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finalゲーミングイヤホン比較【E500/VR500/VR2000/VR3000】


こんにちは、ΣISAKAです。
僕が今まで作成してきたnoteで1番読まれているのがfinal VR3000 for gamingに関する記事です。結構前に投稿した内容なのですが、未だに読んで頂き嬉しい限りです。

そして、2023/11にVRシリーズ新作であるVR500が発売されました。今回の記事では、このVR500の紹介を気軸に、過去に発売されたfinalのゲームユースなイヤホン3種と比較していきたいと思います。
VR500は定価2980円と比較的安価に購入できる点も考慮しつつ見ていきましょう。

まずは本体形状から。

1.本体形状について

VR500

まずはVR500の本体形状を画像ベースで確認してみましょう。

外箱
VR2000,3000に近いデザイン
サイズは本体サイズに合わせて小さめ
製品内容
イヤホン本体とイヤーピース4サイズ
イヤホン本体
イヤーピース
4サイズ同梱は地味に嬉しいポイント
Eシリーズではおなじみの左右で軸の色が違う形式
イヤホン本体、マイク付き
リケーブルは不可
本体の形状とケーブルの柔らかさは同社のE2000、E3000に類似している
正面にfinalの印字
ここもEシリーズと同じ
マイク部にはボタン付き
楽曲の再生停止などの操作が可能
音声入力部分
マイク部分の形状は、E2000,3000のマイク付きモデルと同じ

写真ベースでさらっと通しましたが、記載していない所も含めて簡単にまとめます。

  • 製品に含まれるのはイヤホン本体とイヤーピース、アクセサリー類はなし。

  • 色はブラックというよりはダークグレーに近い。ケーブルの色が特に顕著。

  • 本体はプラスチック素材。E2000や3000のような金属素材とは異なる。

  • 本体形状はマイク部分を含めるとfinal E2000-C、E3000-Cに限りなく近い。

  • マイクのコントロールボタンは1つのみ。

  • ケーブルが比較的柔らかいので取り回しが楽な印象。

ここからは既存製品の外観について簡単におさらいしましょう

E500

本体形状は刻字以外はE1000と同じ
ケーブルの質感もE1000と同じで少し固めに感じる

E500の形状はfinal E1000と全く同じで、異なるのは刻字のみ。
E500とVR1000は店頭販売を行っていないため、amazon、楽天、final公式通販等のネット販売のみなので注意。その分価格設定が安価であること(1980円)が利点だと思っています。とりあえず手を出せる価格帯としてはかなりコスパ高いです。

VR3000

本体形状はfinal Aシリーズと類似
画像のように同梱のイヤーフックを付けると装着時の安定性が増す
マイク付きで、音量調整ボタンとコントロールボタンあり
背面に左右表示と型番が記載

VR3000は以前記事にしたので簡単に。
後述するVR2000と同じく形状はfinal Aシリーズと類似。Aシリーズと異なるのはマイクが付属していることと、リケーブルが不可であることです。

VR2000

形状、マイク、コントロールボタンの構成がVR3000と同一
外観で異なるのは色味のみ
この画像だと緑色がハッキリしている
イヤーピースとイヤーフックも同じ色にしているのが良い
筆者はイヤーフック使用派、弟は使用しない派

VR500より少し前の2023/9に発売されたVR2000。形状こそVR3000と同一ですが、製品の方向性が明確に異なります。この形状のいいところは、本体が耳に引っかかってフィットしてくれるところです。しかし、耳の大きさによっては耳に当たりすぎて痛いと感じることもあります。長時間装着することが多いゲーム用途としては手痛いところなので、事前に装着感を店頭で確認することをおすすめします。

VR2000、3000は試聴可能機が店頭に配置されていることが多いため、購入前に試すことができることも利点の1つです。

2.今回の検証の条件

今回はこの4機種のイヤホンを3項目で比較しようと思います。

共通条件

今回の検証で全機種で共通使用する環境は以下の通りです。

  • 音声出力:astro mixamp
    イコライザー:全音域フラットに設定

  • イヤーピース:final EシリーズMサイズ(元々取り付けられているもの)

  • 音量設定:全て統一(機種ごとの出力音量の差も含めて検証する)

検証項目1:ゲーム(VALORANT)

タイトルは僕が最近最もプレイしているVALORANTで検証します。

検証内容はスイフトプレイ(通常の爆破ルールを短縮したモード)を各機種ごとに3回プレイし、その中で感じたことをまとめていきます。使用する武器スキンは全て統一するものとし、自分から発生する音がなるべく同じになるようにして実施します。

検証項目2:音楽

ゲーム以上に音質の傾向が分かりやすい指標として以下のプレイリストを用意しました。
先日のポタフェスの試聴に使ったプレイリストから少し追加して、男性ボーカル、女性ボーカル、混声、ロック音楽から打ち込み系の音楽まで散らして選曲してみました。以下のプレイリストを各機種で通して聞いて検証します。

検証項目3:ASMR

E500が元々ASMR音声用に開発された製品であること、VR3000をASMR用に使用しているユーザーがいることから、これらの機種とASMR音声の親和性について確認します。今回は友人おすすめの動画と、ASMR向けに作成された音声作品を各機種で聞いて検証します。

YouTube側の動画については、声が一切入っていないタップ音の動画と炭酸水の音が収録された作品を選択しました。

音声作品側については、音響に造詣の深い小岩井ことりさんが主宰するサークル「kotoneiro」の作品の中からチョイスしました。気になった方はサンプルの試聴してみて下さい。
今回は製品版のトラック4と7を使用して比較を行います。

これらの項目を通してそれぞれどのような印象だったかまとめていきます。
各項目で機種ごとに使ってどうだったかを箇条書きで記載していきます。また、製品名の横に評価記号を付けました。項目としては以下の通り。

  • △:使用していて微妙に感じた部分あり

  • 〇:問題なく使えるが、少し気になる部分あり

  • ◎:問題なく使える、気になったところもなし

  • ☆:すごい、すごい

前置きがかなり長くなりましたがれっつご。

3.E500検証結果

ゲーム:△

  • 出力弱め故か音が小さめに感じたが、その中でもキャラクターボイスが前面に出ている印象を受けた

  • 低音の出力が強く、銃声などの音声が大きくなる

  • それぞれの音が個別に鳴っている分には問題なく音の方向が把握できるが、複数の音が混雑するとよく分からなくなる、特に低音が出ている時(ヴァンダル、オーディンの銃声が特に顕著)

  • 音の方向性、定位感については特に問題なく使用できた

音楽:△

  • 音域が狭めと感じる、キラキラ感はない
    └これが原因なのか、どうしても籠って聞こえる

  • キックとベースラインの鳴りがハッキリしている(中低音が強い?)

  • 男性ボーカルの方が強く感じた

  • 低音~中低音の鳴りが強いのかもしれない
    └後から付随するように中高音が聞こえる印象

  • 音の出方としては、三角形のようなイメージ

  • 4つ打ちの楽曲で縦ノリするのが超楽しい、電子音楽系との相性〇

  • ロック音楽は籠って聞こえる印象、相性△

ASMR:☆

  • とにかく聞いていて気持ちいいと思える

  • タップ音が脳に響くような感覚、これが脳がとろけるってこと・・・?

  • 前で鳴っている音はよく分かる、後ろでなっている音が判別しにくいかも(これはイヤホンの宿命なのかもしれない)

  • 左右の分離感はしっかりしている印象、どちらから音が出ているかはっきりしている

  • 音が混在しない状況の音声への特性が強いかもしれない

  • 声の出音がとにかくハッキリ前面に出ているように感じた。(やはり味付け?)

総評

  • 低音や声域に近いところが良く出ている印象、その反面全体的な音域は狭い印象

  • 単一の音(ASMRのような1つ1つの音を聞く)を聞くときがとても好印象だった、声、タップ音、水音どれも心地よく聞けた

  • ゲーム内での複数の音が混在するような状況では、強く出ている音域以外の音が埋もれがちでたまに聞ききれないことがある

  • ASMR音声が近く感じる、その場に自分がいるように感じる人もいるかもしれない

  • 今回使用した製品の中で最も出音が小さい

4.VR500検証結果

ゲーム:〇

  • 全体的にある程度の出音、どんな音が鳴ったか把握可能

  • 低価格帯のスタンダード的立ち位置

  • 人によってはケーブルを耳にかけることが億劫に感じる人もいることから、手軽に使えるのが強み

  • 1回音の方向を聞き間違えた(プレイヤースキルの問題の可能性あり)

  • ある程度聞こえてある程度実用性があるといったところ

音楽:〇

  • E500と比較して明確に高音が伸びる

  • 低音はそこそこ、ちゃんと鳴ってるけどそこまで主張してこない

  • 迫力には少し欠ける印象、鳴る音が鳴ってるなあという感覚→モニターライクとも言えるかもしれない

  • 男性ボーカルと女性ボーカルが重なるときに女性ボーカルが潰れる、特に1,000,000 TIMESの混声パートでchellyの声が聞こえにくく感じた

  • ベースラインの鳴りが気持ちいい(特にないないの冒頭)

  • 聞くジャンルをあまり選ばない、どの曲も気持ちよく聞ける

  • 中音域近くが強め?

ASMR:〇と△の中間

  • E500ほど奥深くまで聞こえてくるような印象はない、E500が鼓膜辺りで聞こえるような印象とすれば、耳から少し離れたところで聞こえるような印象
    └実際に聞いているという感覚になりにくかった

  • 前後上下の音の差異を感じにくい

  • 単一の音をシンプルに聞くことを目的とするなら十分な印象。前後上下の立体的な視聴体験は難しいかも・・・

  • 左右の分離感、定位感は問題なし

  • 環境音が少し遠く感じて、声の方が前面に出ている感じ

総評

  • いい意味でも悪い意味でも器用貧乏という印象が強い。ゲーム、音楽、音声作品と全体的にそつなく鳴らすが、所々でもう少しもう少しと欲求が出てしまった・・・

  • ゲーム向けイヤホンの第一歩としては取っ掛かりやすい点も含めておすすめ。これをベースにどういった要素が欲しいのか、自分の好みを見つけるスタート地点にできるような製品かもしれない

5.VR2000検証結果

ゲーム:◎

  • 定位感の強さを感じた、音の方向が明確でわかりやすい

  • 音が埋もれにくかったこともあり、混戦状態でも状況把握ができる場面があった

  • なぜかACE取れた(関係ないですごめんなさい)

音楽:〇

  • 低音の広がりが良く、ビートに乗りやすい

  • 中音域のボーカルが一歩後ろに下がった印象。声より音にフォーカス?

  • Hardstyleが気持ちいい、良

  • 女性ボーカルの方が主張強く感じる

  • ALIVEの聞きやすさが印象深い

  • 混声になると男声の方が良く通る、しかし他機種に比べると女声の鳴りがハッキリしている感覚

  • ボーカルよりインストの方が良く聞こえる。ボーカルが後からついてくるような印象

  • ベースの鳴り方がVR3000に近い、ドライバの問題なのだろうか?

  • 一番強いのが中低音周辺という感覚

  • ロック聞いた時の迫力はVR3000に一段劣るかも

ASMR:◎

  • タップ音が明瞭性がある状態で聞こえる
    └E500とも少し異なるような気持ちよさ。E500はごつごつ来る印象で、VR2000はトントンされるような感覚、丸みがあるというかなんというか・・・

  • 左右の分離感はしっかり

  • 上下の音の違いは分かりにくい

  • 前後の音の違いはやや分かる程度、明確ではない

  • 水のこぽこぽ音がとても気持ちよく聞こえた

  • 声の距離感を感じやすい、吐息まで感じられる

  • 音の出元の動きを感じられる、氷の落ちる音が特に分かりやすい

  • 環境音の気持ちよさも十分

総評

  • 音の質感がE500/VR500と異なり、1段階グレードが上がったような印象

  • ASMR音声を聞いた時と音楽を聞いた時で音の印象が少し異なった
    (これは当日の体調や、装着感からくる差異の可能性あり)

  • いわゆるドンシャリめのセッティングで、キラキラした音が好きな人にオススメ

  • 複数の音が同時に出たときの音の分離感がハッキリしているため、ゲームや音楽鑑賞の際に強みが発揮される

6.VR3000検証結果

ゲーム:☆

  • 正直言うことなし、問題なく使用できる。

  • 定位感、音の方向の掴みやすさ、音が混雑した時の聞き分けがしやすい

  • 不満点特になし

音楽:◎

  • 男性ボーカルが一歩引いて低音域が前に来た印象

  • 低音の鳴りがただ大きいだけではなく、モニターライクな鳴り

  • 混声パートで音が潰れたり喧嘩していない

  • 高音の伸びがある程度ある為上物とベースラインの調和が気持ちいい、ただしそこまで強すぎない

  • ベースライン、キックの鳴りが突き刺さらない出音になっている、角が取れたような感じ

  • 一方で中高音が突き刺さるような印象(特にBANG!!!の冒頭)

  • 低音域が主役になりつつ、全体の音が潰れないような調整がされているように感じる

ASMR:☆

  • 誇張抜きでゾワッとした

  • マイクからどのあたりの位置で音が鳴っているのか想像できるような感覚になる

  • 声は他機種に比べると前面に出てこないが、しっかり聞こえる

  • 細かな音も聞こえて、臨場感が増す

  • 吐息が近い、ゾクッとした

総評

  • 今回の検証項目すべてを通してよい視聴体験ができた

  • VR3000もASMR音声向けに作成されていることから、ASMR音声の視聴時に強みを発揮できる

  • ASMR音声では、E500と比較するとまた違った良さを発揮していた。VR2000の上位互換のような出音だった

7.まとめ

最後にざっとまとめます。ここまでなげーよ思われた方はここだけ見て頂けると嬉しいです。

!!!注意点!!!!

  • あくまでASMR音声、ゲームに特化した製品のため、リスニング向けの製品と視聴体験が異なることが前提として捉えて頂けると幸いです。

  • 音の聞こえは人によって異なるため、一概にこれがいい!と手放しで勧められるものではありません。あくまで一個人の意見としてとらえて頂けると嬉しいです。

  • 音楽鑑賞を突き詰めたいなら、今回取り上げた機種に関わらず自分の好きと思える機種を探すのが一番です。ようこそ沼へ。

求める内容別オススメ機種

  • とにかくコスパを求めたい方、ASMRに特化したイヤホンが欲しい方→E500を買ってみましょう

  • イヤホンにあまり予算を回せないけどいい感じのイヤホンが欲しい人、気軽に付け外しができるイヤホンがいい人→VR500を試してみてほしいです

  • キラキラしたドンシャリサウンドが好きな人、同じイヤホンでゲームも楽しみたい人→VR2000を店頭で試してみてください

  • ゲームも音楽もASMRも追求してみたい人→VR3000を試してみてください

各検証項目別まとめ

検証項目1:VALORANT

  • E500  < VR500 < VR2000 VR3000 

  • E500 |大きな壁| VR2000 VR3000 

  • 個人的にはVR2000とVR3000がほぼ同等の性能のように感じた

  • VR500も問題なく使用できるがどうしても物足りなさを感じてしまう。そこまで音響にこだわりがなければ十分使用できるレベル

  • E500はどうしても音の籠った感じと全体の音のバランスの問題からゲーム用途としては物足りなく感じた

検証項目2:音楽鑑賞

  • 傾向としてはゲームでの評価と概ね同じ

  • E500は音楽用途としては価格相応の出音という印象。音楽も聴きたいなら他機種の方が使い勝手が良さそう

  • 低音ゴリゴリの音が好きならE500を音楽用途で使用するのも〇

  • VR500の出音自体は気持ちいいものだが、VR3000と比較すると明確に価格差を感じた。ドライバーの違い?

検証項目3:ASMR音声鑑賞

  • VR500 < VR2000 < E500 VR3000

  • E500はVR3000とベクトルの違う良さがあった

  • VR500はどうしても音が遠く感じて臨場感を味わうことができなかった

  • VR2000/3000は音の距離感の感じ方は似ているが、出音の傾向が異なる為好みが分かれそう

  • 個人的にはVR3000がゾクゾクするような出音だったこともあり、1番印象が良かった

  • E500はイヤホンの価格から考えるとダントツにコスパがいい、ASMR音声のみで考えるなら購入候補筆頭に上がる。高評価を得ていることにも納得

  • E500は単一の音を鳴らすのが得意な印象を受けた。声のみ、音のみで強みを発揮するように感じた

8.おわりに

今回はfinalから発売されているASMR音声/ゲーム音声特化型の製品4機種について比較しつつどんなものかをまとめてみました。購入に際しての一助となれれば僥倖です。

4機種分の情報を記載する内容上どうしても長い内容になってしまいました。最後までお付き合い頂きありがとうございました。

まだ記事にできていないデバイスもいくつかあるため、時間がある時にまた作成しようと思います。良かったらまたよろしくお願いします。
過去のnoteの記事では、デバイスに関する話やDJの話についても色々書いていますので、そちらも併せて読んで頂けるととても嬉しいです。

2024年もアウトプットを沢山していこうと思います。ガンバルゾー

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