもしれないぞ、と盛り上がる一同。
そんなことあるワケないのだが、ロビンソンならやりかねない…と思わせる一同の口ぶりがすごい。

現時点では、西表島へ行けないかもしれない。
でも、那覇に行ってアクティビティ的な事もしないんじゃないか、と一同。
それを見越してか、大泉さんは先手を打って沖縄をエンジョイする計画を立てているらしい。
夜はアグー豚のしゃぶしゃぶの店を予約したと言う。

大泉さんには藤村Dの行動が読めていた。
沖縄に到着したら、「那覇!」と叫んだ上で沖縄そばを食べ、ホテルで少しカメラを回し、夜はホテルに再集合してぐだぐだトークして終わり。
どうやら図星だったようだが。

それならフリーの時間を満喫せねば。
夜に全員で食事をするしゃぶしゃぶの店も大泉さん直々に予約したそうだ。
とても人気の店で、予約を取るのが難しいらしい。
ガレッジセールのゴリさんに頼み込んで押えたのだとか。

そうやってグダグダ話しているうちに、飛行機の時間が近づく。
軍団、ようやく始動!


あっという間に軍団は沖縄へ。
あまり画角が変わらない、沖縄のホテルの一室。
相変わらずテレビを背に、大泉さんとミスター。

しかも時間は夜。
大泉さんが押さえたアグー豚のしゃぶしゃぶを堪能した後、ホテルに帰ってカメラを回している。
皆いい感じに酔っぱらっている状況。

沖縄に到着してから夜まで、一切カメラは回していない、と藤村D。
今までのどうでしょうのフォーマットからすると、大泉さんが「那覇!」と叫ぶ姿や、四国のうどん屋さんよろしく、沖縄そばをすすって「うまい!」のインサートぐらいはあったはずなのに。

ただ、あくまで今回の旅の目的は、西表島へ渡ってロビンソンに会うこと。
今はその目的の待機中だと主張する藤村D。
企画はまだ始まっていないのだ。
しゃぶしゃぶを食べている最中、酔って騒いで昔話に花が咲くシーンは相当撮れ高があったようだが、それも蛇足にすぎないという確固たるこだわり。

しかし、その道中で事件が。
アグー豚が楽しみな藤村D。
大泉さんに「いや~本当に豚が好きなんですよ」と告げたところ、
「そらそうだよな、おめぇはブタだからな」とチクリ。

突然の罵倒だが、どうでしょうではお馴染み。
この後、やれすずむしだ、かぶとむしだと言い争いが始まる。

しかしこの時は違った。
今まで堂々とやり合っていた藤村Dがシュンとしてしまったそう。

いやいやいや、違う違う。
こっちは好戦的に「やろうぜ」とジャブを打ったつもりだが、善良な市民に突然殴りかかる暴漢のようになったじゃないか!と大泉さん。
しゃぶしゃぶを食べてる間にもジャブを見舞ったが、それも同じ結果に。

大泉さんはリング上でガウンを着て臨戦態勢を整えていたのに…と主張。
思わずその場に立ち、コーナーポスト構えるボクサーよろしく体を動かすものだから、画角から外れて体だけ映っている。
10数年の時を経て、藤村Dが打たれ弱くなってしまったのか…

話題は気になる台風へ。
13日の夜の時点で、石垣島、西表島のあたりは暴風域を脱したとのこと。
藤村Dがロビンソンと連絡を取った限りでは、風はもう収まっているらしい。
船も朝早い便は欠航だが、その後は未定と変わった。
西表島へ行ける確率が高くなってきた。

小松さんが用意した衣装が手元に届いた。
衣装はアロハ以外もある。
まず、真ん中に四角いスペースが空いたTシャツ。
3泊4日分用意されていて、毎日四角いスペースの中に一筆書いて行動する予定だったのだとか。

さらに汚れてもいいようにロングのズボン。
大泉さんはカーキで、ミスターはブラウン。

そして、羽田でも話していたアロハシャツを披露。
白地に西表島の名物が描かれている。
南国の花や、パイナップル。
そして17年前軍団が追いかけた、テナガエビや巨大なヤシガニまで。

シンプルでおしゃれなアロハだが、それだけでは終わらない。
二人の手に「布書きクレヨン」が。
白いシャツに描かれたイラストに塗り絵をして、オリジナルのアロハシャツができるというのだ。

大泉さんがバカンスに興じている間、藤村Dや小松さんを始めとする同行者は昼からずっとシャツの塗り絵を続けていたという。
次回、そんな苦労の跡が見えるファッションショーが始まる!

【第3夜ウラ話】

ウラ話はこちらの動画を観ての感想とまとめです。

西表に行けなくてもいいじゃないか

話は「ロビンソンに来てもらえばいいじゃないか」という乱暴な発想について。

軍団が懸念していたのは、島へ行ったはいいものの、足止めを食らって帰れなくなること。
それならロビンソンを呼んじゃえばいいんじゃないか?というところから話は始まった。
石垣島までは行けるのであれば、西表島から船で来てもらえばいいと。

そんなこと絶対に頼めないし、実現しない事はわかっている。
でも、軍団のやりとりを聞いて、「ロビンソンならやりかねない」と思うし、その画が浮かんでしまう。
現に、藤村Dの「いや~まいったなぁ。来いって言うから来ちゃったよ」というロビンソンのモノマネも似ていたし、本人も本当にそんな事言いそうだからまた面白い。

そんな会話が成立するのは、結局部屋に居た全員、「西表島に行けなくてもいいんじゃないか」と思っていたから、と藤村D。

昔は企画に忠実に進めようとしていたし、ミスターの監視も働いていた。
アメリカ横断など車で移動する企画の時も、ミスターが喝を入れてゴールまでの目標設定をしっかりやって、寄り道をしながらもその目標を達してきた。
まぁ、厳しく目標を管理していた当の本人がインキーをしてしまう、という事件もあったが。

しかし、藤村Dは石垣島まで行った時点で西表島に行けなくても、後日ロビンソンにビデオレターでも送ってもらえればそれでいいんじゃないか、とも考えていたという。
ロビンソンにやってほしかった事を自撮りで撮影して送ってもらうなど、やり方はいくらでもある。

大泉さんと藤村Dとの関係性

そんな事を言いつつも、軍団は那覇へ。
那覇に着くと、台風の影響は全くなかったそう。
改めて沖縄本島と西表島との距離を感じた、と嬉野さん。
そりゃ、カヤックで海を渡ろうなど無理というもの。

那覇に到着し、大泉さんオススメのお店に30分ほど並んで沖縄そばを堪能。
大泉さんはバカンスを堪能し、スタッフ陣はシャツの塗り絵に勤しむ。
そして夜はアグー豚のしゃぶしゃぶ。
その間全くカメラを回していない。

しゃぶしゃぶの店はホテルから徒歩15分ほどの距離だったため、全員徒歩で向かう。
その間に、藤村Dは大泉さんのジャブを受ける事になる。

何故突然のスパーリングを要求したのか?
その理由として「楽しくなったんだろうね」と二人。

嬉野さん曰く、カメラが回っていてもいなくても、大泉さんと藤村Dはずっとそういったやり取りをしていて、それを忘れていただけなんですよ、とのこと。

大泉さんの気持ちが昂り、今までと同じように仕掛ける。
しかし、顔を合わせる時間も昔よりは短くなり、「すずむし」「かぶとむし」と罵倒し合っていた頃の事を忘れてしまった藤村Dが大泉さんをいなし始めた。
大泉さんとしては、とんだ肩透かしを食らった格好になってしまった。

あくびをしているミスターが「主役」

大泉さんは試合前のボクサーよろしく画角を外れる事をいとわずに立ち上がり、ステップを踏む下半身だけが映り込んでいる。
そんな時、隣のミスターはあくびをしていた。

しかし、ここが絶妙なんだと嬉野さん。

大泉さんと藤村Dのやりとりに関わりたくないミスター。
しかし映像には映り込んでいる。
どういった表情をするのか?といった緊張感があのシーンを引き締めていて、映像として成立しているという。
逆に、大泉さんしか映っていなかったら映像として使い物にならない。
むしろ、あの映像はミスターが主役なのだと。

あの場面は大泉さんが主張しだして、見ている我々視聴者はそれを見て笑う、というシーンだと思うが、全体的なバランスを見るとミスターの存在が欠かせない、とは、やはり作り手の視点は違う。

ただ、藤村Dが言っている通り、ミスターは酔っぱらって二人のやり取りに興味がないだけなのかもしれないが…。

結局、羽田のホテルからテロップ1枚だけで那覇のホテルへ。
場所は移動したが、それがあまり感じられない。
「移動感を全く排除した」とその理由を語る藤村D。
確かに、沖縄そばやアグー豚のしゃぶしゃぶを出してしまうと、沖縄の雰囲気を漂わせてしまい、移動感が出てしまう。
そこは完全に蛇足だ、と言い切った。

でもそれぐらいは出してもよかったんじゃ…という嬉野さんに対して、まぁしゃぶしゃぶ食べていた時楽しかったけどね、と返す。
ファンとしては何とももったいない気持ちではあるが…。


【第4夜】

”カリスマスタイリスト”小松さんが用意した、今回の企画の衣装。
そのひとつが、白地に西表島を彷彿とさせる名物が描かれたアロハシャツ。
しかも、布書きクレヨンで塗り絵もできるという。

早速、昼間から塗り絵に勤しんだスタッフ達のファッションショー「ナハコレ」が始まる。

まずは嬉野さん。
ボヤいていた大泉さんも、その姿を見て「いいねぇ~」
カレンダー撮影の時のあの掛け声だ!

嬉野さんは一部のイラストが綺麗に塗られていて、胸からお腹のあたりにかけて夕暮れのように赤く塗られている。
確かに、色が塗られているシャツを見ると、無地のシャツが旅館の浴衣のようにありふれたデザインに見えてしまう不思議。

次はガリバー旅行社のガイド、玻座真さん。
いくつかのイラストにうっすらと色が乗せられていてシンプル。
しかし自ら「水曜どうでしょう」と書いてしまった。
「それ書いたらすごいカッコ悪いじゃない」と大泉さん。

次は福屋キャップ。
一部が濃いブルー、そしてうっすらと黄緑色に塗られているイラストもある。
そしてイラストを分けるように黒い線がうっすら描かれている。
「この黒い線がシャツを汚くしましたねぇ」と大泉さん。

続いて藤村D。
全体的に隙間がピンクに塗られていて、イラストも赤系の色が目立つ。
ミスターが一言「乱雑」。
ワンポイントならいいけど、全部塗っちゃうのはどうだろう…と散々な言われよう。

そして最後は小松さん。
各イラストにうっすらと色がついていておしゃれ。
さすが「北のコシノジュンコ」。
しかし、「無難だなぁ」とミスター。

「僕はもう、方向性が…」と自信満々のミスター。
大泉さんとミスター、マネージャーの村部さんの3人が、これから塗り絵に挑戦するのだ。

ミスターは短時間で仕上げると豪語。
「そりゃそうですよ。あれだけ短い時間で顔真っ赤にできる人なんだから」と大泉さん。
これは、オープニングで出てきた「タコ星人」のこと。
確かに、様々なメイクを短時間でこなしてきたミスター。
さすがは舞台人といったところ。

「私が塗ったものが、大泉モデルとして売り出せばいいわけでしょ?」とメンバーに聞く大泉さん。
その言葉に返す刀で「それ明日きれいに描いてから言いやがれこの野郎!」と藤村D。
ようやくエンジンが温まってきたようだ。
すぐさまコーナーポストから立ち上がって臨戦態勢を整える大泉さん。
「いいねぇ、いいの来たねぇ」と体を動かす。

そうした軽いスパーリングはともかく、ミスター、大泉さん、そして村部マネージャーの3人はこれからシャツを塗る事になった。

藤村Dの「プレイボール!」の掛け声で作業開始。
ミスターは黙々と塗り出す。
しかし大泉さんはいつも通り喋ってばかり。

話題は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の話に。
ドラマのオープニングのテロップで、西田敏行さんに並んで、最後に大泉さんの名前が出てきた。

今回の放送でも「主演 大泉洋」と書いてくれるんだろう?と大泉さん。

2019年の「北海道で家、建てます」の時もテロップであーだこーだ言っていた。
しかも映像は荒々しく雪道を駆ける馬。
真田丸をイメージして映像を探したが、雪の牧場を駆ける馬の映像しかなかったのだそう。

十勝の牧場で行われる「馬追い」の映像だそうだが、あれを見ると脳内で「1/6の夢旅人2002」が流れるようになってしまったのは、私だけではないはず。

「今回、土人形かなんか用意しようか?」と藤村D。
今までの名場面を紙粘土で作ろう、と急に話が進む。
それがあんな事になろうとは…。

ようやく大泉さんもシャツに向き合う。
何故かトントントン、と音がする。
するとおもむろにシャツを脱ぎ出し、荒々しくパフォーマンス。
ひとしきりパフォーマンスをしたら、またシャツを着て作業に没頭。
一体何のアピールだったのか?

黙って作業を続ける3人をずっと見守るスタッフ陣。
すると、藤村Dが「ちょっとやり直そうかな…」と言い始める。
「アートって覚醒させるんだね」と嬉野さん。

その後も延々と作業が続く。
たまに大泉さんがトントントンと音を立てると、「朝のお母さんだね」「ネギでも切ってるのかな?」とギャラリーから声が上がる。
それでも、3人とも淡々とシャツを塗る。

最初に完成したのはミスター。
小松さんが作品を褒めると、「あいがとうどございだだどす」と意味不明な返答。
実は相当酔っぱらっていたらしい。

しかし、手を抜いた箇所を指摘されて手直しを命令された。

明日も朝早いのに、延々と作業を続ける3人。
それもこれも、昼間から時間をかけて塗り、お互いをほめたたえ、若干自慢げにファッションショーまでやったスタッフ陣の盛り上がりがあったせい。

そんな言葉に大泉さんのボヤキが炸裂!
「これみよがしにねぇ、そのドアから出てきてだ。凡庸な作品を順番に見せつけてだよ。やりたくなかったよ、こんな大人げない事をね、僕は」

つまりは、我々主演がやる事でもないのに、スタッフ陣の盛り上がりに乗っからなければならず、めんどくさいとボヤく。
でも、そうは言いながらも作業に没頭する。

そんなやりとりが、翌1時まで続いたらしい。

結局最後までアロハシャツを塗る大泉さんとミスターを追っただけの第4夜。
最近どうでしょうを見始めた方にとっては今までの流れに驚いたかもしれないが、かつてはキャンピングカーで大泉さんと藤村Dの今回のような言い争いが延々と30分続いた回なんかもあった。

今回の趣旨と大きく外れているかもしれないが、これもまた水曜どうでしょう。

しかし、最後にものすごい映像が。
1/6の夢旅人2002に合わせて、本編でも言っていたエンディングがなんと映像になった!

淡い光から映し出される、2台の灰色のスーパーカブ。
そして、朝日を背にお遍路の恰好でガッツポーズを決める男!
本当に、名場面を彩る土人形が、鎌倉殿の13人のオープニングのように次々と映し出される!!
…鎌倉殿の13人を見たことがない人は何のこっちゃわからなかったかもしれないが…。

しかし、ここまで精巧だとNHK側からクレームが来るのではないか?という、すさまじい出来。

登場する人形も多彩。
オープニングコントでの、ミスターの鶴の恩返し。
対決列島の冒頭で果たし状を読み上げる安田さん。
桂浜までのカブの旅で、旅館内で浴衣をはだけて相撲を一番交えようとする大泉さんと藤村D。
四国八十八か所を回るどうでしょうゼミナール校長。
カメラを高々と掲げる嬉野さん。
赤福を平らげながら生き地獄を味わうミスター。
極め付けは、小岩井牧場で盛大にリバースする安田さん!!

画面が変わると、だるまを荷台に乗せたカブで盛大にウィリーをする大泉さんの姿まで!
名シーン「だるま屋ウィリー事件」をも、カブを馬に見立てて見事に再現!

後半、フィールドに矢が次々と現れた。
しかしよく見ると、先が尖った糸ようじ!!
最後のナレーションも長澤まさみさんではなく、藤村D。
画面の文字の出方も鎌倉殿と全く一緒!

終始塗り絵で終わった第4夜だったが、最後の最後でものすごい映像!
ホテルでの何気ない会話から生まれた企画への行動力がすごい!!

さらにHTBのオンデマンド配信「hod」では、映像特典としてなんとエンディング映像のメイキングが!!

スタジオの中にミニチュアセットを組み、人形を置いてカメラをズームして撮影。
1分ほどの映像に、撮影予定期間が3日組まれている。
ただ、朝集まって17時には終わるそうだが。

そして、撮影を始める前に衝撃の事実!
鎌倉殿の13人のオープニングはフルCGだったことが明らかに。
そんなことも知らずに、こちらは人形を作ってミニチュア撮影を試みようとしている。
どうでしょうらしい、といえばそうなのだが、完成した映像は本物と見まがうほどのすさまじい出来だった!

【第4夜ウラ話】

今回もこちらの動画の感想とまとめです。

3時間の「塗り絵」にカメラを回すということ

第4話といえば、アロハシャツへの塗り絵。
みんなが夢中になって塗り絵に勤しむ姿は想像通りだった、と藤村D。
ホテルに着いて、夜食事に出るまでの3時間ほど、小松さんの指導の元スタッフ陣はずっと塗り絵に夢中になっていたのだそう。

那覇のホテルに入って、初めて画角が変わった。
西表島へ渡れるのか渡れないのかハッキリしない状況の中、これは仕方がない。
カメラを移動させたところで、結局はホテルの部屋しか映せないのだから。

しかし、ああ言う時に勝手に会話し出して、何かの拍子で面白いことに繋がる、と嬉野さん。

食事から帰り、22時ごろからカメラを回し始めて、結局3時間ほど回りっぱなし。
でも、ここは流れに任せていいだろう、という全員の総意があったという。
使っても使わなくてもいいから回す。

しかし、そうは言っていられないと藤村D。
尺が足りないから?
いや、大泉さんがいるからにはタダでは済まないからだ。

大泉さんのパフォーマンス

大泉さんはカメラの画角も企画の趣旨も分かった上でのパフォーマンスを披露。
おもむろにシャツを脱いで周りの反応を伺ったが、特に何もなくまた着る。

普通なら、ここでカットが入り、「大泉さん面白かったですよ〜」なんて一言があって然るべきだが、据え置きのカメラが置かれたホテルの一室で塗り絵に没頭する3人を見守るスタッフ、というシチュエーションの中ではあまり意味をなさなかった。
しかも、冷房がキツい部屋なだけに、不本意にももう一度シャツに袖を通す…。

「これは大泉さんが勝手にやった事だから…」と藤村D。
「それを言っちゃいけないって昔から言われてるでしょ先生」と嬉野さん。

こちらは何も言わないのに、サービス精神旺盛な大泉さんは何でもやってしまう。
料理の腕を振るうためにイタリアンシェフの友達に頼んでパイ生地を練ってもらったが、やったのは畑仕事や盛り付けの皿作りだった、なんてこともあった。

今回も一度脱いだはいいものの、収めどころがわからなくなってしまった大泉さん。
犬も間違えた時にはワザと伸びをしますからね、とは嬉野さん。
それがたまらない、とお客さんもわかってるから、と藤村D。
水曜どうでしょうの魅力を伝えるのは難しいことだが、そういった大泉さんのサービス精神旺盛なパフォーマンスも面白さのひとつであることを再確認できる会話。

大泉さんはバスキアをイメージして創作(塗り絵)に没頭していたと言う。
クレヨンをトントントンと打ちつける。
それを台所のお母さんの音としか聞こえなかった、と嬉野さん。
大泉さんにとってはそれもアートだった…のだが、背中越しにクレヨンを打ちつけていてもトントントンという音しか聞こえないんだから仕方ない。

自然に振舞う姿を見せる、ということ

トークから塗り絵が始まり、その間3時間ほど。
一見乱雑に見える映像だが、とても「濃密」だと藤村D。

大泉さんは派手にパフォーマンスを決めながら塗り絵を進めるが、いかんせん背中しか映っていない。
その左下にはうずくまって熱心に塗り絵と向き合うミスター。

そして、ツインベッドの間に身を隠して塗り絵に勤しむ村部マネージャー。
スタッフの立場として映るわけにはいかないから、という配慮だったと思うが、それが一番気になってしまう。
そんな村部マネージャーの姿を見て、「一番静かに、一番凡庸な作品を作っている」と評した大泉さんの言葉が素晴らしい、と藤村Dは褒め称える。

そんな姿を見ながら、やたらスタッフ陣に煽りを入れてくる小松さん。
藤村Dと嬉野さんはカメラ付近でその様子を見守る…。
軍団の関係性が垣間見えるし、その空間に「階層」に深さがある、と藤村D。

「そんなこと言ってるとまたみんな構えちゃうよ。適当にやってるから、自然とあの階層ができてるんだから」と嬉野さん。

その「自然とできる」ということをみんなやらないから、と藤村D。

今のバラエティなどの番組は、ある程度これから起こることを予測して、出た結果を公開する。
それは「自然とできる事にに責任が持てないから」と嬉野さん。

対して水曜どうでしょう。
カメラを回して、自然発生的に起こった事をありのままに表現する。
決して間違ったことはしておらず、非常に「人間的」な事をしているだけ。
だって、見ている方も人間ですから、と二人。

当然の事だが、多くの番組は「どういう人が見ているのか」までわからない。
だからこそ裏付けが必要だし、それがないと簡単に炎上してしまう。

しかし水曜どうでしょうは、長年培ってきたファンとの信頼関係がある。
たとえ画角がずっと変わらなくとも、きっとファンは喜んでくれる。
いや、喜ぶに違いない、と思いながら番組を作っていると言う。

地方局の総力を結集したエンディング映像

話題はエンディング映像へ。
撮影には3日、ワンカットに3時間ほどかかったとのこと。
しかも莫大な金額がかかっているのだとか。

敢えてあのようなエンディングにしたのは、本編とのバランスを考えて、という事らしい。

そもそも、塗り絵をしながら冗談交じりに話題になった事を具現化する運びとなったのだが、藤村Dと嬉野さんは、本当に紙粘土を買ってきて、自ら作って灰色に塗ることを想定していたらしい。

しかし、やるからにはしっかりやらなければ。
そこで、HTB内の映像作品のスペシャリストに頼んで撮影することになった。
たまたまドラマを撮影していた時に藤村Dが陣中見舞いに訪れ、「鎌倉殿、見てる?」「あのオープニングさ、作ろうと思うんだけど」「やってくれる?」と10分ほどで話を付けたらしい。

「あれは相当広いスタジオでやってますねぇ」なんて話をしながら詰めていたが、実は本家はフルCGだったというのも面白いオチ。

そうとも知らず、造形師さんにお願いしていくつもの人形を作ってもらった。
多くの造形師の方は普段からあまり名前が出ないだけあって、番組のエンディングに名前が出る事を喜んでいたそう。
しかも、みんな水曜どうでしょうが好きな方々だったようで。
きっと喜んで制作したのだろうなぁ、と想像できる。

HTB技術陣も結集し、みんなで気合を入れて作った。
本家はCGでも、番組制作で培った技術を結集して、造形師が作ったフィギュアを実際に撮影する。
集合時間よりも早くスタッフ陣が集合し、あれこれ話し合いながら作戦を練っていたこともあったのだとか。

そんな「職人技」と「情熱」を持って作られた映像。
ライブビューイングで初お披露目された時は、会場から拍手が起こった。

胸が熱くなるエピソードだが、「課題への取り組み方」を熱く説く藤村D。

NHKと同じような映像を作れないか、と提案した時、普通はは「いやそれは無理ですよ」と言ってしまう。
地方局とNHKでは環境に大きな差があるので、それは仕方ない。

でも、そこにどれだけの魅力があって、ちょっと無理をすればできそうだ、という「課題」を与えると、「できるかわからないですけど、やりたいです」という言葉が出てくる、という。

しかし嬉野さん「スタッフみんな、どうせ藤村さんが言ってることは出来ないから、俺たちでやろう」って気になるんですよね、ともいう。

藤村Dが突拍子もないことを言うが、「地方局の意地」と「面白そうという気持ち」と「情熱」で実現してしまう。
地方局から奇抜なアイデアで大成功を収めた水曜どうでしょうという番組はそうやって作ってきたのだろうし、その成功体験が原動力となって今回のエンディングはできたのではないかと思う。
そう考えると、ただでさえ凄いエンディング映像も、また見方が変わってくる。

おわりに

今回も長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。

結局今回も画角が変わらずにトークのみで終わってしまいましたが、あくまで今回の旅の目的は西表島でロビンソンに会うこと。それ以外は蛇足でしかない、という確固たるこだわりを感じました。
それも、我々ファンとの信頼関係によって成り立つ、というのも面白いし、なんともどうでしょうらしい感じでした。

さて、次回からはいよいよ旅の本番。
石垣島から西表島へ。
果たして、軍団はロビンソンに会う事ができるのでしょうか??

シリーズは残すところあと2回。
すべて見終えていますが、「どうでしょうらしさ」と「懐かしさ」を両方味わえる旅でした。
せっかくなので、関東での放送に合わせて記事をアップしようと思いますので、また読んでいただけると嬉しいです。

※つづきはこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?